こんにゃくは、冷凍すると食感が変わってしまうため冷凍保存はご法度? いえ最近では、その食感の違いを逆に生かしてお肉代わりに用いる人が増えているとか。いまや菜食主義の方たちにとっては、こんにゃくはお肉の代替品として冷凍保存が定番なんです。
そもそも、こんにゃくは冷凍できる?
こんにゃくは、冷凍すると水分が抜けて本来のみずみずしさはゼロ! そのため、冷凍保存はできないといわれてきました。
でも、全体的に水分が抜け出てしまう分、食物繊維は凝縮されて繊維質が倍増するんです。その性質を利用して、いま“敢えての”こんにゃく冷凍を常備する人たちが急増中!
冷凍こんにゃくのシャキシャキ食感にハマる!
冷凍したこんにゃくは、本来のこんにゃくの食感とは別物。シャキシャキとした独特な食感が生まれ、繊維が壊れることで味も染み込みやすくなります。調理の幅も広がり、肉の代用品として使えていろいろと便利です。
冷凍糸こんにゃくはコリッとした食感が新鮮!
もともと糸状の糸こんにゃくは、冷凍するとカスカスになりそう?さすがに冷凍保存は不向き??
いえ、糸こんにゃくも違う楽しみ方ができます。冷凍後に解凍し、みじん切りにしてみてください。例えば、つくねを作るときの挽き肉にプラスすれば、お肉のかさましになってヘルシーです。コリッとした食感も加わって、いつものつくねが一味違う味わいになります。
冷凍こんにゃくの作り方
買ってきた袋ごと、冷凍保存ができます! 他に、使いたい料理が決まっている場合は、薄切りなどに切り分けて冷凍用保存袋に入れてもオッケーです。
冷凍こんにゃく解凍・調理のポイント
解凍時に注意してほしい点は、2つ。使う前に、冷蔵庫に移して自然解凍をすること。水気をよく絞ることだけです。
カットせずに、水気をよく切ったこんにゃくをそのまま丸ごとステーキにすることも。
その場合、スライスしたにんにくを油で軽く揚げて一度、取り出しておきます。冷凍したこんにゃくを解凍し、両面をよく焼いたら焼肉のたれを入れてフタをし、味をなじませます。器に盛ったら、揚げにんにくを飾って召し上がれ。食べ応えのあるこんにゃくステーキが楽しめます。
他にも、一口大に切ればけんちん煮などの煮物にも最適です。本来、けんちん煮は、精進料理の一種。元々、お肉が入っていないわけですが、こんにゃくをお肉代わりに入れれば、一工夫ありのけんちん煮に。
他にも、野菜カレーに肉の代わりに入れればベジタリアンの方でも食べられるヘルシーなカレーが簡単に作れるので、ぜひお試しください♪
撮影・文/川越光笑(たべものライター・発酵食スペシャリスト)
こんにゃくを使ったおすすめレシピ
※こんにゃくは冷凍すると食感が異なるため、冷凍こんにゃくが苦手な方は常温のこんにゃくを使用してください。
【1】鮭とこんにゃくのみそ煮
魚を煮るのもあっという間で手間いらず。鮭に熱湯をかける下処理でグンとおいしさが変わります。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
鮭(大) 2切れ
こんにゃく 1/2枚
【A】
みそソース 大さじ6
水 1カップ
◆作り方
【1】鮭は2~3等分に切 って熱湯をかける。こんにゃくは5mm厚さに切り、中央に切り込みを入れてくるりと回し、手綱こんにゃくにし、下ゆでする。
【2】鍋に【A】とこんにゃくを入れて煮立て、鮭を入れて中火にし、ふたをして6~7分煮る。
◆ポイント
すりおろしにんじんみそソースは、みそに、にんじんの甘みと水分が加わった、簡単で栄養たっぷりのソース。和風の一品を、味つけいらずでパパッと作れるから助かります。
(1カップ分)
にんじん 1本
【A】
みそ 大さじ3
砂糖 大さじ1
酒 大さじ1
しょうゆ 大さじ1
しょうが(すりおろし) 1/2かけ分
【1】にんじんは耐熱皿にのせてラップをかけ、電子レンジで4分加熱し、粗熱がとれたらすりおろす。
【2】【1】と【A】を混ぜ合わせる。
教えてくれたのは
藤井恵さん
簡単に作れて、栄養バランスがよく、おいしさのセンスが光るレシピが人気。二人の女の子のママ。
『めばえ』2014年5月号
【2】ナスとこんにゃくのごま煮
脳をぐんぐん成長させる最強育脳プレート
こんにゃくの歯ごたえでかむ力がUP!
◆材料
(約4人分)
ナス 2本
こんにゃく 150g
いんげん 6本
しいたけ 3枚
ごま油 大さじ1/2
【A】
しょう油 大さじ2
砂糖、酒、すりごま 各大さじ1
◆作り方
【1】ナスは小さめのひと口大に切る。こんにゃくは塩もみし、流水で洗い流す。
【2】こんにゃくとしいたけはひと口大、いんげんは約2cm長さに切る。
【3】フライパンにごま油を熱し、【1】を皮目から入れて中火でさっと炒め、【2】を加え炒める。
【4】【A】を入れ、中火で煮汁が少なくなるまで煮詰める。
教えてくれたのは
りんひろこさん
料理家・フードコーディネーター・食育アドバイザー・薬膳アドバイザー。料理教室「みなとキッチン」主宰。京都で学んだ懐石料理と、アーユルヴェーダや薬膳など東洋の食養生の考えをもとにした、おいしく簡単な料理を提案。4歳と2歳、『めばえ』世代の子育てママでもある。
『めばえ』2018年10月号
構成/HugKum編集部