離乳食を与えるとむせる!考えられる原因は?対処法、むせない工夫【離乳食インストラクターがお答え】

こんにちは。離乳食インストラクターの中田馨です。離乳食を食べている時に赤ちゃんが「むせる」ことがあります。食べ物を食べている途中にむせると、ママはビックリすると思います。窒息しないかしら?背中をたたいた方がいい?口の中の離乳食を取り除いた方がいい?むせるのが止んだら、また食べることを再開してもいいのかしら?など、一瞬のうちにいろいろ考えてしまいます。今回は、離乳食を食べている時に赤ちゃんがむせてしまった時の対処方法や、むせないようにするための工夫を紹介します。

離乳食を食べるとむせるのはなぜ?考えられる原因は?

離乳食をむせるということは、離乳食が食道に入らずに気道に入ってしまったということ。気道は空気が肺へ入っていく道。食道は食べ物が胃へと入る道です。私たちの身体は、食べ物や飲み物を飲みこんだときに気道に入らないように気道の入り口が「喉頭蓋(こうとうがい)」という蓋で閉じる仕組みになっています。その機能がうまく働かないときに、むせることが起きます。赤ちゃんはそもそも、未発達なため固形物をまだうまく飲み込むことができません。ですので、大人以上に離乳食には配慮が必要です。むせる原因としては、

・食材の大きさが発達よりも大きい

・食材が発達よりもかたい

・とろみ加減が少ない

・スプーンに盛った一口の量が多い

・食べるのを嫌がっているのに食べさせた

・泣いている時に離乳食が口の中に入っている

などがあります。赤ちゃんの月齢や発達に合わせた離乳食を作ることと、食べている時の機嫌や様子を見ながら食べさせることで、むせることを防ぐことができます。

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食べ物が誤って気管に入って、口内の細菌が肺に到達して炎症を起こし、発症する肺炎のことを、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)と言います。赤ちゃんは、食べること、飲み込むことなどの動作が未発達なので、誤って気道に食べ物が入ることがあり誤嚥性肺炎になることはゼロではありません。

食後に、呼吸がゴロゴロ言ったり、咳、苦しそうな様子、発熱が見られたら、受診するようにしましょう。

むせにくい与え方や調理の工夫は?

むせないようにするには、調理方法と食べさせ方に工夫が必要です。

調理方法

・月齢、発達に合わせた大きさに切る

・月齢、発達に合わせたやわらかさに調理する

・むせやすそうなメニューにはとろみをつける

食べさせるときの注意点

スプーンをてんこ盛りにしない

赤ちゃんの口の中は小さいです。一口の量を少量にします。

寝たまま食べさせない

集中して食べなくなったら赤ちゃんが寝転がる時があるかもしれません。でも、寝たまま食べさせるのは厳禁です。また、食べた後にすぐに寝かせないようにします。

歩いたまま食べさせない

集中して食べなくなったら赤ちゃんが歩き回ることあよくあること。でも、それを追いかけて食べさせるのではなく食べるときは必ず「座る」ことが大切です。

むせにくいおすすめのレシピ

離乳食完了期 豚肉と野菜の具だくさんスープ

水溶き片栗粉でとろみをつけて、食べやすくなります。

<材料>

かつお昆布だし 300ml

豚肉 15g

にんじん 20g

玉ねぎ 15g

白菜 10g

しいたけ 5g

ベビーコーン 5g

もやし 5g

水溶き片栗粉 小12

しょう油 極少し

<作り方>

・豚肉は脂肪を取って 1㎝に切る。

・にんじん、白菜 5㎜幅の短冊切り

・玉ねぎ 5㎜幅に切る

・ベビーコーン 縦半分に切る

・もやし 1㎝幅に切る。

・しいたけ 薄くスライス

1.かつお昆布だしににんじん、玉ねぎを入れて沸かして煮る。豚肉、白菜、しいたけ、ベビーコーン、もやしを入れて更に煮る。

2.しょう油極少しで風味づけして水溶き片栗粉でとろみをつける。

 

赤ちゃんがむせることは、作り方や与え方を気を付けるだけでも防ぐことができます。むせたときは、一旦食べるのをやめて落ち着いてから再スタートさせましょう。

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一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在14歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、21年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する和の離乳食パクパクセミナー、離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで3000人が受講。

離乳食インストラクター協会HP 

中田馨の和の離乳食レシピブログ

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