刺身は何歳から食べられる?進め方や気をつけること、寿司デビューの注意点を離乳食インストラクターがお答え

こんにちは。離乳食インストラクターの中田馨です。離乳食の基本のひとつは「食材に火を通すこと」。大人が生で食べられる食材も、火を通さなければいけません。その一つが「刺身」です。今日は、刺身を食べられるようになる年齢と食べさせる時の注意点など話します。

刺身や生魚は何歳から?

まず、刺身が食べれるようになる年齢について説明します。

刺身は離乳食完了期以降も控えて

「刺身はいつから食べられますか?」離乳食講座をしていると質問を受けることがあります。よくあるのが1歳を過ぎて離乳食完了期になり「離乳食を完了して大人と同じ食べ物が食べられるようになる」ということで、刺身にチャレンジする事。生はアレルギーの原因になることもあり、細菌感染、寄生虫の心配もあります。大人よりも細菌に弱い赤ちゃんが、もし、食中毒になったら大人よりも重症化することもあります。例え、新鮮でやわらかいとしても、赤ちゃんに刺身を食べさせるのは絶対にNGです。気を付けるメニューとしては、刺身そのものを食べないとしても、刺身がのったちらし寿司、サラダなどです。

目安は3歳以降、進め方には気をつけて

子どもの消化器官が大人のように働き始めるのは8歳~10歳頃ともいわれていますので、医師によっては「8歳から」といった意見もあります。とはいえ、刺身や寿司の文化が身近にある日本ですので8歳まで食べないのは難しいかもしれません。食べさせる種類を吟味しながら3歳以降を目安食べても良いかと思います。下記に記載している、初めて生魚を食べるときに注意したいことを参考に、用心しながら与えます。

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刺身や生魚の進め方

では、刺身が食べられる年齢になったらどのように進めていけばいいかを話します。

はじめは白身魚がおすすめ

離乳食をスタートするときと同じように、最初は鯛などの白身魚からスタートさせましょう。白身魚がOKだったらマグロなどの赤身魚にチャレンジです。

青魚は8歳頃

サバなどの青背魚は、じんましんを起こすこともあるので幼児期に無理して食べなく良いと思います。8歳頃でも遅くはないかと思います。食物アレルギーがない大人の私でも体調不良の時に、焼いた塩サバを食べてじんましんが出たことがあるので、生の青魚を食べるときは、食べ慣れていたとしても子どもの体調が良い時にします。

貝類はNG

牡蠣などの貝類は、食中毒が強く子どもには向きません。中学生のわが家の子どもも牡蠣は好きですが、未だに生は食べさせていません。「大人になってから自分の責任で食べて」と言っています。

エビ・カニはアレルギー対策を

エビやカニの甲殻類は、アレルギーになりやすい食材のひとつです。アレルギーの多さで見ると乳児期は、卵、乳製品、小麦がトップ3ですが、幼児期後半に入ると卵、乳製品に加え、甲殻類がトップ3に入ってきます。これは、乳食期は食べたことがない甲殻類を幼児期後半に食べる機会が増えるからもあります。火を通したエビとカニでもアレルギーになることがありますので、特に幼児期は火を通した方が安心な食材です。

たこやイカが食べられる時期

イカやタコは、よく噛まないと食べられない食材です。大人でも細かく噛み砕くことなく飲み込むことが多いのではないでしょうか?大人よりも咀嚼力が弱い子どもで考えると、タコやイカを食べることはなかなかの至難の業です。3歳以降に食べるとしても、

・子どもがある程度の固さの食材を噛んで食べるようになっている

・食べるときは小さく切る

・食べるときは大人がそばで見守る

ということが大切です。

スモークサーモンや生ハムは幼児期後半

スモークサーモンや生ハムは大人が強く感じるくらいに塩分が多いですね。これは大人のために作られた加工食品です。幼児期は積極的に食べなくてもいいもの。小学生になっても極たまに、少量だけを心がけましょう。

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寿司デビューはいつから?

では、日本人に身近なメニューの寿司はいつから食べられるでしょうか?

酢飯は味付けに注意!

「ヘルシー」と思われがちな寿司ですが、実は、とても味が濃いものです。ご飯1合に対し、酢20ml 砂糖10g 塩5gとかなりの量の砂糖と塩が入れられます。これは、子どもにとっては濃い味のごはんです。もし、自宅でちらし寿司を作る場合は、子ども分は大人の1/21/3の味つけにするなど配慮しましょう。

イクラなどの魚卵は3歳頃

イクラなどの魚卵も3歳以降です。イクラはしょうゆ漬けや塩漬けされていて塩分が強いので、食べるとしても少量にとどめましょう。

回転寿司は何歳から連れていける?

回転すしで寿司が食べられるようになるのは、自宅で刺身を何度か食べて大丈夫だったらです。ただし、回転寿司のレーンには様々な寿司がのっています。子どもが食べられるものを選ぶのは大人です。薄めることができない酢飯の濃さも気になるところ。うどんや茶わん蒸しならお湯で薄めても食べられるので、寿司の数は少しにして、うどんや茶わん蒸しなど薄められるメニューと一緒に食べてみましょう。

初めて生魚を食べるときに注意したいこと

はじめて刺身や寿司を食べるときに注意することがいくつかあります。参考にしながら、刺身デビューをしてみてください。

最初は1口だけ、子どもの体調がいい時に与える

初めて食べるときは、子どもがいくら欲しがっても一口分だけにとどめましょう。また、子どもの体調がいい時に与えることが大切。風邪や下痢がある時にわざわざ与える必要はありません。

新鮮なものを与える

スーパーで買ってきたらその日のうちに食べることが原則です。美味しかったからと言って残った分を翌日に食べるのはやめましょう。

昼間の病院が開いている時間に

体調に変化があればすぐに病院に行けるように、できれば病院の開いている昼間にチャレンジしましょう。下痢、嘔吐、じんましんなど体調に変化があれば病院へいきます。

肉の刺身は大人になってから

肉の刺身を食べる機会は魚よりは少ないと思います。肉の刺身は大人になってからで十分。肉は子どものうちは「火を通す」がお約束です。

 

今回お話したことは、あくまで目安です。大切なことは年齢よりも、お子さんの成長発達、体調、体質によって変わるということ。3歳過ぎたとしても、魚の刺身が不安なら与えなくても大丈夫。火を通した魚が食べられていたら十分です。3歳からOKではなく、それぞれのお子さんの様子を見ながら与えましょう。

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記事監修

中田馨|離乳食インストラクター

一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで2500人が受講。

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