こんにちは。離乳食インストラクターの中田馨です。離乳食の本をめくり、離乳食後期のページによく書かれていることは「鉄分を意識して取り入れよう」ということ。離乳食後期ごろになると、鉄分不足が心配されます。今日はそんな離乳食の鉄分についてお話します。
目次
赤ちゃんが鉄分不足になるとどうなる?症状は?
赤ちゃんはお母さんのおなかから「貯蔵鉄」をもらって産まれてきます。その貯蔵鉄が9カ月頃には底をついてしまうので離乳食後期ごろから意識的に鉄分が必要になります。赤ちゃんが鉄分不足になるとどうなるかが気になるところですね。鉄分が不足した状態を「鉄欠乏性貧血」と言います。この状態が3か月以上続くと、精神的、身体的に発達の遅れがみられると言います。具体的には
鉄分不足が赤ちゃんにもたらす症状
・言葉の理解ができない
・身長や体重の伸びが少ない
・スプーン爪になっている(爪がスプーン状にへこむ状態)
などがあげられます。
離乳食で、鉄分不足が心配です。おすすめレシピはありますか?
鉄分不足が心配な時におすすめのメニューは、鶏レバーと赤身肉を一緒に使ったハンバーグ!れんこんをすりおろしてふわふわの食感にするのがコツです。
鶏レバーと赤身肉のれんこんハンバーグ
<材料>
鶏レバー 10g
赤身牛肉 10g
玉ねぎ 5g
ほうれん草 3g
れんこん 5g
片栗粉 小さじ1
*タレ
かつお昆布だし 50ml
しょう油 小さじ1/4
きび砂糖 少々
片栗粉 小さじ1/2
<作り方>
・鶏レバーと赤身牛肉は包丁でたたいてひき肉にして混ぜ合わせる
・玉ねぎはみじん切りにする
・ほうれん草は湯がいてみじん切り
1.材料をすべて混ぜ合わせてハンバーグに形作る
2.フライパンでフタをしながら両面焼く
3.タレの材料を鍋に入れて混ぜながら温める。とろみがつき始めたら火を止める
4.ハンバーグにたれをかける
*付け合わせは茹でたにんじんとブロッコリーに、プレーンヨーグルトのソースをかけて
離乳食の鉄分は、市販のベビーフードでも補えますか?
レバーペーストは重宝します!
鉄分をとるために、市販のベビーフードで大活躍するのは「レバーペースト」です!レバーが苦手な方は、触るのも抵抗があると言いますよね。レバー好きな私でも、そんなにしょっちゅう食べません。鉄分が多いと分かっているけど、なかなか食卓に上がりにくいレバーだからこそ、手軽に使える市販のベビーフード「レバーペースト」は重宝すると思いますよ!
離乳食の鉄分補給のために中期から食べられる食材リスト
離乳食中期から離乳食メニューに鉄分が含まれたメニューをとりいれたい!というママさんには、以下の食材をおすすめしています。
納豆、きな粉、高野豆腐、かつお、マグロ、小松菜、ほうれん草、ひじき、青のり
消化もよく、中期の赤ちゃんでもメニューに取り入れやすいのではないかと思います。
離乳食中の赤ちゃんに、鉄分の量はどれくらい必要?
日本人の食事摂取基準(2015 年版)によると、鉄の摂取基準は
<男の子>
6ヶ月~11ヶ月 推定平均必要量3.5㎎ 推奨量5.0㎎
1歳~2歳 推定平均必要量3.0㎎ 推奨量4.5㎎
<女の子>
6ヶ月~11ヶ月 推定平均必要量3.5㎎ 推奨量4.5㎎
1歳~2歳 推定平均必要量3.0㎎ 推奨量4.5㎎
となっています。この量、いったい何をどれだけ食べればいいのでしょうか?
例えば、
・鶏レバー100gで鉄分が9.0㎎
・赤身牛肉100gで鉄分が2.7㎎
・青のり1gで0.7㎎
・ひじき100gで6.2㎎
・きなこ100gで8.0㎎
・小松菜100gで2.1㎎
・ほうれん草100gで0.9㎎
という量なっています。参考にしてみてください。
赤ちゃんに鉄分補給ができるおやつレシピ
使うのはご飯だけじゃない!おやつにも使える納豆レシピをお伝えします。
じゃが納豆のおやき
<材料>
じゃがいも 50g
ひきわり納豆 10g
チーズ 5g
<作り方>
・じゃがいもは湯がきやすい大きさに切る
1.じゃがいもを湯がいて湯切りしてつぶす
2.1に納豆とチーズを混ぜ合わせる
3.形作ってフライパンで両面を焼く
離乳食中の鉄分を補うには、「きなこ」を使ったレシピもおすすめ
鉄分豊富なほうれん草ときな粉。鉄分の吸収を助けてくれるビタミンCが豊富なかぼちゃと一緒に食べてみましょう!彩りもきれいですね。
ほうれん草とかぼちゃのきな粉和え
<材料>
ほうれん草 10g
かぼちゃ 20g
きな粉 小さじ1/2
<作り方>
・かぼちゃは、皮、種、ワタを取り除いて5㎜~1㎝角に切る
1.ほうれん草は,5mm~1㎝に切って湯がく
2.かぼちゃも柔らかくなるまで湯がく
3.1と2を合わせてきな粉と合わせる
離乳食後期以降は、鉄分をとることを頭に入れつつ、色々な食材をまんべんなく食べることを意識して毎日の食事作りをすることが大切です。もし心配なことがある場合は、お医者さんなど専門家に相談してくださいね。
記事執筆
一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで2500人が受講。