【医師監修】母乳が出ない…はなぜ?考えられる原因や対処法、先輩ママが乗り越えた方法も!

母乳育児の重要性が理解されるなか、母乳育児をしたくても、なかなかうまく授乳ができない、母乳の量が少ないなど母乳育児に対して不安を感じるママは少なくないようで、心身ともに大きな負担となる場合もあるようです。

そこで今回は、3歳のお子さんをもつママを対象に母乳育児についてアンケートを実施し、母乳がでなかったママに体験談を伺いました。母乳が出ない原因と対処法とともに先輩ママたちの乗り越えた方法を紹介します。

母乳がでなかったこと、ある?【ママの体験談】

産後の母乳育児について3歳のお子さんをもつママに体験談を伺いました。まずは、母乳の出方について教えてもらいました。

Q.産後、母乳が出なかったことはありますか?

Q.産後、母乳が出なかったことはありますか?最も当てはまるものを選択してください。

今回のアンケート結果では、「基本的に母乳が出ていた」と回答したママが一番多く、回答の60%以上を占めました。一方、35%以上のママが母乳の出がよくないと感じていたようです。「母乳は出ているが少なかった」と答えたママは22%で「基本的に母乳が出ていた」の回答の次に多く、「まったく母乳がでなかった」ママは8%いることが明らかになりました。

母乳が出なかったママたちの体験談

母乳がでなかった経験をしたママに体験談を伺いました。産後、思うように母乳がでなかったことで、不安を感じたり、自分を責めてしまったりなど育児をするうえで不安を感じていたママも多いようです。

「一人目も二人目のときも母乳の量が少なく、ほぼミルクで育てました。 一人目の時は、何とか出てほしいと思っていましたが、二人目の時は出ないなら出ないで仕方ないとすぐに思うことができました。」(30代・熊本県・子ども2人)
「1人目の時は出なくて本当に悩みましたし、辛かったです。同じ頃に産んだ実の姉が、おっぱいをあげる!と言ってきた時も嫌でした。そこらへんのおばさんや、親戚、もういろんな人におっぱい?ときかれるのも嫌でしたし、ミルクなの?大丈夫?と言われるのも嫌でした。」(30代・栃木県・子ども2人)
「自分が悪いような気がして落ち込んだ」(30代・愛知県・子ども3人)

母乳が出ない原因はなぜ?

では、母乳が出ない原因は何でしょう。考えられる原因をいくつか見ていきましょう。

誤った授乳方法

赤ちゃんが上手におっぱいを吸うことが母乳分泌を促す重要なポイントです。乳頭だけではなく乳輪まで深くくわえて吸ってもらうようにしましょう。さらに赤ちゃんがおっぱいを飲みやすいように、横抱き、縦抱き、フットボール抱きなど授乳時の抱き方を変えて試してみるのもひとつの方法です。

体の冷えと貧血

母乳は血液からつくられています。血流が悪くなる冷え性は母乳の出が悪くなる原因となるこもあります。簡単なストレッチをやってみたり、産後一ヶ月以降なら湯船につかるなどして体を冷やさないように心がけてみましょう。さらに産後は、出産時の多量出血が原因で貧血になることがあり、それが原因で母乳が出にくくなる可能性があります。貧血の場合は、かかりつけの産婦人科などで相談してみることをおすすめします。

時期別に考えられる原因

産後は母子ともに体や環境が著しく変化する時期でもあります。時期別に考えられる母乳が出ない原因を探っていきましょう。

新生児~2カ月ごろはママの疲労とストレスがたまりがち

産後はさまざまな体の変化とともに初めての慣れない子育てで、気付かないうちに心身ともにママにとって大きな負担となっています。疲労やストレスは母乳分泌にも大きく影響します。産後数カ月は、赤ちゃんが寝ているときはママも一緒に寝るようにして、パパや家族からのサポートをしてもらいながらママの体をしっかり休めることが大切です。

3ヶ月を過ぎたころから「遊び飲み」をする赤ちゃんも

生後数か月を過ぎると、赤ちゃんが母乳を飲むことに慣れてきた頃でもあり、赤ちゃんがおっぱいを飲むことに集中せずに、きちんと母乳を飲んでくれなくなることがあります。一日の授乳回数が減ったり、赤ちゃんが毎回しっかりと母乳を飲まないようになると、母乳の量も自然に減ってしまいます。ママも授乳の際には赤ちゃんの目を見て話しかけるなどしてコミュニケーションをとりながら、きちんと赤ちゃんが母乳を飲んでいるか確認するようにしてみましょう。

母乳が出ないときの対処法

では、母乳の量をふやす方法はあるのでしょうか。母乳が出ない時の対処法をみていきましょう。

赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらう

赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらうことで母乳分泌が促され分泌量も増えます。特に産後3ヶ月ころまでは積極的に授乳するようにし、1日に10回以上、1回あたり10分を目安に赤ちゃんに吸ってもらい、母乳分泌を促すようにしてみましょう。

正しい姿勢で赤ちゃんが上手に吸うことがポイントです。乳頭だけでなく乳輪まで深くくわえて吸ってもらうように注意しましょう。授乳前に少しだけ搾乳をしたり乳頭から乳輪部をマッサージをしたりするなどしておっぱいをやわらかくしてからあげると赤ちゃんが飲みやすくなります。

母乳外来

多くの医療機関や地域の保健センターなどで母乳外来や産後子育て支援が実施されており、おっぱいマッサージや母乳育児に関する相談ができる場所があります。慣れない子育てで不安を抱えているママは少なくありません。専門家に相談してみることで母乳の量が増えたというママの声もあるようです。住んでいる地域の自治体やかかりつけの産婦人科医院などでそのような支援が受けられる場所を探し、専門家に相談してみるのもおすすめです。

母乳にいい食べ物はある?

ママの体は母乳の成分や量を一定に保つ機能が備わっており、母乳にいい特別な食べ物があるわけではありません。母乳育児中のママの食事は、栄養バランスのとれた食事を摂ることがまず重要なポイントです。炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの「五大栄養素」をバランスよく摂り、1日3食必ず食べるようにしましょう。

ママは授乳することによって栄養と一緒に水分も母乳でなくなっていきます。こまめな水分補給を心がけましょう。

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先輩ママたちが乗り越えた方法は?

母乳が思ったようにでなかったとき、先輩ママたちはどのように乗り越えていったのでしょう。母乳育児で同じように悩んでいるママも少なくありません。先輩ママたちが乗り越えた方法をヒントにしてみてください。

『割り切ってミルクをあげた』

母乳が出ないならいっそ気持ちを切り替えて粉ミルクにかえたというママの声が一番多くあがりました。ママにとってもストレスとならないようにすることが大切ですね。

「ミルクだって栄養あるし!とポジティブに思うようにしました。」(30代・三重県・子ども2人)
「ミルクでいいやと思い、特に気にしませんでした」(30代・神奈川県・子ども2人)
「ミルクを当たり前のように使いました。病院にきていたミルク業者の宣伝を熱心に聞いて、ミルクを使うという考えを正当化させました。母親にストレスがかからないのが一番です。」(30代・埼玉県・子ども2人)

『母乳マッサージやできることを頑張った』

母乳が出るようにできることをいろいろ試してみたというママの声もありました。助産師さんに相談したり、産後ケアを行っている産院や保健センターなどを利用したママもいるようです。

「同じ思いをした方のブログを見たりして自分だけじゃないと乗り切りました。対処は助産師さんに教わった乳頭マッサージなどをよく行い、絞り出してよく出るようにしました。」(30代・千葉県・子ども2人)
「とにかく水やお茶を飲んだ。 ジュースや炭酸などは乳が詰まると聞いたので飲まずに、母乳のために苦しいくらい毎日水を飲んだ。 それで量が変わったかは分からないけど、やれることはやりたかった。」(30代・広島県・子ども3人)

『とにかく吸ってもらった』

赤ちゃんが上手におっぱいを吸えるようにいろいろ試してみたというママの声もありました。頻繁に赤ちゃんにおっぱいを吸わせて刺激を与えることで、母乳の出がよくなることもありますが、それでも母乳の量が増えなかったときはミルクに切り替えたというママもいました。

「15分おっぱいを吸ってもらって、体重が増えたか確認して足りない分をミルク飲ませてという感じでした。飲む前や時間ができたらおっぱいマッサージをして乳首を柔らかくするようにしてました。不安はあったけど、乳腺炎になって、母乳が体で作られているのはわかっていたので、早く乳首を柔らかくして赤ちゃんが上手に吸えるようにするのに必死でした。気持ちの切り替えは赤ちゃんとのお昼寝です。」(30代・埼玉県・子ども2人)

赤ちゃんと楽しい授乳時間を過ごしましょう

今回のアンケートでは、3割以上のママが産後に母乳が思ったように出なかったと回答しました。母乳が思ったように出なかったことでストレスや不安を感じていたママも少なくないようです。一方母乳にこだわりすぎず、ミルクに切り替えてストレスにならないようにして授乳期間を乗り越えたという先輩ママたちの回答も目立ちました。最近では粉ミルクだけでなく、液体ミルクも流通しているので、それらをうまく活用してみるとよいと思います。

授乳タイムは母乳やミルクをあげて赤ちゃんに栄養を与えるだけではなく、母子がスキンシップを図る貴重な時間でもあります。母乳が出なかった経験をした先輩ママが乗り越えた方法や対処法を参考にして、赤ちゃんの時だけの貴重な授乳タイムを楽しく過ごしましょう。

 

記事監修

広島中央通り香月産婦人科 産科・婦人科部長
信実 孝洋

広島県広島市「広島中央通り香月産婦人科」医師。
女性・妊婦とその家族にやさしく寄り添う医療がモットー。
よりよい周産期・分娩管理ができるよう、自分自身だけでなくチームスタッフへの教育にも力を注ぐ。また、生まれつきの異常がある児の妊娠分娩だけでなくその後の成長過程も多数経験。出生前診断についての相談も。

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文・構成/HugKum編集部

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