【親子で学ぶSDGs】日々の買い物を社会貢献や環境保全につなげる「認証ラベル」を知ろう

今、全世界が取り組んでいるSDGs(持続可能な開発目標)。「親子で学ぶSDGs」では、世界で取り組んでいる持続可能な循環型社会のための「新しい社会と暮らし」の実践例を紹介していきます。ナビゲーターは、武蔵野大学環境システム学科のオサム先生こと明石修准教授。いち早く「持続可能な水産物」の取り扱いをスタートさせたイオン株式会社を訪ねました。

世界の天然魚の3割以上が「とりすぎ」になっている!

日本人の魚離れが叫ばれて久しい昨今、実は天然魚の漁獲量が、この40年間で半分にも減っているというレポートが発表され、海の環境の先行きが危惧されています。魚が減っている原因のひとつが「とりすぎ」。世界の漁業の約33%が持続可能な水準を超えて必要以上に漁獲されているそうです。このままでは、海洋生物の生態系が崩れ、気候変動も影響し、魚が食べられなくなってしまうかもしれない……。

「MSC認証岡山県虫明(むしあけ)産生かき」生産の様子。

海のエコラベル「MSC認証」とは?

そんな世界の情報をいち早くキャッチし、2006 年からMSC 認証商品の取り扱いを始めたのが、国内小売売上高ナンバー1のイオンです。MSC認証とは、持続可能で環境に配慮した漁業で獲られた水産物であることを示すラベルです。「海のエコラベル」と呼ばれています。

この「海のエコラベル」を導入した経緯を、イオン株式会社商品戦略部マネージャー(取材当時)の山本泰幸さんにうかがいました。

大手スーパー・イオンの挑戦!「フィッシュバトン」は、2つの「海のエコラベル」がついた水産物コーナー

山本さん「導入に至るまでの当時、日本ではイカやサバやサンマが大漁で、天然魚は豊富にあると思われていました。けれども、ヨーロッパをはじめとする世界各国では、海の資源が枯渇し始めていることに警鐘を鳴らしていたのです。日本は魚の消費大国で、しかも水産物の約半分は輸入に頼っています。そんな状況の中、世界の小売業の中でも多くの魚を販売している企業としての我が社は、その責任を果たさなければいけない立場にいました」

もう一つの「海のエコラベル」ASC認証。環境・人権・地域社会に配慮した養殖水産物につけられます

「MSC認証」に対し、環境・地域社会や人権にも配慮した養殖水産物と国際的に認められた認証マークが「ASC認証」です。

サステナブルな漁業によって獲られたことが、グローバルな機関によって裏付けされたMSC 認証とASC 認証の魚介類の取り扱いに踏み切ったのは、当然の流れだったようです。

山本さん「実は私が、MSC 認証に『海のエコラベル』という日本語の表示を入れる提案をしました。なぜなら、持続可能な漁業のためには、消費者の方たちの参加が必要だったからです」

「海のエコラベル」というわかりやすいラベルを貼ることで、消費者に情報を提供し、選択の幅を広げ、安全・安心でサステナブルな商品を普及させたいというのが狙いでした。そして、その想いは「フィッシュバトン」というメッセージにつながっています。

山本さん「次世代にまで豊かな魚食文化をつなぐべく『フィッシュバトン』と名付けたコーナーを売り場に設けました(現在、67店舗に設置)。おかげさまで、お客様への認知度は上がっています」

MSC認証、ASC認証の商品で構成した売り場が「フィッシュバトン」のコーナー。次世代への想いを形にしたプロジェクト。

「MSC認証」とは、天然魚の環境や資源に配慮した漁業への国際的な認証ラベル。イオンでは、26魚種44品目(2020年12月時点)を扱っています。

「ASC認証」は、環境はもちろん、地域社会や人権にも配慮した養殖水産物と、国際的に認められた認証マーク。イオンでは、12魚種21品目(2020年12月時点)を扱っています。

 

山本さんの話を聞きながら、「大企業が変わると、社会が一気に変わる可能性がありますね」と、大きく頷くオサム先生。海のエコラベルの普及によって、消費者の選択肢が増えたことが大きな一歩になると話します。

オサム先生「魚だけではなく、地球の資源は無尽蔵ではありません。次の世代にも豊かな環境を残すために、今がターニングポイントになっていることは明確。企業の中には、長期的視点で動き始めているところが出てきています。私たちは、そういう企業を日常の買い物という形で応援することができます。そう、買い物はどのような未来をつくりたいかという投票なのです。未来を選ぶつもりで商品を選ぶ。それが、子どもたちが暮らす未来の礎になるのです」

消費者が賢く選べば未来は変えられる!サステナブル&オーガニックなラベルを探そう

有機栽培の野菜、人権に配慮したフェアトレード商品、持続可能な森林で生産された木材を使った紙製品など、その背景にあるストーリーがひと目でわかる「認証ラベル」。日々の買い物が、社会貢献や環境保全につながります。

グローバルGAP 認証

食品安全や労働環境に配慮した農場で生産されたことを示すGGNラベル。

 

国際フェアトレード認証

国際フェアトレード認証は、開発途上国の原料や製品が公平な条件で取引されていること等を認証する制度です。

 

FSC®認証

「FSC」は、乱伐採などをせず、持続可能な森林を守るため適切に管理された森林で生産された林産物である認証。

 

トップバリュ グリーンアイ

人の健康と自然環境に配慮したイオンのプライベートブランド「グリーンアイ」。オーガニック、ナチュラル、フリーフロムの3種類。

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教えてくれたのは

明石修准教授(オサム先生)

武蔵野大学環境システム学科准教授。主宰する「明石ラボ」では、人と自然が共生したサステナブルで循環型の社会はどのように実現できるのか、について日々、学生たちと研究と実践を行っている。専門分野は、自然エネルギーや持続可能な食と農(パーマカルチャー)、モノの消費と循環経済など。https://akashi-lab.com/

「親子で学ぶSDGs」は『小学一年生』別冊HugKumにて「21世紀的地球の暮らし方」のタイトルで連載中です。

1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。

『小学一年生』2020年5/6月号 別冊HugKum 構成・文/神﨑典子 写真提供/イオン株式会社

今回の記事で取り組んだのはコレ!

  • 11 住み続けられるまちづくりを
  • 12 つくる責任つかう責任
  • 14 海の豊かさを守ろう

SDGsとは?

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