こんにちは!離乳食インストラクターの中田馨です。今回は、豆腐やきな粉の原料でもある大豆を離乳食に取り入れるときの注意点や調理のコツ、離乳食レシピを紹介します。
離乳食に大豆はいつから使える?
大豆は離乳食初期から。やわらかくゆでた大豆を使って
大豆を離乳食に使えるようになるのは、離乳食初期の離乳食をスタートして、おかゆや野菜に食べ慣れ、1カ月が経過したころ。ただし、ここでいう「大豆」と言は、乾燥している大豆を指でつまんだら簡単につぶれるくらい、やわらかくゆでたものです。離乳食初期は、この「やわらかくゆでた大豆」をペースト状にします。
大豆アレルギーの心配は?
大豆は、アレルギーの特定原料に準ずるもののなかに含まれているため、食物アレルギーを引き起こす可能性があります。ですので、食べ始めの頃は少量からスタートします。もしも、アレルギーが起きたときにすぐに病院に行けるよう、平日の午前中に食べさせるようにすると安心です。
時期別 量の目安と進め方
では、具体的な大豆の大きさや量を時期別にみていきます。
離乳食初期
量の目安は、ひとさじ~15gまで、ポタージュ状が目安です。裏ごししましょう。
乾燥大豆は、必ずやわらかくゆでます。
離乳食中期
量の目安は、15~20gで、バナナくらいの軟らかさが目安です。5mm~7mm角に刻みます。
乾燥大豆は必ずやわらかくゆでます。
離乳食後期
量の目安は、20g程度で、バナナくらいの軟らかさが目安です。5mm~7mm角に刻みます。
「水煮大豆」が使えるようになります。
離乳食完了期
量の目安は、25g程度で、肉団子くらいの軟らかさが目安です。1cm角(大豆1/4くらい)に刻みます。
大豆の下ごしらえのしかた
大豆の下ごしらえのポイント
大豆はやわらかくゆでて薄皮をむきましょう。
ポイント1:『やわらかくゆでる』
乾燥大豆は、一晩水につけてからゆでます。指でカンタンにつぶせるくらいにやわらかくゆでます。
ポイント2:『薄皮をむく』
茹でた大豆についている薄皮をむきます。薄皮をむくことによって、食べやすくなり、消化を助けてくれます。
離乳食向け大豆の水煮の作り方
◆材料
大豆 1袋
◆作り方
1.大豆はサッと洗って、大豆がぶるくらいの水を張り、6時間つける。(冷蔵庫に入れる)
2.鍋に、1を入れて中火にかけて、アクが出始めたら取る。
3.落し蓋をして、弱火で60~70分ほど加熱する。
4.火を止めてそのまま冷ます。
市販の水煮缶やドライパックは使える?
自分で大豆を軟らかく煮ると、とても美味しい大豆ができるのですが、手間がかかるのが気になるところ。ですので、市販の「水煮大豆」でもOKです。ただし、市販の「水煮大豆」は、固めなので離乳食後期(9~11カ月頃)以降に与えます。
月齢の目安の大きさに切り誤嚥に注意して
赤ちゃんに大豆を与えるときに気になるのは、その形状です。大豆は丸くてツルンとのどに入って誤嚥する恐れがあるので、赤ちゃんに与えるときは必ず月齢の目安の大きさに切ります。煮た大豆そのものをそのままの形で食べられるようになるのは、2歳頃を目安にしましょう。
節分などで食べる大豆は、3歳以降に
節分などで食べる、カリカリとした大豆は、3歳以降にしましょう。
消費者庁では、
・小さく砕いた豆やナッツも食べさせない
・兄姉が豆やナッツ類を食べていても食べさせない
消費者庁:豆やナッツ類は、3歳頃までは食べさせないようにしましょう!
と注意勧告しています。
時期別 大豆を使った離乳食おすすめレシピ
離乳食初期 にんじんと大豆のペースト
◆材料
ゆで大豆 5g
にんじん 15g
昆布だし 150ml
◆作り方
1.にんじんを1cm幅に切る。ゆで大豆は薄皮をむく。
2.昆布だしに1を入れて軟らかくなるまで煮て、大豆を加える。
3.2を裏ごしして煮汁を加えて滑らかにする。
離乳食中期 大豆とトマトのスープ
◆材料
ゆで大豆 15g
玉ねぎ 10g
トマト 20g
かつお昆布だし 100ml
水溶き片栗粉 小さじ1
◆作り方
1.大豆は薄皮をむきみじん切り、玉ねぎはすりおろす。トマトは湯むきをして種を取りみじん切りにする。
2.かつお昆布だしに、大豆と玉ねぎを入れて煮る。
3.トマトを加え、水溶き片栗粉でとろみをつける。
離乳食後期 大豆とひじきの煮物
◆材料(3食分)
水煮大豆(市販) 50g
大根 50g
ひじき(水で戻したもの) 10g
かつお昆布だし 200ml
しょう油 0.5ml
◆作り方
1.水煮大豆はサッとゆでてから薄皮をむき5mmに切る。大根は1cm幅に切る。ひじきは5mmに切る。
2.かつお昆布だしに、大根を入れて煮る。やわらかくなったら取り出して5mmに切る。
3.2を鍋に戻して、水煮大豆、ひじきを加えて更に煮る。
4.しょう油を入れて風味を付ける。
離乳食完了期 きな粉大豆のおやつ
◆材料
水煮大豆(市販) 20g
きな粉 小さじ1
◆作り方
1.水煮大豆はサッとゆでてから薄皮をむき1cmに切る。
2.きな粉をまぶす。
離乳食にも大人の料理にも幅広く使える大豆を、どんどん取り入れてみてくださいね。
記事執筆
一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで2500人が受講。