突然ですが、みなさんは生きていくうえで大切にしている言葉はありますか? 人生に迷ってふと立ち止まった時、困難に出くわした時、自分を見つめ直したい時…。そんな瞬間に、自分の人生のベースに据えている『言葉』に助けられたこともあるはず。
今回はママ&パパさんに、そんな自分の生きる指標となっている「金言」について教えてもらいました。
金言とは?
名言や格言という言葉にはなじみがあっても、「金言」というワードは生活上なかなか触れる機会がないもの。まずはそんな「金言」という言葉について解説していきたいと思います。
金言の意味・読み方
辞書で調べてみると金言とは、『1.処世上の手本とすべき内容を持つすぐれた言葉。金句。2.仏の口から出た、不滅の真理を表す言葉』と出てきます。つまり人生を送るうえで手本となるような優れた言葉のことを指します。
「きんごん」と読んでしまいそうですが、正しくは「きんげん」です。
金言の使い方
例文①
人生の壁にぶち当たった時にはいつも、あの金言を思い出して自分を奮い立たせている。
例文②
私の職場では朝礼で、毎回誰かが自分にとっての金言を紹介する時間が設けられている。
金言を用いたことわざも…
・『金言耳に逆らう』
→ためになる言葉ほど聞く者にとっては耳が痛く、ややもすると感情を損なって素直に聞き入れられない、という意味。
金言の類語
金言の類語には至言、格言、名言などがあります。至言(しげん)はある事柄をこの上なく的確に言い当てている言葉で、格言(かくげん)は短い教えや戒めの言葉。そして特に私たちにとって親しみがある言葉が「名言(めいげん)」。漫画の主人公やドラマの台詞などを指して言うことも多い「名言」は、事柄の本質を捉えた多くの人に受け入れられる言葉のこと。対して金言は人生における模範的な言葉なので、いずれも優れた言葉を指すことに違いありませんが、それぞれニュアンスが異なります。
ママ&パパの心に残る金言集
HugKumでは、ママ&パパたちが日頃から心に留めている金言についてのアンケート調査を実施。人生に迷った時に明るいほうへと導いてくれたり、自分の生き方のテーマにしていたり…。世のママ&パパたちが大切にしている、素敵な「金言」の数々をカテゴリー別に紹介していきたいと思います。
人生編
まずは人生編。生きていくうえで困難に出くわした時、みなさんはどのようなフレーズに勇気づけられているのでしょうか。
『継続は力なり』
誰もが耳にしたことがあるであろう有名なことわざ。うまくいかず心が折れそうになった時、ふとこの言葉を思い出したことのある人も多いのでは?
『美しく生きる』
外見的な美しさも大事ですが、生き方が美しい人というのはさらに魅力的なもの。周囲に流されたり甘い言葉に惑わされたりせず、自分の芯を強く持つことの大切さを教えてくれる言葉です。
『明けない夜はない』
どんな日だって必ず夜明けはやってくるように、どんな辛い状況に身を置いていたとしても、その暗闇からずっと抜け出せないことはない、終わりは必ずやってくる…。世界中が一丸となって困難な状況に立ち向かっている今だからこそ、より響く言葉ですよね。
『人生一回こっきり』
行動を起こす勇気がない時や新しいことを始めようか悩んでいる時、この言葉に背中を押してもらう人が多いようです。
『地球上の男は二種類しかいない。俺か俺以外か。』
「現代ホスト界の帝王」と称され、これまで数々の名言を繰り出してきたローランドさんの代表的な言葉。人生は思っている以上にシンプル。難しく考えなくていいんだよ、と言われているような気がしますね。
人間関係編
人間誰しも1人では生きていけないもの。円滑な人間関係を築くうえでも、みなさんさまざまな金言を参考にしているよう。
『有言実行(ゆうげんじっこう)』
「口にしたことは何が何でも成し遂げる」という意味を持つこの言葉は、人生の目標として掲げている人も多い四字熟語です。
『親しき中にも礼儀あり』
子ども時代、親や先生など周囲の大人から言われたことは意外といつまでも心に残るもの。幼少期に触れた言葉の影響は大きいですね。
『人は人』
人と自分を比べてしまったり他人を羨むことは誰しも経験があるはず。このフレーズも幼い頃に親に言われたり、大人になってからは自分に言い聞かせたりする人が多いようです。
『一期一会』
一期一会(いちごいちえ)とは一生に一度だけの機会という意味で、出会いを大切にすることの例えとして用いられています。元々は千利休が説いた茶道に由来したものとされていて、400年以上も前から伝わる歴史の深い言葉なんです。
『その人を知るにはその人の友人を見よ』
身近な人からかけられた言葉を金言として大切にしている人も。「類は友を呼ぶ」ということわざに通じるものがありますね。
『恩送り』
「恩送り」とは、誰かに親切にしてもらったらそれをその人に返す「恩返し」とは違い、直接その人に返すのではなく別の人へと送ること。やさしさの連鎖が広がっていくところを想像すると、なんとも温かい気持ちになります。
『名こそ惜しけれ』
名は自分自身であり、生き様そのもの。自分という存在にかけて恥ずかしいことはできない、という意味を持つこの言葉。元は武士の精神を象徴する言葉として生まれたそう。
仕事編
モチベーションを上げてくれる言葉、挫けそうな時に励みにしている言葉、仕事をするうえで大切にしている教訓など、仕事における金言もさまざまなものが飛び出しました。
『努力に勝る天才なし』
どんな天才も努力には勝てないことを表していて、仕事や勉強、スポーツにおいて多用される言葉です。
『時は金なり』
日々をただ何となく過ごしてしまっている時、このフレーズにハッとさせられる人もいるのでは?
『為(な)せば成る』
江戸時代の大名・上杉鷹山による「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」がルーツ。やる気があれば必ずやり遂げることができる、という意味を持っています。
『守破離(しゅはり』
茶道・武道の世界の言葉。仕事に置き換えると、守→素直な心で上司や先輩の教えを守る、破→その教えられた基礎を少しずつ破り、自分流のスタイルへとブラッシュアップさせる、離→基本を大切にしつつ新しいものを自ら生み出してそれを確立させていく、ということになります。
『因果応報』
自分がしたことはすべて同じように自分に返ってくる、という仏教の教え。仕事に限らず、人生そのものにおいても言えることですね。
『石の上にも三年』
初めは冷たく感じる石でも、その上に3年も座り続けていれば暖まってくる、ということから、どんなに辛くても我慢強く続ければいつかは成し遂げられるという意味を持っています。
子育て編
人を育てるというのはとても大変で、迷いや悩みはつきもの。そんな悩めるママ&パパは、どんな言葉に助けられているのでしょうか。
『不便ではあるが、不幸ではない』
人生の幸福度は障害の有無によって決まるものではない、というヘレン・ケラーによるこの言葉は、「人の幸福度は周囲が勝手に決められるものではない」という意味も含んでいるような気がします。
『子どもは親がするように育つ』
子どもにとっての一番のお手本は、もっとも身近な存在である親。自分にそっくりな子どもの行動や言動にハッとさせられ、この言葉を実感したことがある人もいるはず。
『自分の価値観で他人を判断しない』
「なんでこんなこともできないの!?」と、つい子どもに対していら立ってしまうこともありますよね。そんな時にはこの言葉がトゲトゲとした気持ちを救ってくれそうです。
『忙しくてもしっかり子どもの目を見て話を聞く』
人の目というのは時に多くのことを語るもの。どんな状況の時にも、子どもとしっかり向き合うことの大切さを教えてくれます。
『はずれないおむつはない』
周りの子と比べて自分の子どもの成長が遅いとつい焦ってしまうものですが、ペースは人それぞれ。たった数カ月の差を気にすることはないということを、トイレトレーニングに例えて表した言葉です。
『自分より弱いものをいじめない』
シンプルなフレーズですが、わかりやすいからこそ大人にも子どもにも響く言葉。助け合いの精神はいつの時代も大切ですよね。
自分の考え方や理想にフィットする言葉を見つけてみて
さまざまなシーンで私たちを助けてくれたり、良い方向へと導いてくれる金言。幼少期に家族や先生から言われたことを、大人になった今でも胸に留めている人が多かったのが印象的でした。生きるうえで我が子に大切にしてほしいことを今のうちから伝えることによって、今後のお子さんの生き方にも影響を与えるかもしれませんね。
こうして改めて考えてみると、言葉の持つ力の偉大さを思い知らされます。人によって心に響く金言はさまざま。生きることをちょっぴりラクにしてくれる自分にとっての金言、みなさんも見つけてみては?
構成・文/鈴木美奈子