皆さんのお宅は共働きですか? 子育て真っただ中の現役パパ・ママたちが生まれたころは専業主婦という言葉が当たり前のように存在していました。
しかし総務省の記録を見ると、2000年くらいまでは半々くらいの割合で存在していた専業主婦数も数が今では激減し、共働き世帯が専業主婦世帯を倍近い数字で圧倒する時代になっています。
共働き世帯における家計管理がいよいよ大事になってきたとも言えそうです。
共働きの家計管理のポイント
昭和の専業主婦時代は収入源が1つの家が主流でした。しかし共働き世帯となると収入源が2つになります。その分だけ収入は増えますが、増えたからと油断してどんぶり勘定で暮らしているうちに、「お金がない」と毎月大変な思いをするはめになってしまいます。
共働き世帯の家計管理では、どういった点に注意すればいいのでしょうか。全国に暮らす子育て中の男女121人にHugKumが独自に行ったアンケート調査で、共働き世帯における家計管理の実態が明らかになっています。まずは皆さんの工夫に目を通してみましょう。
とにかく話し合う
全国に暮らす子育て中の男女121人に「共働きですか?」と聞くと、49人が「はい」と答えました。その人たちの回答を見ると、何らかの形で家計の管理方法が決まっているケースがほとんどだと分かります。
もちろん中にはいい加減にしている人もいるようですが、形は何にせよ夫婦で話し合ってその家なりの管理方法を確立し、暮らしを回している家が圧倒的に多いようです。
そのルールを確立する上で、夫婦で話し合いが持たれている様子も多くの回答から伝わってきます。
忙しい毎日で無理のない家計管理方法を探す
家計管理について夫婦でルールを定める際には、向き・不向き、管理に充てられる時間の大小も考慮に入れたほうが良さそうです。
回答者の中には「配偶者の能力では管理できない」と自分が率先して管理を担当している人もいました。家計管理には細やかな神経と創意工夫の精神、継続力が求められますよね。向いていない人に無理させても続きません。お互いの適性を見極め、役割を分担したいところです。
夫婦で帰宅時間、自由になる時間も異なるはずです。物理的に時間のない方が家計管理を担当してもやはり続きません。回答者の中には例えば、1週間に1回振り返りの作業を夫婦ですると答えた人もいました。
夫婦で家計管理について話し合う中で、お互いの適正、負担を公平に見ながら、現実問題として続く家計管理の方法を考えたいです。
共働きの家計管理の注意点
回答者の多くが家計管理について何かしら工夫している実態が分かってきたと先ほど書きました。素朴な疑問として、どうして皆さんは家計管理をしているのでしょうか。言い換えれば、どうしてどんぶり勘定で楽に済まさないのでしょうか。
その理由はやはりどんぶり勘定のデメリットが大きいからだと、アンケート協力者の回答を見ると分かります。
お金がたまらない
どんぶり勘定ではやはりお金はたまらないと皆さん、考えているようです。夫婦で共働きしているのにお金がたまらないと「罪悪感を覚える」と回答する人も見られました。
資産がどれだけあるのか把握できない・可視化できない
どんぶり勘定では、そもそもお金がたまっているのか、たまっていないのかも分からなくなります。可視化すれば「たまり方も一目で分かるので、ためがいがある」といった声もありました。
支出を把握できない
どんぶり勘定では支出を把握できないデメリットもあるはずです。国内外の著名人が驚くような大金を手にしたのに、気が付けば無一文になってしまったというニュースを時折見かけますよね。
自分がいくら使って、いくら残っているのか。「毎日が火の車」という人は収入の大小ではなく、家計管理の有無を見直したほうがいい場合も考えられます。
みんなはどうしている? お金の管理パターン
回答者の皆さんはどのような家計管理を実践しているのでしょうか? 中国の前漢時代の経書『礼記』には「入るを量りて出ずるを為す」との言葉があります。収入を計算して、その収入に応じた支出の計画を立てようとの意味のようです。
現代の経営の神様と言われる稲盛和夫さんも「入るを量って出ずるを制する」と言っています。家計管理でも大切な言葉のはずです。この言葉を実現するために、各家庭では皆さんどのように管理しているのか、実際の声をまとめてみました。
家庭の収入をまとめて管理する
まずは、2人の収入を一元化して管理する方法から。夫が管理するのか、妻が管理するのか、2人で管理するのかは別として、とにかく2人の収入をまとめて管理する方法です。
妻・夫のどちらかに管理を任せる
得意・不得意、時間の有無に夫婦で偏りがあるはずですから、適任の者が前向きな気持ちで担当する場合、最も無理のないシンプルな管理方法と言えそうです。
妻・夫のどちらかが管理して2人で見直す
どちらか一方に家計管理を「丸投げ」する方法もありますが、一人の管理には限界があります。何かトラブルが起きた時に担当の人間が一人で抱え込んでしまうリスクも生じます。
普段はどちらかが管理しながら、定期的に夫婦で見直すスタイルは最も公平です。トラブル時の対応力も高そうな管理方法ですね。
支出・目的ごとに分担する
収入を一元化するのではなく、支出ごとに夫婦で分担する方法も一方で多く採用されているようです。
生活費は夫、娯楽や習い事は妻
夫婦共働きといえども、いまだに男女の給料格差は目立つはずです。夫がメイン、妻がサブといった収入の家が多いのではないでしょうか。
そうなるとメインの稼ぎで「生きるための支出」をすべてまかない、サブの稼ぎで「プラスアルファの支出」をまかなう家計管理の方法が見えてきます。
固定費は夫、食費は妻
先ほどと似たような発想で、夫が固定費を払い、変動費を妻が払う家もあるようです。
夫の収入で生活し、妻の収入は貯蓄へ
類似のスタイルとして、夫の収入で日々の暮らしを全てまかない、妻の収入を余剰金と見て貯蓄や投資に回す家も見られます。
夫婦別財布で管理する
夫婦の収入を一緒に管理する、あるいは支出別に役割分担を決める例を見てきました。いずれの場合でも、お互いの収入額を夫婦で正確に把握しながら、家計を管理するスタイルです。
一方で支出別に役割分担を決める家計管理の派生として、夫婦の収入を完全に別々で管理する家も少なくありませんでした。
別々に管理する
毎月決まった金額を渡す
とはいえ家族全体に必要な支出は少なくありません。例えば住宅ローンだとか、家族のおでかけ費だとか。その負担をどちらにするのか結局は話し合いが必要になるはずです。
別々の財布は独身時代の延長のようで、お互いの自由と尊厳が保たれます。気持ちのいい面も確実にありますよね。
しかし夫婦で財布を別々にする場合は、それなりの注意点もあります。HugKumの過去記事にポイントがまとまっていますので併せて参考にしてください。
共働きの家計管理におすすめアプリ
共働き世帯の家計管理について、アンケート調査から見えてきたポイントをまとめてきました。夫婦で共同管理するにせよ、別々に管理するにせよ、忙しい毎日の中で面倒な手間だけは省きたいところです。
そこで今回のアンケート回答者がどのような「スマホアプリ」を日常的に使って家計管理の手間を効率化しているのか聞いてみました。
Money forward
家計簿アプリ利用率No.1を誇る「スマホアプリ」です。Money forwardだけの機能ではありませんが、買い物レシートの面倒な入力も、スマホのカメラ機能で写真を撮れば完了してしまう便利さもあるみたいですね。
執筆時点で9.9万件のレビューがあり、それだけのレビューがあっても総合評価が5つ星満点で4.4です。アプリ内に課金はあるみたいですが、一度は試してみたいアプリです。
Zaim
同じくレシートをカメラ機能で入力できたり、クレジットカードやキャッシュカードと管理ソフトを連動できたりして、家計管理の手間を大幅に減らしてくれる人気のアプリです。
ドクターウォレット
こちらもカメラ機能、カードとの連携が可能で、さらに回答者のコメントにもあるようにスマホ・タブレット・PC端末に関係なくアカウント共有もできます。夫婦での管理が大幅に楽になりそうですね。
共働き夫婦の家計管理まとめ
共働き夫婦の家計管理についての生の声をまとめてきました。
管理の方法は家庭によって異なるものの、どんぶり勘定の家庭の少なさが目立ちました。皆さん、何かと工夫しているみたいですね。
もしも何もしていないという家庭では、上述したアプリの存在を夫婦で話し合うなどからスタートしてみるといいかもしれませんよ。
文/坂本正敬