レゴ社に正解を聞いてみた! レゴブロックの「正しい洗い方」

子どもが大好きなレゴブロック。でも、わが子がダイナミックに遊ぶほどに、パパ・ママとしてはちょっと、汚れが気になってきますよね。特に子どもが小さいうちは、決して奇麗とは言えない手で触りますし、ブロック自体も床に転がり落ちたり、踏み付けられたりして、汚れがひどくなるはずです。そこで今回は、レゴ社にレゴブロックの洗い方を教えてもらいました。

40℃以下のお湯(水)で手洗いが基本

まず、レゴ社の公式ホームページを調べてみると、「LEGO®ブロックの殺菌と洗浄」というタイトルで、ブロックの洗い方について簡単な情報が出ています。長めに引用すると、

<高温で洗うとパーツの品質に影響する可能性があるため、LEGOパーツは最高40°C/104°Fで手洗いしてください。水にマイルドな洗剤を加えて洗ってもかまいませんが、その後にきれいな水ですすいでください。ブロックは洗濯機や食器洗浄機に入れないでください。オーブン、電子レンジ、ヘアドライヤーなどは絶対に使用せず、室温で自然乾燥させてください>

と書かれています。レゴの手入れは、ぬるめのシャワーやお風呂くらいのお湯で手洗いする、汚れがひどい場合はマイルドな洗剤をお湯(水)に入れると分かりました。

ただ、マイルドな洗剤とは何なのでしょうか。

レゴ社に問い合わせてみると、具体的には中性洗剤(食器洗い洗剤)だと教えてくれました。中性洗剤とは、分かっているようで意外に難しい言葉ですよね。『大辞泉』(小学館)を調べると、

<水溶液が中性を示す合成洗剤。通常の石鹸がアルカリ性を示し硬水では使えないのに対し、硬水や酸の中でも洗浄力がある。毛織物や食器などの洗浄に使用>

と書かれています。洗剤には石けんのようなアルカリ性洗剤と、トイレ用洗剤など酸性洗剤があります。アルカリ性は酸性の汚れに強く、酸性洗剤はアルカリ性の汚れに強いですが、洗浄成分が強い分だけ、洗剤を使う手や洗う物にも負担が発生します。

しかし、中性洗剤は洗浄力こそ弱いけれど、洗う人の体と洗う物に優しいので、食器用洗剤やおしゃれ着用の洗剤などに用いられます。レゴ社の担当者によれば、

「レゴブロックはABSプラスチックでできており、パソコンや電話、車の内装などに使われている素材です」

との話。ABSプラスチックの特性を調べてみると、加工しやすく、硬さもあって、印刷できる上に見た目も美しいプラスチックなのだとか。ただ、強酸や強アルカリで劣化するため、洗う場合には中性洗剤が適しているのですね。

お湯(水)がうっすらと濁るくらい汚れが取れる

この容器にお湯を張って手洗いした

 

そこで早速、レゴ社の指示通りに「DUPLO®」のブロックを40℃のお湯に入れ、手洗いしてみました。筆者が洗ったブロックは、子どもに買ってから一度も洗わないまま、3~4年が経過した状態です。

よく見ると凹凸のすき間に、ほこりや手あかがたくさん付着していました。最初は中性洗剤を入れようとも思いましたが、先に洗剤抜きのぬるま湯洗いを試すと、すぐにお湯の表面にほこりやごみなどが浮かび始めました。

「洗剤なしで本当に汚れが落ちるの?」

と、筆者も疑問に感じていました。しかし、手洗いしたお湯(水)がうっすらと濁るくらい、洗剤なしでも汚れが取れたのです。体温よりもちょっとだけ温かいお湯で洗うために、ブロックの表面に付いた手あかが溶け出してきたのかもしれません。

しかも、お湯の中にブロックを流し込み、両手で優しくジャラジャラとこすり合わせる作業は、意外に楽しかったです。「きれいなブロックを見て、子どもが喜んでくれるんだろうな」と想像しているうちに、自然に顔がニコニコしてきました。

とはいえ、そんな喜びも最初のほうだけ。洗い始めは楽しかったものの、ブロックの量があったので、手洗いが徐々に雑になってきます。各ブロックの凹凸の隅々まで、指でこすろうという気力も起きなくなってきました。

仮にお湯に中性洗剤を入れたとすれば、洗う作業に加えて、十分なすすぎの手間も必要になります。レゴ社も「汚れがひどい時に中性洗剤を使う」とアドバイスを出していますから、通常のお手入れの場合は、「ぬるま湯+手洗い」で十分かもしれませんね。

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「駄目」と言われる洗濯機でも洗ってみた

洗う作業が手間だとすると、忙しいパパ・ママは、「時短」の洗浄方法も考えると思います。インターネット上で調べると、案の定、レゴブロックの洗浄方法として、洗濯ネットに入れ(さらにタオルに包んでから洗濯ネットに入れる場合も)、一気に洗っている人の話も見受けられます。

レゴ社の担当者は、あくまでも「手洗い」を基本として教えてくれました。公式ホームページにも「洗濯機や食器洗浄機に入れるな」と書かれています。洗濯機の使用は公式の見解とは真逆なのですが、あえてレゴ社の担当者に洗濯機使用の可否を聞いてみると、

「こちらに関しましては、弊社では実験しておりませんので回答を控えさせていただきます」

との話でした。当たり前ですよね。「やるな」と公式に見解を出している話に対して、「やってもいいですか?」と聞いているわけですから。

それでも検証の価値はあるはずです。筆者は少量の「DUPLO®」のブロックを洗濯ネットに入れて、洗濯機に放り込んでみました。洗剤を何にしようかと思い、最初に洗濯機の近くにあった衣類用洗剤の成分表示をチェックしてみました。表示には「弱アルカリ性」と書かれています。

先ほど紹介したように、「レゴ」を洗う際の洗剤は中性洗剤です。さらにABSプラスチックは、強酸や強アルカリで劣化するとも学びました。お勧めされていない洗濯機洗いに、さらに弱アルカリ性の衣類用洗剤を使うとなると、ブロックへのダメージが心配です。

子どもが大切にしている「レゴ」を傷付けるわけにもいきませんから、とりあえず洗剤なしの洗濯機洗いを試してみました。

実は手洗いのほうがきれいになっていた

結果は、どう表現すればいいのでしょうか。まず、洗濯機が回り始める瞬間に、ブロックとブロックがぶつかり、その音の大きさに驚いてしまいました。レゴブロックへの負荷が予想されます。

単純な構造の「DUPLO®」のブロックならまだしも、もう少し年齢が上がった子ども向けのシリーズになると、細い棒状のパーツや、柵・ハンドルなど、細かくデリケートな部品も増えます。手洗い以上の負荷がブロックに掛かる洗濯機は、要注意かもしれません。

また、肝心の汚れ落としについても、手洗いのほうが上でした。天日の下でよくよく観察してみると、洗濯機(洗剤なし)で水洗いしたブロックの表面には、皮膜のような汚れが残っていました。一方で、ぬるま湯で手洗い(洗剤なし)したブロックの表面には、手あかの汚れが見えません。

要するに、40℃のお湯に放り込んでガチャガチャと手洗いしたほうが、洗濯機よりも汚れが落ちているわけです。洗浄方法については公式の見解に従ったほうが無難だというのが、筆者の結論です。

年齢の上がった子ども向けのレゴブロックには繊細な素材のブロックや、細かい形状のブロックも少なくない

 

以上、レゴブロックの洗い方をレゴ社に聞いてみましたが、いかがでしたでしょうか? 乾かし方については、筆者の場合は家にあるサンルームの床にバスタオルを敷いて、その上にブロックを広げました。

春先の晴れた昼間の3時間くらいで、すっかり乾きました。ただ、レゴブロックの裏の凹みに水が残っている場合も多々ありますので、時折裏返すなどして、きれいに乾かしたいです。

新年度を迎えるこの時期だからこそ、汚れのたまったレゴブロックを洗浄してみてはいかがでしょうか。子どももパパ・ママも、気持ち良く新年度を迎えられるかもしれませんよ。

取材・文・写真/坂本正敬

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