③できていますか? 通学路の確認
一歩先を歩かせて道を覚えさせましょう
毎年4月、5月には、道に迷ってしまう子どもがいます。どの家庭でも入学前に通学路の確認と練習はしていると思います。けれど、子どもはおうちの人と一緒に歩くだけではなかなか道を覚えることができません。
最初は何度か一緒に歩いてもいいのですが、慣れてきたら、子どもだけ一歩先を歩かせ、覚えさえましょう。歩きながら曲がり角の目印や危険な場所なども一緒に確認できるといいですね。
❶曲がり角などの目印
例えば「3本目の電柱を曲がる」「ポストの角を曲がる」など、具体的な目印を探し、子どもに教えましょう。
❷危険な場所
信号のない交差点や駐車場の入り口など、車が来ないか確認するべき場所をチェック。交通ルールも確認して。
❸駆け込めるお店や家
コンビニエンスストアや「こども110番」の家など、通学途中で困ったことがあったら駆け込む場所を確認しましょう。
❹時間帯を変えて確認
店が集まる商店街などは、登校時、下校時で雰囲気が変わります。登下校の実際の時間にも歩きましょう。
「通学途中に地震が起きたらどうするか」など、子どもだけでは判断できないこともありますよね。「こども110番の家」に駆け込んでもいいのですが、「困ったことがあって、どうしたらいいかわからないときは、「学校に行ってね」と教えてください。また、家で留守番しているときに困ったことがあった場合も学校に行くようにと伝えましょう。家の鍵をなくして入れないときも学校に戻っていいのです。
「学校は安心できる場所」だと認識することは、子どもにとって、家以外の安心な場所があるということになるのです。
④自分のことは自分でできるように!
できるかどうか確認し、練習しましょう
小学校では、「自分のことは自分でする」のが基本です。もちろん、困っている子がいたら先生たちが助けますが、できればご家庭でも今一度、子どもが自分でできるかをチェックしてもらい、できないところや不安なところは練習しておきましょう。
おうちの人が気づきにくく、できない子どもが多いものを下に挙げました。なかでも、カサを閉じることができない子どもは多く、毎年4月、5月の雨の朝には、カサを閉じてもらうために列ができることもあるほどです。1年生の担任だけでは足りず、ほかの学年の先生や校長先生に手伝ってもらうこともあります。
身体測定や体育など、洋服を脱ぎ着する機会は多く、ひとりでできることは重要です。ボタンかけはできていても、前開きのファスナーの開け閉めができなかったりすることもあります。
子どもが脱ぎ着できる服装か、おうちの人が毎朝チェックするといいですね。
納得!?先生がよく手伝う子どもができないことランキング!
おうちの人も気づきにくい!?
学校で先生が手伝うことベスト5を教えてもらいました。あなたのお子さんはできていますか?
❶カサを閉じる
カサの閉じ方がわからない子や、閉じたカサを巻いて閉じることができない子も。開き方とともに教えましょう。
❷ファスナーの開閉
前開きの上着のファスナーの金具をつなぐことができない。そのため、暑くなっても脱ぐことができない子も。
❸靴のひもを結ぶ
ひも靴の場合、学校でくつひもが緩んでしまうとひとりでは結べない子がいます。結び方の練習をしましょう。
❹水筒の飲み口の開閉
水筒は、開閉ボタンが固くて子どもの力で開けられなかったり、開閉のしかたがわからなかったりすることが。
先生に相談したいことはまず連絡帳でアポイントを!
保護者と先生との連絡は、子どもが使う連絡帳でやりとりをします。なかには、相談ごとを2ページも3ページも書いてくる人がいますが、1年生の担任の先生にはそれを読み、子どもが帰るまでに答える時間がありません。
むしろ直接お話をうかがえたほうが先生は助かります。連絡帳はシンプルに。「相談したいことがあるので、放課後お電話しますね」とか、「お会いしたいのですがいつならいいですか」などと、日時の相談にとどめておきましょう。
教えてくれたのは
佐々木 陽子 先生
記事監修
1925年の創刊以来、豊かな世の中の実現を目指し、子どもの健やかな成長をサポートしてきた児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターに関わっていただき、子ども達各々が自身の無限の可能性に気づき、各々の才能を伸ばすきっかけとなる誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載しています。
『小学一年生』2021年4月号別冊HugKum イラスト/畠山きょうこ 撮影/金田幸三 構成/天辰陽子