目標貯金額は入学前に500万!? 子供の学費総額シミュレーションと上手な貯め方

子どもを育てる中で、最も気になるお金の問題の1つは、将来の学費だと思います。この学費、なんだかすごく「たくさん掛かりそう」というイメージがあるだけで、実際に幾ら必要なのか、いつまでに必要なのかがちょっと見えづらく、怖くなってしまいますよね。そこで今回は子どもの学費に絞って、必要なお金をシミュレーションしてみました。

大学までのシミュレーション!子供の学費は総額どれくらい?

そもそも、お子さんをどこまで進学させようと考えていますか? 文部科学省によると、高校までの進学率は97パーセントですから、ほとんどの子どもが行く形になると思います。さらに高卒の大学進学率は、同じく文部科学省によると、現役で49.6パーセント(平成29年度)。およそ半分が行く計算になります。

この割合が大きく変わらないと仮定すれば、今いる子どもたちの2人に1人は大学まで進学すると考えられます。親が大学まで行っている家庭であれば、その確率はさらに上がるはずですから、大学までの学費は念のため用意しておいた方がいいのかもしれません。

子供1人、2人、3人学費をシミュレーション

では実際に子どもが小学校、中学校、高校、大学と進学した場合、どの程度の学費が必要になるのか、考えてみましょう。2019年からは幼児教育が無償化されると決まっていますから、小学生になってから大学を卒業するまでの学費をシミュレーションしてみます。

小学校の学習費は6年間の総額で公立が1,933,860円、私立が9,169,422円

最初は小学校から見てみます。学費と言っても、学校教育費、学校給食費、学校外活動費など、どこまでを含めるかによって、その金額は大きく変わってきます。平成28年の文部科学省の情報を見ると、年間で保護者が支出した1年間の学費は、

  • 公立小学校:322,310円(学校教育費:60,043円、学校給食費:44,441円、学校外活動費:217,826円)
  • 私立小学校:1,528,237円(学校教育費:870,408円、学校給食費:44,807円、学校外活動費:613,022円)

となっています。単純に6年間通うとしたら、

  • 公立小学校:322,310円×6年=1,933,860円
  • 私立小学校:1,528,237円×6年=9,169,422円

になります。上述の数字は子ども1人の場合で、話を単純化すると、2人の場合は2倍、3人の場合は3倍のお金が掛かると考えられます。

中学校の学習費は3年間の総額で公立が1,435,662円、私立が3,980,799円

次は中学校です。同じ文部科学省のデータを見ると、保護者が1年間で支出した学習費は、

  • 公立中学校:478,554円(学校教育費:133,640円、学校給食費:43,730円、学校外活動費:301,184円)
  • 私立中学校:1,326,933円(学校教育費:997,435円、学校給食費:8,566円、学校外活動費:320,932円)

となっています。単純に3年間の合計を計算すると、

  • 公立中学校:478,554円×3年間=1,435,662円
  • 私立中学校:1,326,933円×3年間=3,980,799円

といった金額になると分かります。子どもが2人の場合は2倍近く、3人の場合は3倍近くが掛かる計算になります。

高校の学習費は3年間の総額で公立が1,352,586円、私立が3,120,504円

次は高校です。同じく文部科学省のデータを見ると、高校生を子どもに持つ保護者が1年間で支出した学習費の総額は、

  • 公立高校:450,862円(学校教育費:275,991円、学校外活動費:174,871円)
  • 私立高校:1,040,168円(学校教育費:755,101円、学校外活動費:285,067円)

となっています。3年間の総額を単純に計算すると、

  • 公立高校:450,862円×3年=1,352,586円
  • 私立高校:1,040,168円×3年=3,120,504円

となっています。最後に大学を見てみましょう。

大学の学習費は4年間の総額で国立が1,891,800円、公立が約2,500,000、私立が4,506,881円

大学はまた別の文部科学省のデータを基にまとめます。

  • 国立大学:817,800円(入学料:282,000円、授業料:35,8000円)
  • 公立大学:地域内の場合800,000円前後(入学料:約250,000円、授業料:約550,000円)、地域外の場合900,000円前後(入学料:約350,000円、授業料:約550,000円)
  • 私立大学:1,316,816円(入学料:253,461円、授業料:877,735円、施設設備費:185,620円)

全て初年度の金額ですね。この数字から入学料を抜いて、残り3年間分加算した金額は、

  • 国立大学:817,800円+35,8000円×3年間=1,891,800円
  • 公立大学:地域内の場合800,000円前後+約550,000円×3年=約2,450,000円、地域外の場合900,000円前後+約550,000円×3年=約2,550,000円
  • 私立大学:1,316,816円+877,735円×3年+185,620×3年=4,506,881円

となっています。仮にプラスして一人暮らしをするすれば、学寮に入るにせよ、下宿するにせよ、余分にお金がかかりますが、それらのお金は生活費に分類されます。今回は話をすっきりさせるために、学費に話を絞りました。さらに話を単純化すると、子どもが2人、3人の場合は、それぞれ2倍、3倍の数字になると考えられます。

やっぱり私立は高いの?子供の学費「私立VS国公立」

小学校、中学校、高校、大学とそれぞれの学費をまとめましたが、やはり目立つ違いは、公立と私立の学費の差にあります。仮に全て私立の学校に子どもを出した場合、単純に上述の金額を合計すれば、

  • 小学校(私立)→中学校(私立)→高校(私立)→大学(私立)=20,777,606円

となります。子どもが2人の場合は41,555,212円、3人の場合は学費だけで62,332,818円になります。立派な新築の家が一等地に1軒建つ金額ですね。一方で全て国公立の学校に通わせたとすれば、

  • 小学校(公立)→中学校(公立)→高校(公立)→大学(国立)=6,613,908円

になります。子どもが2人だと13,227,816円、3人だと19,841,724円になります。私立と比べると1/3程度の学費ですね。

高校・大学入学までにいくら貯蓄しとくべき?子どもの学費の目標貯金額

それでは上述のような大金を、どのような形で用意していけばいいのでしょうか。

<子供が独り立ちするまでの間で一番お金がかかるのはどのタイミングなのか考えてみることにしましょう。その多くは「大学進学時」であるといわれています>(常陽銀行のホームページより引用)

といった言葉もあるように、子どもを大学に通わせようとすると、学費に加えて生活費も発生するため、まとまった金額が必要になりますよね。

仮に学費だけを単純に考えた場合、大学の4年間で、

  • 国立大学:1,891,800円
  • 公立大学:(地域内の場合)約2,450,000円、(地域外の場合)約2,550,000円
  • 私立大学:4,506,881円

が必要になると紹介しました。できれば上述の金額は、子どもが受験を迎える前にそろえておきたいです。余裕を持ってみると国立大学に進む場合は200万円、私立大学の場合は500万円ですから、理想は子ども1人につき500万円、最低でも200万円を目標に、子どもが小さいころからコツコツと学資保険などを利用して、お金を増やしていきたいですね。

仮に高校入学までに学費の貯蓄が0円だとすると、3年間でこの金額を用意しなければいけない計算になります。200万円なら1年で66万円、月間で5万5千円、500万円なら年間166万円、月間で13万円の貯金が必要になってきます。しかも子ども1人当たりにつきの金額ですから、なかなか貯蓄できる金額ではありませんよね。やはりいかに早く、コツコツと貯蓄ができるかが鍵となりそうです。

目指せ貯金額500万円!? 子供の学費の貯め方と上手な積立・貯金方法

いかに早く、コツコツと貯蓄ができるかが鍵と紹介しましたが、具体的にはどのような方法で積み立て、貯金をしていけばいいのでしょうか。やはり代表的な方法は、学資保険が筆頭に挙げられます。

学資保険はどこの商品であっても、基本的に払い込んだ保険料の合計を上回る金額が受け取れる(可能性が高い)、貯蓄性を重視した商品になっています。押入れの中にある金庫に何年もコツコツとお金を入れていくよりも、学資保険に加入してお金を預け、手堅く運用をしてもらった方が、最終的に受け取れる金額が増える可能性があるのですね。

さらに学資保険には、契約者である保護者が死亡したり、保護者に障がいが残る事故に遭ったりして支払いが困難になった場合、保険料払い込みを免除してもらえる仕組みもあります。払い込んだお金以上のリターンをもらえる可能性が高く、さらに保護者に何かが起きた場合、少なくとも子どもの学費は一部、あるいは全部を賄えるという金融商品です。民間の調査によれば、10歳未満の子どもが居る人の加入率は約6割となっています。

一方で学資保険でなく、個人向け国債を利用して学費をためるという手も一部の専門家から提唱されています。個人向け国債とはそもそも、個人が日本国政府へお金を貸し、貸したお金が10年後などに利子付きで返ってくる金融商品になります。毎月購入できる上に、万が一のときは(一定の期間が過ぎていれば)満期の前にも解約はできます。安全性が高く、預けた以上のお金になって帰ってくる可能性が高いですから、学資保険の代わりに十分なり得る金融商品と言えそうですね。個人向け国債は証券会社や銀行などの金融機関で購入できます。

お金が足りない……子供の学費が払えない場合の救済策は?

とはいえ、人生順風満帆に、計画通り子どもの学費をためていけるとは限りません。病気で世帯主が仕事を辞める可能性もありますし、世帯主の勤務先が倒産する可能性もあります。親族間の金銭トラブルに巻き込まれて、予期せぬ借金を背負う可能性もゼロではないはずです。子どもが進学を希望しているのに、学費がどうしても捻出できない場合はどうすればいいのでしょうか?

子どもの学費を手元のお金以外で何とかしようと思った場合は、

  • 奨学金
  • 教育ローン

の2種類が大まかな手段だと言われています。もちろん、身内に助けてもらうなどの手もあるはずですが、身近な人間に頼れない場合は、奨学金か学資ローンを利用する形が一般的です。

奨学金と言っても、大まかに言って2種類あり、

  • その1:給付型
  • その2:貸与型

が存在します。給付型は文字通り給付ですから、返済義務がありません。一方で貸与型は文字通りの貸与で、子どもが学校を卒業後に、子ども自身で長期間にわたってコツコツ返していくお金になります。

学資ローンは、住宅ローンやカーローン、フリーローンと同じく保護者が契約して借りるお金で、こちらも大まかに分けて2種類が存在します。

  • その1:国(日本政策金融公庫)の教育ローン
  • その2:民間の教育ローン

ですね。どちらも借りれば、すぐに分割で返済がスタートします。基本的に国の教育ローンの方が金利が低いため、借入額が大きい教育資金では、金利がトータルの返済額に大きく影響します。

もちろん、奨学金と教育ローンを組み合わせるなどの方法も可能です。教育を受けようと希望する子どもに手を差し伸べる体制は整っていますので、万が一の場合は、頼れる場所を計画的に頼りたいですね。

現実はどうなの? 先輩ママは教育費をいくら貯めた?

今まで、子ども1人につき必要な学費、そのため方、万が一の救済手段などをまとめてきましたが、実際に先輩パパ・ママたちは、教育費を幾らくらいためたのでしょうか。残念ながら学費として用途を絞り込んだ貯蓄額に関するデータはありませんが、金融資産の保有状況は、全年代の回答者の中央値で380万円だと金融広報中央委員会が発表しています。

この数字は20代から70代の回答者の中央値ですが、恐らく子どもが大学に進む時点で、保護者の年齢も40代から50代とちょうど中央値に近い年齢になってきます。380万円という金融資産の保有額は、過去数年間、それほど大きく変動していません。そう考えると、先輩パパ・ママたちはだいたい400万円前後の貯金額で、子どもの大学入学を迎えたと考えてもいいのかもしれません。私立の大学に入れて、しかも一人暮らしをさせるとなると、少し心もとない金額かもしれません。子どもが1人ならまだしも、2人、3人となると、いよいよ厳しい金額になってきます。

日本学生支援機構の情報によれば、学生の2.7人に1人が奨学金を利用しているとされています。国の教育ローンを運営する日本政策金融公庫の2017年の情報によると、教育資金の捻出方法として先輩パパ・ママは、

  1.  教育費以外の支出(旅行・レジャー、外食、衣類の購入費、食費、装飾品の購入、保護者のおこづかいなど)を削って節約する(30.4%)
  2. 預貯金や保険などを取り崩している(22.8%)
  3. 子どもがアルバイトをしている(19.4%)
  4. 奨学金を受けている(19.0%)
  5. 残業時間やパートで働く時間を増やすようにしている(9.7%)

といった方法で、お金を作って子どもを学校に通わせていると分かります。利用率は減りますが、国の教育ローンを借りる、民間の金融機関の教育ローンを借りる人も、前者は3.9%、後者は2.7%と存在しています。

以上を考えると、学費が計算通りにたまり、たまった学費だけで教育資金を回せている人ばかりではないと分かります。むしろ日々の暮らしを節約し、子どもにアルバイトもさせ、奨学金などを利用しながら、なんとか子どもを学校に行かせているという世帯も、現実的にはいっぱいあるのですね。

文/坂本正敬・写真/繁延あづさ

 

【参考】

国公私立大学の授業料等の推移 – 文部科学省

私立大学等の平成28年度入学者に係る学生納付金等調査結果について – 文部科学省

平成28年度子供の学習費調査の結果について – 文部科学省

29年度学費平均額学部系統別に初年度納入金の平均額を算出! – 旺文社

「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査] (2014年) – 金融広報中央委員会

学資保険に関する調査 – NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション

個人向け国債 – 財務省

日本学生支援機構について – 日本学生支援機構

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