母乳マッサージの目的や効果、種類ややり方をチェック! いつから始めるといい? してはいけない場合もある?

妊娠中のママ、あるいは出産を終えたママの中には「母乳マッサージ」(おっぱいマッサージ、乳房マッサージとも呼ばれます)が気になっている方もおられるはず。

この記事では、母乳マッサージの目的や効果、やり方をご紹介。さらに、母乳マッサージのタイミングや注意点についても解説します。

母乳マッサージの効果ややり方を紹介!

母乳マッサージの目的

母乳マッサージで母乳量が増えるなどと言われることもありますが、実は、母乳マッサージについては医療従事者の間でもさまざまな意見があり、現状では母乳マッサージが母乳量を増やすことにつながることは証明されていません。

ただし、母乳マッサージは古くから行われているケアです。母乳マッサージを行うことで、自分の乳房の状態を知ることができ、どのように対処するのがよいかを相談する目安にもなります。

母乳マッサージの目的は、母乳の分泌を助けるだけではありません。産前・産後・授乳前、それぞれの目的を見ていきましょう。

産前

母乳マッサージには、産後に行うというイメージもありますが、妊娠中から行うことでさまざまなメリットが期待できます。

産前に母乳マッサージを行う目的は、

・妊娠中から母乳のような分泌物が出る人もいるため、乳頭周囲を観察し清潔に保つ

・赤ちゃんにおっぱいを吸われる刺激に慣れておく

・自分のおっぱいに関心を持つ

などがあります。

産後

産後の母乳マッサージには、乳管が詰まっている場合にその詰まりを取り除いたり、むくみや張りを取り除く助けとなる働きがあります。

乳管が詰まらないようにすることは、乳腺炎の予防にもつながります。また、おっぱいが張って痛いときに、その辛さを和らげることもできます。

授乳前

授乳前の母乳マッサージは、乳房が張りすぎている場合に張りやむくみを和らげて、赤ちゃんがおっぱいを飲みやすくする効果も期待できます。

おっぱいの張りが少しでもほぐれると、赤ちゃんの吸い付きもよくなるでしょう。

母乳マッサージの種類と効果

母乳マッサージの種類は2つあります。どんなマッサージなのか、その効果はなにかを見ていきましょう。

乳房全体のマッサージ

乳房全体をマッサージすると、おっぱいと大胸筋の境目である乳房の基底部をよく動かすことができます。そうすると、張っている乳房が動き、緊満状態が改善されることがあります

乳頭部のマッサージ

乳頭部のマッサージは、乳頭の伸び、乳管の通りをよくする効果があります。乳頭や乳輪部が硬い場合には乳頭や乳輪部が柔らかくなり、赤ちゃんが乳首をくわえやすくなるメリットもあります。

母乳マッサージはいつから?

母乳マッサージはいつから行うとよいのか。産前・産後・授乳前のそれぞれのタイミングを説明します。

産前

産前に母乳マッサージをするのであれば、妊娠後期(10ヶ月目、37週目以降)からでも良いでしょう

ただし、妊娠後期であってもママの体の状態は人によって異なります。場合によっては、マッサージをしないほうがよいケースもあるため、医師や助産師さんに相談してから始めるようにしましょう。

産後

産後のマッサージのタイミングは、産後すぐ、またはおっぱいが張ってきたと感じる頃からはじめて問題ありません。マッサージが必要だな、と思うときに行いましょう。

授乳前

乳房の張りが強い場合は、授乳前にマッサージを行うと、赤ちゃんが吸い付きやすくなる可能性があります。また、入浴中やお風呂上がりなど、体が温まって、血行がよいときにマッサージをすると効果的です。

母乳マッサージのやり方

母乳マッサージは知っているけれど、やり方がわからない…という人もいることでしょう。効果的な母乳マッサージのやり方を紹介します。

母乳マッサージをやってみよう!

準備するもの

準備するものはとくにはありません。お好みに応じて、乳頭のケアをするベビーオイル、マッサージ用のオイル、クリームなどを使用してください。

乳房全体のマッサージ

乳房全体のマッサージのやり方は、産前、産後とも同じです。お風呂上がりに行うと、より効果的です。

【1】右手の指を広げ、左のおっぱいの脇側を持ちます。左手の母指球をおっぱいの脇側にあてて、右側に向かって押します(おっぱいを右側にスライドさせるイメージ)。 これを3~5回くり返します。
【2】右手で左のおっぱいを下から支えるようにします。このとき、小指側をおっぱいの外側斜め下にあててください。左手は右手の小指の下に添え、右の肩に向かって押します。 これを3~5回くり返します。
【3】右手の手のひらの小指をおっぱいの下にあて、 左手はその下に添えます。手でおっぱいを真上に上げるようにします。これを3~5回くり返します。
【4】右のおっぱいも同様のやり方です。

これらのマッサージを3セットずつ繰り返しましょう。

※参照:「乳房管理学」(根津 八紘 著)

乳頭部のマッサージ

乳頭部のマッサージの仕方は、基本的には産前、産後で同じです。すべりをよくするために、ベビーオイルやクリームなどを使ってもよいでしょう。

【1】親指と人差し指、中指の3本で乳首と乳輪部をやさしくつまみます。乳輪部もいっしょに軽く引っ張りましょう。これを何度か繰り返します。
【2】親指と人差し指で乳首と乳輪部を強めにつまみます。3~5秒ほど圧力を加えてください。乳頭や乳輪部の位置や向きを少しずつ変えながら、全体を圧迫します。
【3】乳首をつまみながら、横や縦方向に少しずらし、少しずつ圧力をかけます。

乳頭マッサージについては、以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

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母乳マッサージの注意点

母乳マッサージをするときには、以下のことに注意してください。

痛い

おっぱいが張って強い痛みを感じる、触ると激痛が走る…。そんなときは、おっぱいにトラブルが生じている可能性があります。

母乳マッサージを行うと症状が悪化する可能性がありますので、助産師に相談してください。

分泌液が出る

産前に母乳マッサージを行うと、乳頭から黄色や透明の、少しトロッとした液が出ることがあります。これは、分泌液と呼ばれるものです。分泌液が出たらコットンなどでやさしく拭き取ってください。

強い力でマッサージしない

母乳マッサージは、強い力で行う必要はありません。強い力で行うと、おっぱいが張ってしまったり、トラブルの原因になることもあります。

無理な力が加わらないようにマッサージしましょう。

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母乳マッサージをしてはいけない場合

母乳マッサージは乳房を刺激します。するとオキシトシンが分泌され、子宮収縮が促される可能性があり、注意が必要です。

母乳マッサージをしてはいけないのはどんなときか、見ていきましょう。

妊娠初期、妊娠中期

妊娠初期や妊娠中期に母乳マッサージを行うと、ホルモンが活性化してしまい、子宮が収縮して出産の準備を始めてしまうことがあります。

積極的な母乳マッサージは妊娠後期(10ヶ月目、37週目以降)から行うようにしましょう。

帝王切開を予定している人

帝王切開を予定している人が母乳マッサージを行うと、子宮口などに影響を及ぼす可能性があります。妊娠後期であっても、帝王切開を予定している人は母乳マッサージは行わないほうがよいでしょう。

おなかが張っているとき

おなかが張っているとき(おなかが硬いとき)は、子宮が収縮しているときといえます。その状態のときに母乳マッサージを行うと、子宮収縮がさらに促されてしまいますので、行わないようにしてください。

また、安静にしていることを医師から指示された人や、子宮収縮を抑える薬を飲んでいる人も、母乳マッサージは控えてください。

母乳マッサージをプロに依頼する方法

母乳マッサージは、自分で行うこともできますが、産婦人科や助産院でお願いすることも可能です。

医療費控除の対象となるケースも

病院や助産院で母乳マッサージをしてもらった場合、医療費控除は受けられるのでしょうか。

医療費控除が受けられるのは、乳腺炎の治療などの医療目的の場合に限られます。治療目的以外のマッサージは、基本的に医療費控除の対象外となります。

産婦人科

母乳外来、母乳相談を行っている産婦人科には、母乳マッサージを行っているところもあります。母乳やおっぱいの悩みを相談した際に、母乳マッサージを受けるとよいでしょう。

助産師

助産師に母乳マッサージを依頼することもできます。その場合は、助産院でマッサージを行ってもらえたり、出張というかたちで助産師がご家庭を訪問し、母乳マッサージを行ってくれるところもあります。

妊娠中からおっぱいへの関心を持とう!

母乳は、出産したら勝手に分泌され、赤ちゃんがゴクゴク飲んでくれるというわけではありません。母乳育児をしたいと考えているのなら、妊娠中から、おっぱいへの関心を持って清潔に保ったり、母乳クラスなどへ参加したりして情報を得ておくとよいでしょう。

医療目的であれば、医療費控除の対象となります。母乳外来や母乳相談のケアを受けることもできます。

記事監修

Kawai
助産師・看護師・保育士
河井恵美

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。

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文・構成/HugKum編集部

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