【栄養士監修】小学生の食のお悩み「好き嫌い」「食べムラ」「お菓子ばかり」…即、解決できる方法、教えます!

 

好き嫌い、小食、ダラダラ食 子どもの食の悩みに答えます

小学生にもなると体格や食欲に個人差が出てきて、食の悩みも増えてきます。小学生ママによくある悩みの解決法を、食のプロがアドバイスします!

 

悩み1 好き嫌い、食べムラが多い

小学校1年生くらいだと、好き嫌いも食べムラもその日の気分や体調に左右されることが多いですが、ずっと続くわけではありません。無理に食べさせて苦痛になると、食事がいやなものだという印象が残ります。ただ、野菜やお肉などが「まったくダメ」という場合は、好き嫌いなく食べたほうがいいことを教えましょう。嫌いなものでも、ときどき食べる経験を積むことで苦手意識が薄まることもあります。

 

悩み2 好きな食材ばかりを食べてしまう・・・

子どもの苦手なものも含め、食卓になるべく多くの食材を出すことで栄養を過不足なく補うことができます。栄養バランスは1日では難しいので数日単位で考えるといいでしょう。食べ残した場合は、苦手なものを食べないのはいいことではないというスタンスを取りつつ、「今日は食べなかったのね」「今日は一口だけ食べてみようか?」などと緩急をつけると、子どもも親も疲れません。

 

悩み3 朝食をあまり食べないのはNG?

学校では、午前中の授業数のほうが午後より多いもの。朝は食欲がなくても給食までにおなかがすくので、必ず朝食をとりましょう。「体育もあるし、おなかすいちゃうよ」などと意識付けするのもおすすめ。はじめは牛乳やジュース、スープだけでもいいですし、朝食の習慣がつくまでは工夫しながら、子どもにとって食べやすいものを探しましょう。

 

悩み4 たくさん食べすぎ、よく噛まず早食い・・・

口当たりがよく、柔らかくておいしいものは、よく嚙まずに食べてしまいがち。嚙みごたえのある根菜や野菜、骨を取る手間がいる魚を増やすと、ゆっくり食べられて量も調整しやすいです。最初から適量を盛り付けずに、ごはんはおかわりできるように1杯目は軽くするのも効果的です。食事の最初の5分間は話をせず集中してしっかり嚙んで食べる「もぐもぐタイム」を設けてもいいですね。

 

悩み5 ダラダラ食べて時間がかかる・・・

ダラダラ食べは、子どもの食欲と体力の増進にともなって、次第に解消する場合が多いようです。朝食も夕食も「ながら食べ」だと集中できないので、テレビは消すなど食事以外のことをシャットアウトしましょう。みんなで一緒に食卓について、食事に集中する時間をつくるのも大事です。量が多ければ少なくする、食べやすいサンドイッチやおにぎりにするなど、短時間で食べられる工夫もしてみましょう。

 

悩み6 お菓子ばかり欲しがる

小学1年生の1日の摂取カロリーの基準は1400~1500kcal。おやつの適量はその10~20%なので約150 kcalをめやすに。お菓子にかたよりすぎないよう、りんごとお菓子、ヨーグルトとおにぎりなどの組み合わせがおすすめです。「少しね」「半分だけね」と言うのはあいまいでわかりにくいので、「小袋1つ」「何枚」とあらかじめ量を決めて、夕食の約2時間前に食べ終えましょう。

食事が楽しくなる!6つのアイディア

 

子どもが苦手食材にチャレンジしやすい、食事が楽しくなる盛り付けや調理、雰囲気作りや言葉かけのアイデアはこちら。ぜひ食卓に取り入れてみてください。

苦手なものは少しずつ。食べられた経験を重視して

苦手な食材は、ひき肉系のハンバーグ、つくね、ぎょうざに混ぜたり、グラタン、ピザなど好きなものに入れたりします。“苦手な食材を食べることができた„という経験が大事なので、食べるチャンスをたくさんつくっていきましょう。

 

食卓を楽しくする工夫を!

朝夕で定番のお皿を決めたり、あるときはワンプレートに盛ったり、 メリハリをつけるのがおすすめ。ナイフとフォークの日をつくる、ランチョンマットを利用するなどの工夫で楽しい雰囲気に変わります。

 

お手伝いで子どもの気分を盛り上げて

おはしを並べてもらうなど、子どもも一緒に食卓の準備をしましょう。おうちの方が忙しくてもちょっと手を止めて、なるべく一緒に「いただきます」をして食べ始めるといいですね。

 

いろんな味つけを経験させよう

薄味ばかりでなく、強弱をきかせた味つけにすると苦手なものが食べられることがあります。食材によって濃いめにしたり、調味料を変えたり、味の工夫をしてみましょう。

 

しつけより楽しさを重視して

はし使いなどのしつけも大事ですが、厳しすぎると食べること自体が好きでなくなるという例もあります。まず家族で食事するのが楽しいという雰囲気をつくってあげましょう。

 

時短テクニックに頼ろう!

おうちの方が忙しいと、食事の時間が不規則になってしまいがちですが、毎日同じ時間帯が理想的。調理で時間がかかるのはおもに野菜の下ごしらえなので、野菜を冷凍しておいてレンジ調理や炒め物に使うと時間短縮になります。

 

家族との「食の記憶と経験」は将来の子どもへのプレゼント

栄養をとることや、しつけも大切ですが、食事はまず楽しくおいしくというのが大事。食卓での体験は、将来のお子さんへのプレゼントのようなもの。子どものとき、何を、誰と、どのように食べたか、その記憶と経験の積み重ねが、子どもが将来成長してからの食の習慣のベースになります。

料理に自信がなくて、栄養面が不安…そんなときは給食の献立表を眺めると参考になります。管理栄養士が立てたバランスのよい献立は、組み合わせはもちろん、子ども好みの味つけ、旬の食材の使い方などヒントが満載です。おうちの方は自信をもって、家庭で食の経験をお子さんにさせてあげてください。

教えていただいたのは…

阪下千恵さん

料理研究家・栄養士、家事研究家として、企業のレシピ・メニュー開発のほか、書籍や雑誌、テレビで活躍中。

 

 

イラスト/おぐらきょうこ 構成/村重真紀 出典/小学一年生

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