「覆水盆に返らず」の意味を子どもにきいてみたら、珍回答続出!

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覆水(ふくすい)盆(ぼん)に返らず。

このことわざの意味を知らない大人はいないですよね?  でも、ことわざを学びはじめたばかりの小学生には、なかなか難しかったりします。

「これ、どんな意味だと思う?」と子どもにきくと、珍回答が続出!  なかには「本当にそういう意味だったかも?」と惑わされてしまいそうな回答も…。

「覆水盆に返らず」の意味は?

HugKum編集部が独自に取材。小学生に「覆水盆に返らず」の意味を聞いてみたところ、次のような回答が。

【回答1】
お腹から出た水(それって腹水?)は、盆(ここではおまるのこと?)に入らない。お腹がゆるいことのたとえ。(小5・男子)

【回答2】
都会に出て行った覆水(人の名前)は、お盆になっても故郷の実家に帰ってこない。大事な我が子は都会になんて行かせるものじゃない。(小5・男子)

【回答3】
プロレスラーのようにごっつい体の覆水さん(人名)は、かつての盆ちゃん(覆水さんの子どものころの呼び名)とは別人。成長すると幼少期の愛らしさが失われることのたとえ。(小4・男子)

【回答4】
こぼれた水は二度と器の中に戻らない。過ぎたことはやり直せないという意味。(小5・女子)

正解もちゃんとありました(笑)。

お子さんがいる方は、我が子にも「覆水盆に返らず」の意味をきいてみてください。上の珍回答にまさる「面白解釈」が飛び出すかもしれませんよ。

珍回答に笑ったあとは、ちゃんと正しい意味も確認しましょう。

「覆水盆に返らず」由来は男女の哀しいエピソード

器をひっくり返してこぼした水は二度と元どおりにできないように、一度離縁した夫婦の仲は元には戻らない。転じて、一度してしまったことは取り返しがつかないというたとえ。

『小学館 ことわざを知る辞典』より

中国の古代・殷の時代。読書ばかりしている夫に愛想を尽かして、妻は家を出ていってしまいました。が、夫がのちに出世すると、妻は復縁をのぞみます。その妻に、夫は盆から水をこぼして「この水をもとに戻せたら求めに応じよう」と言いました。

こんな故事が由来となって、もともとは夫婦や男女の仲について言っていたようです。そんなに頑なに復縁を拒まなくても…という気はしますが、紀元前の昔も、もつれた男女の仲は修復が難しいものだったようですね。

***

日常的に使っていることわざも、その由来をひもとくと新しい発見があります。「こんなことわざ知ってる?」と親子でクイズを出しあって、いっしょに正解を確認するやりとりから、豊かな日本語が身につくことと思います。

構成/HugKum編集部
協力/小学館  辞書編集部

小学館 ことわざを知る辞典

編/北村孝一 イラスト/谷山彩子
小学館 定価/1900円+税

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