こんにちは!離乳食インストラクターの中田馨です。今回は、目玉焼きやパスタ、スープなど、大人料理に活躍する肉の加工食品「ベーコン」を離乳食に使う場合の方法や注意点、レシピなどを紹介します。
離乳食でベーコンは1歳以降から
冷蔵庫から出して袋を開ければ、大人の料理にササッと使えて便利なベーコンですが、離乳食にはその使い方はNGです。ベーコンは、肉を塩漬けして燻製にしたもの。塩分が多く含まれているので、離乳食に使うのは1歳を過ぎてから。使う場合は、極たまに少量を調味料代わりの風味付けとして使うのが大原則です。
べーコンを与える際の注意点
ベーコンなどの肉加工品は、子どもに大人気の食品ですが、赤ちゃんに使う場合は少し配慮が必要です。
気になるのは塩分と脂肪分
ベーコンで気になるのはやっぱり、塩分と脂肪分が多いこと。ベーコンの塩分や脂肪分は、内臓機能が未発達な赤ちゃんには負担になります。
ほんの少量をしっかり塩抜きして
ベーコンを使うときは、お湯で湯がいて塩抜きするのが基本です。塩抜きしたら、たくさん食べてもいいか?と言うとそうではなく、塩抜きしてもごく少量だけを使いましょう。また、脂肪分が多い部分は取り除くと更に安心して使えます。
アレルギーの心配は?
ベーコンの原料は「豚肉」。豚肉は、アレルギー表示28品目も一つですので、アレルギーを起こす可能性があります。また、中には卵を使っている製品もあるため、使う前に原材料名の確認をした方が安心です。
赤ちゃん向けのベーコンの選び方
ベーコンはあくまで大人用の肉の加工品です。赤ちゃんに向いている食材とは言えません。そのことを念頭に置きながら、赤ちゃんに選ぶときは低塩で無添加のものを選ぶと安心です。とはいえ、それを選んだとしても、赤ちゃんには、塩分や脂肪分などが多いです。
離乳食のベーコンの下ごしらえ方法
離乳食の調理に入る前に、湯がいてベーコンの塩分と脂肪分を取り除きます。その方法は簡単!
1.鍋に多めのお湯を沸かし、ベーコンを入れて1分以上湯がき、ザルにあげて湯切りする。
以上です。この下ごしらえをしたら、離乳食の調理をスタートさせましょう。
ベーコンの冷凍保存方法
ベーコンを冷凍保存する場合は、下ごしらえしたものだとすぐに離乳食づくりに取り入れられるので便利でしょう。冷凍保存は1週間で使い切ることがお約束。必ず加熱してから赤ちゃんに与えましょう。ただ、離乳食期には、極たまにしか使わないベーコンは、1週間で食べきらなければいけない冷凍保存をするのではなく、大人料理に使うときに少しだけ取り分けておく。という方法が、現実的かなと思います。
時期別の大きさ・固さと1回分の量
では、時期別の大きさ、固さ、1回分の目安量です。
*ベーコン100gあたりの塩分含有量は、2~2.5g。ベーコン1枚(薄切り約19g)で約<0.5gの塩分が含まれています
離乳食完了期
大きさ 薄切りを5mm~1cm
固さ このころの目安のかたさは肉団子程度
1回分の目安量 ごく少量(3g程度まで)
*このころの、お肉の目安量は15~20gですが、ベーコンはごく少量だけにとどめましょう。
1歳半~2歳
大きさ 薄切りは1~2㎝ 角切りは1㎝程度
固さ ベーコンそのもののかたさでOKです
1回分の目安量 5~10g程度まで
*厚生労働省「日本人の食事摂取基準」によると、1~2歳児の1日の食塩摂取量は、男の子が3.0g未満、女の子が3.5g未満です。
3歳以降
大きさ 薄切りは2~3㎝ 角切りは1~1.5㎝程度
固さ ベーコンそのもののかたさでOKです
1回分の目安量 10~15g程度まで
*厚生労働省「日本人の食事摂取基準」によると、3~5歳児の1日の食塩摂取量は、男の子が4.0g未満、女の子が4.5g未満です。
離乳食~幼児食の時期別おすすめレシピ
【離乳食完了期】キャベーコンスープ
味付けは無し。ベーコンで風味付けしたスープです
材料
ベーコン 3g
キャベツ 15g
昆布だし 100ml
作り方
1.ベーコンは、下ごしらえして5㎜に切ります。キャベツは1㎝の千切りにします。
2.昆布だしにキャベツを入れて、やわらかくなりまで煮ます。
3.2にベーコンを加えて、更に煮ます。
【幼児期】ベーコンとトマトのマカロニ
材料
ベーコン 10g
トマト 20g
たまねぎ 20g
マカロニ(ゆで) 100g
オリーブ油 少量
*1歳半~2歳は、ベーコンを下ごしらえしていた方が安心でしょう。
作り方
1.ベーコンは、1㎝程度に切る。トマトとたまねぎは1㎝角に切る。マカロニは表示に従って湯がく
2.フライパンにオリーブ油を敷いて温め、ベーコンと玉ねぎを炒める。
3.2にマカロニとトマトを加えて炒める。
ベーコンを時々取り入れつつ、離乳食メニューの幅を広げてみてもいいですね。
記事監修
一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで2500人が受講。