【子どものやる気を引き出す方法】見直しておきたい親の姿勢と言葉がけ

勉強やスポーツ、習いごとには、子ども自ら積極的に「やる気」を出して取り組んでほしいもの。けれども、子どもに「やる気」を出してもらうことは、決して簡単ではありませんよね。本記事では、そんな子どものやる気を引き出すために見直したい、親の姿勢や言葉がけをお伝えしていきます。

子どもをやる気にさせるには?

「子どもがなかなか宿題をしない!」
「机に向かっていても頭に入ってない…」
「やる気を出しても、維持できない」

「子どものやる気」って、引き出すこともキープすることも難しいですよね。自分の勉強や習いごとには、自ら「やる気」を出して取り組んでほしいものですが、悪戦苦闘しているご家庭は少なくありません。子どもにやる気を出してもらうには、親はどんなことを見直し、対応していけばいいのでしょうか。

そこで今回は、HugKumメルマガ読者のママパパを対象に、子どものやる気に関するお悩みや成功体験談をアンケート調査。アンケートに寄せられた回答をもとに、子どものやる気を引き出す方法を考察していきます。

子どものやる気に関するお悩み体験談

まず最初に、「子どものやる気に関するお悩み」をリサーチ。
アンケートの結果から、多くのご家庭がお子さんの「やる気のなさ」に頭を抱えていることがわかりました。

また、やる気がない原因としては、

・勉強への苦手意識が強い
・すぐに飽きてしまう
・興味がない
・諦めが早い

…等々が見受けられるようです。なかには、はじめはやる気があっても「できない」と感じた瞬間にやる気を消失してしまうお子さんも。

下記では、みなさんから寄せられたコメントを引用の上、ご紹介します。

「漢字を覚えるのが苦手で、勉強は頑張っていますが、確認テストをすると全然覚えていません。 苦手意識があり、イライラしたり、集中力が欠けたりする。 一度に勉強する量を減らしたり、難易度を下げりして、勉強は難しくない、簡単と思わせるようにしていますが、今のところあまり効果はありません。」(40代・奈良県・子ども3人)
「教えても理解できないからか、そうしているうちに子供がやる気をなくす。結果苦手な教科の勉強をしたがらなくなり、親もどう教えたらいいか悩むようになる」(50代・兵庫県・子ども2人)
「習い事に興味がなくて、行きたがらなくなった時があってどうすれば興味を持つか悩んでいた。」(20代・滋賀県・子ども2人)
「サッカーが習いたいと言って習わせたら飽きてきたのか、嫌々行ってる」(20代・宮崎県・子ども3人)
「クラスでひとりだけ縄跳びが跳べなくて練習してほしいのに、やる気が出ないのか全く練習してくれなかった」(30代・大阪府・子ども1人)
「自分は出来ないと思うと諦めが早い」(30代・福井県・子ども1人)

やる気がない子に考えられる原因

アンケートの回答内でも触れられていた、子どものやる気のなさの「原因」。ここでは、その中でも特に目立ったものについて解説していきます。

勉強やスポーツについていけない

はじめはやる気を保てていても、一度失敗してしまったり、ついていけなくなったりすると、途端にやる気を消失。このように、失敗体験が「やる気が出ない原因」になるのは、よくあることのようです。なにかをきっかけにつまずいてしまうと、得意だった科目でさえ「辛い」と感じてしまうことも。

苦手意識を持っている

「勉強(もしくはスポーツ、習いごと)=苦手」といったネガティブな意識を持っていることで、なかなかやる気が出せないお子さんも多いようです。やらないこと・できないことを叱られたり、口うるさく言われたりした経験によって、苦手意識が根付いている場合もあります。

必要性・目的がわからない

「なんのために勉強(スポーツ、習いごと…etc)をするの?」と、そもそもその目的がわからず、やる気を出す必要性がわからない…というケースも。なぜそれをやらないといけないのか、納得できないまま「やる気」を出すというのはなかなか難しいことですよね。

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子どもをやる気にさせるには? 根本的な考え方&心得

では、そんな子どものやる気を引き出すには、親はどうしてあげればいいのでしょうか?  具体的な策の前に、まずは根本的な考え方と心得を確認し、親としてのスタンスを振り返ってみましょう。

親の言葉がやる気をなくしていることも

「さっさとやりなさい!」
「どうしてやる気が出せないの?」
「みんなはちゃんとやってるよ」
などなど… ついつい言ってしまいがちですが、子どものやる気を引き出すつもりでこのような言葉を投げ掛けていたら、むしろ逆効果かもしれません。

大人にとっては何気ない言葉でも、子どもには威圧や命令、脅迫めいて聞こえているおそれがあります。子どもの反抗心を刺激するだけでなく、その科目への苦手意識を助長する可能性もあるので、こういった言葉を投げ掛けるのはなるべく避けましょう。他のお友達や兄弟と比べることも、子どもの自己肯定感を下げてしまうかもしれません。やらないように気をつけたいですね。

「怒られたくない」は「やる気」ではない

また、ありがちなのが、子どもの「怒られたくないからやっている」パターンではないでしょうか。「怒られたくない」が原動力となっている場合、それは本来の「やる気」とは異なります。苦手意識やストレスの原因にもなりかねないので、ポジティブに取り組めるように親からのアプローチの仕方を見直してみましょう。

「得意・不得意は誰にでもある」というスタンスで

「なんでも完璧にできてほしい」という親の気持ちは、子どもにとって負担である場合が多いようです。得意・不得意は誰にでもあります。これがダメでも、得意なことは他にもあるし…というスタンスで、おおらかに構えるようにしましょう。

目的や目標を明確にしておく

子どもに限らず大人でも、誰かに「やらされている」と感じてしまうと、やる気を消失してしまいますよね。「なんのためにやるの?」「やってなんの役に立つの?」といった疑問が生まれる前に、勉強やスポーツ、習いごとに関しては、今一度、それに取り組む目的を親子で明確にしておきましょう。きちんと納得ができれば、もう少しポジティブに取り組めるようになるはず。身近なゴールや目標を設定してみることも、やる気の維持に効果的です。

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子どものやる気を引き出すための具体策

子どものやる気を引き出す際のアプローチの仕方が、少しずつ明らかになってきましたね。ここではこのスタンスをもとに、どのような対応をしていけばいいのか、その具体策をお伝えします。

できたことを褒める

できなかったことを叱るより、できたことを褒めてあげましょう。たとえ、そこまでの道のりが辛かったとしても、褒められたことでその一連のプロセスが「成功体験」として刻まれます。小さなことでも構いません。それが「またがんばろう」という次のやる気に繋がるはず。

「やる気」を出しやすい環境づくりは必須

「やる気」を出しやすい環境づくりをすることも大切です。たとえば勉強なら、勉強机のそばに漫画やゲームが置かれていて、ついつい誘惑に負けてしまう…なんてこともありますよね。そんなときは、机まわりの整理が必須。お子さんのやる気や集中力が途切れる原因を追及し、適した環境を一度見直してみましょう。

つまずいている場合は、具体的な対策をアドバイス

もともとはやる気があったのに、一度つまずいたらやる気を失くしてしまった…そんな場合は、「どこでつまずいてしまったのか」「それを克服するためには、どんな学習や練習が必要となるのか」具体的な対策を、いっしょに考えてあげましょう。
つまずいている間はやる気を失ってしまっていても、克服できれば再びポジティブに取り組めるようになるはずです。さらに、「つまずいたけれど、できるようになった」経験が、子どもにとってのひとつの成功体験にもなるかもしれません。

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HugKum読者の先輩ママパパたちはお子さんのやる気をどのように引き出してきたのか、その成功体験談もアンケートで聞いてみました。

さまざまな体験談が寄せられる中、特に目立ったのは「やりたくないときはやらせないほうがいい」といったスタンスによるもの。
たとえば、「子どもがやりたくないのは疲れているからかもしれないので、宿題をやるタイミングを本人に委ねた。そのことによって、自分から進んで取り組むようになった」「苦手なスポーツの習いごとをお休みさせたら、よく勉強をするようになった」などなど… お子さんの主体性を大切にすることが、お子さんのやる気に繋がっていることがわかります。

ほかにも、「褒めたらやる気が出た」「親もいっしょに考える姿勢を見せたことがよかった」など、多様な成功体験談がありました。下記では、みなさんからの体験談を引用の上、ご紹介します。

「子どもが宿題のやる気がでないというときは疲れているときと自分に言い聞かせて、先に好きなことをさせる代わりに自分で宿題をする時間を決めてもらう。自分で時間を決めて宿題や勉強をやってもらう方がうちの子には合っていたようで、一応、自分から取り組むようにはなりました。」(30代・大阪府・子ども1人)
「常に味方になり一緒に応援しながらやる。出来ない事を出来たに変えた瞬間は生き生きした」(30代・福井県・子ども1人)
「一緒に頑張ろう!と声かけし、親も一緒に考える姿勢を見せた。できたら思いきり褒めてあげた。ほめるとヤル気が出るらしく、次のも頑張ろうと思えるようになってくれた。」(30代・茨城県・子ども1人)
「『一時的にお休み』という形で事実上バスケを辞めました。 ケンカばかりの生活が少しおさまって笑顔が増えた気がします。次の目標を探して現在頑張っているところです。よく勉強するようになり、成績が上がりました。スポーツは苦手なタイプかもしれないと、私も反省してます。」(20代・大阪府・子ども2人)
「やりたくない時はやらない方がいい。やった分だけ自分に返ってくるから、やる時はしっかりやることと伝えました。勉強する時遊ぶ時、メリハリをつけてやるようになりました。」(30代・東京都・子ども1人)
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親も楽しくポジティブに、子どもの活動をサポートしていきましょう

失敗したり怒られたりすることで揺らいでしまいがちな、子どものやる気。反対に考えれば、子どものやる気は、「楽しさ」やその科目に対する「ポジティブなイメージ」に支えられていることがわかります。子どもが楽しく、やる気十分に取り組んでいけるように、親も同じくポジティブに、子どもの活動をサポートしていきたいですね。

 

構成・文/羽吹理美

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