【Z世代】の他の世代と異なる特徴は? 内面・行動やSNS活用術を徹底解説

現在の新入社員の多くは「Z世代」に該当します。「これまでの新人と少し違う」と感じたら、それはZ世代の特徴が顕著に現われているためかもしれません。Z世代ならではの特徴や性質、行動パターンを知り、うまく付き合っていきましょう。

Z世代とは?

テレビや雑誌などで「Z世代」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。Z世代とは、具体的にどの世代を指すのでしょうか?  Z世代の定義や名称の由来をチェックしてみましょう。

1996年から2015年ごろに生まれた世代

6歳〜25歳(2021年時点)がZ世代

 

「Z世代」は「ジェネレーションZ」とも呼ばれ、1996~2015年ごろに生まれた世代を指すのが一般的です。2021年時点では、6~25歳が該当します。

Z世代が生まれたのは、すでに社会にインターネットやデジタルツールが定着した時代です。誕生時よりデジタル環境に身を置いていたことから、Z世代は「デジタルネイティブ世代」とも言い換えられます。現在、Z世代が世界人口に占める割合はおよそ3割です。彼らの消費行動は世界経済に大きな影響を与えるといわれており、Z世代は今後の世界消費の牽引役として期待されています。

「Z世代」と呼ばれる理由

アメリカでは、1965~1980年ごろに生まれた世代を「X世代」、1981~1995年ごろに生まれた世代を「Y世代」と呼びます。アルファベットではX・Yの次がZであることから、その次に生まれた世代にはZが付けられることとなりました。

「X世代」という言葉は、カナダ人作家ダグラス・クープランドが出版した「ジェネレーションX」という本に由来するといわれます。

アメリカではXを「未知のもの」「よく分からないもの」を示すときに使うのが一般的です。つまりX世代という言葉には、「未知の世代」という意味が込められています。人の価値観は、生まれたときの社会・経済情勢に左右されることが少なくありません。X・Y・Z世代とも、消費行動・傾向には異なる特徴が見られます。

Z世代に見られる特徴<内面編>

Z世代には共通する特徴があるといわれます。まずは彼らに見られる、特徴的な内面の傾向について紹介しましょう。

堅実指向で良質なものを好む

Z世代は消費行動に慎重で、コストパフォーマンスを重視する傾向があります。ブランド買いや衝動買いをしにくく、商品やサービスの素材や質・特典などのチェックを怠りません。自分が「お金を払っても惜しくない」と思えるものにしか、消費の興味が向かない人が多いでしょう。

また、消費よりも貯蓄に興味を持つのもZ世代の特徴です。ムダを省いて堅実に暮らすのが得意で、享楽的な生活よりも安定した生活を望みます。Z世代の堅実指向・コストパフォーマンス重視の傾向は、リーマンショックによる世界的な大不況を経験したことと無関係ではないといわれます。幼少期に経済的な混乱を身近に感じた経験から、お金に関してシビアな目を持っているのです。

公平性や透明性を求める

先の世代よりも社会の公平性や透明性を重視するのも、Z世代に多く見られる傾向です。社会問題や人権問題について口を閉ざさず、積極的に意見を述べる人が見られます。

Z世代はSNSとの親和性が高く、自分の情報をオープンにすることに抵抗がありません。SNS上で他人と意見交換をしたり海外のリアルな情報に触れたりすることに慣れており、現代社会の矛盾や理不尽さに気付きやすいのです。

また、Z世代が生まれた時代は、日本でも男女平等や人権についての意識が高まり始めた時代です。昔の日本社会で見られたような男性上位や人権無視の組織・制度には、強い反発を抱く人が少なくありません。

多様な個性や価値観

SNSを使いこなすZ世代は、「人それぞれに異なる価値観を持っていて当たり前」と認識しています。人と価値観を合わせる必要性を感じておらず、価値観の異なる人に出会っても抵抗を感じません。自分と他人の個性をどちらも大切にする傾向があり、先の世代よりも「個性的であること」に魅力を感じる人が多いでしょう。

Z世代は、SNSを通じて多種多様なコンテンツ・情報・人に触れ合う機会を得ています。先の世代が社会に出てから多様性を学ぶことが多かったのに対し、比較的若い年代から多様性について学べるのが、Z世代の特徴といえるでしょう。

Z世代見られる特徴<行動編>

デジタルネイティブであるZ世代は、インターネットを使うことに抵抗がありません。Z世代に多く見られる行動の特徴を紹介します。

ソーシャルネイティブ

Z世代は、日々の生活に占めるSNSの比率が高いのが特徴です。1人で複数のアカウントを使いこなすことが珍しくなく、SNSを通じて多様な人・コミュニティとつながっています。気になること・特別なことはすぐにSNSにアップして、たくさんの人と共有したいと考える人が多いでしょう。

生まれたときからデジタル環境が整っていたZ世代は、インターネットを介してつながることに抵抗がありません。SNSの使い方やネットリテラシーに精通している人も多く、Z世代にとってSNSは生活の一部となっています。

サブスクやキャッシュレス決済

Z世代の多くは、デジタル化されたサービスの利用に抵抗がありません。定額・月額制でサービスを自由に使える「サブスクリプションサービス(サブスク)」やキャッシュレス決済も率先して導入し、生活をデジタル化・効率化する傾向が顕著です。

Z世代はデジタルデバイスの扱いに慣れている上、インターネット利用のコツ・注意点も知っています。新しいものを受け入れることへの抵抗が少なく、先の世代よりもアナログからデジタルへの移行がスムーズです。

好きなものへの投資

貯蓄意識が高い一方で、Z世代は好きなものへの投資は惜しみません。自分の趣味・興味や貴重な体験にはお金をかける傾向にあるようです。

先の世代でも、好きなものへの投資を惜しまない人はたくさんいます。しかし、Z世代は「他人を巻き込みたい」「個性を表現する手段にしたい」などと考える人が多いのが特徴です。SNSを使って好きなもの・ことをアピールし、他人と共有して楽しんでいます。

また、Z世代の消費スタイルは、「所有よりも利用」が好まれる傾向にあります。好きなものへの投資でも、体験・経験などへの対価を払う「コト消費」が選択されることが多いでしょう。

Z世代で変化したSNSの活用方法

ソーシャルネイティブでもあるZ世代は、シーンや気分・コミュニティに合わせて多数のSNSを使いこなしています。Z世代におけるSNSの活用方法を見ていきましょう。

Twitter・YouTube・Instagramが主流

数あるSNSの中でも、Z世代の主流はTwitter・YouTube・Instagramです。

Twitterはつぶやくだけでなく、ハッシュタグを付けて検索に使う人も少なくありません。Z世代にとってのTwitterは情報発信だけではなく、情報収集ツールでもあります。一方YouTubeは、発信よりも閲覧用にアカウントを作っている人がほとんどです。

またInstagramは、ストーリーなら24時間で投稿内容が消えてしまいます。「投稿してもずっとは残らない」という心理的な安心感があり、投稿のハードルが低いため、日常の一場面を気軽に投稿・共有して楽しむ人が多いでしょう。この他、TikTokやライブ配信アプリなども人気です。

複数アカウントで交流範囲を整理

Z世代には、1人で「趣味用アカウント」「リアルな友達用アカウント」「オタク活動用アカウント」などを持つ人が珍しくありません。アカウントを分けることでコミュニティを区別・整理し、コミュニティごとに投稿内容を変えるのが一般的です。語りたい趣味が多い人は、よりたくさんのアカウントを作るケースもあるでしょう。

アカウントの複数持ちは、先の世代からすると面倒に思えるかもしれません。しかし、ソーシャルネイティブといわれるZ世代にとっては、ごく普通のことと認識されています。

理想像への共感や有益な情報探し

Z世代の多くは、情報収集にSNSを活用しています。TwitterやInstagramのハッシュタグをたどれば、たくさんの情報が出てきます。リアルタイムの情報を得やすく、現在のトレンドを把握したいときにも最適です。

基本的に、Z世代にとってのSNSは承認欲求を満たすためのツールではありません。情報発信・収集のためのツールとして使う人がほとんどで、単なる「映え」の写真を載せたくらいでは、共感を得にくくなっています。Z世代では、個性やメッセージ性・有益性を意識した投稿が重視される傾向にあります。

コロナ禍で増えたSNS利用。困りごとはプライバシーの見直しで解決!【#マンガで学ぶプライバシー】
SNSを利用したコミュニケーションが増えるなか、トラブルも急増中 今年、私たちの生活は新型コロナウィルス感染を予防するための「新しい生活様...

他の世代は何と呼ばれる?

Z世代の前の世代は「ミレニアル世代」、後の世代は「α世代」と呼ばれます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

Z世代前は「ミレニアル世代」

26~40歳(2021年時点)のミレニアル世代

 

Z世代以前の1983~1995年ごろに生まれた世代は「ミレニアル世代」、1981~1995年ごろに生まれた世代は「Y世代」と呼ばれます。両者は時期がかぶっているため、ほぼ同じ世代をいうと考えて問題ありません。また、日本の「ゆとり世代」もミレニアル世代とほぼ同時期です。

ミレニアル世代の特徴は、「デジタルネイティブ」であること、バブル崩壊後の厳しい経済後退期に生まれたことです。どちらかというと、無気力で受動的な傾向が強いといわれます。

Z世代後は「α世代」

アルファベットは「Z」で終わり、次がありません。そのためZ世代の次は、ギリシャ文字の最初に当たる「α」を用いて、「α世代」とするのが一般的です。2011~2020年代中盤ごろに生まれる世代を指します。

なぜ2011年ごろなのかというと、この時期にInstagramやiPadが登場したためです。デジタル環境における大きな変革は、新たな世代の始まりにふさわしいと考えられました。α世代は2021年時点では10歳以下のため、どのような傾向があるのかは不明です。しかし、彼らが未来の世界消費を担う存在であることは間違いありません。

特徴を理解しZ世代とうまく付き合おう

Z世代はデジタルネイティブ・ソーシャルネイティブで、生まれつきデジタル環境に慣れ親しんできた世代です。非効率を嫌ったり個性を重視したりする傾向にあるため、身近にいるとマイペースぶりに疲れることがあるかもしれません。

Z世代と付き合うときは、合理性・効率を重視して相手を納得させるのがベターです。加えて、Z世代は仕事とプライベートをきっちり分けたい人も多いので、プライベートに干渉し過ぎないようにする必要もあります。Z世代とのほどよい距離感を見つけて、互いにストレスなく付き合えるようにしましょう。

文・構成/HugKum編集部

パソコンは鉛筆と同じ!デジタル教育の3つのメリット【松丸くんの教育ナゾトキ対談】Vol.4 NPO法人CANVAS代表・石戸奈々子さん~前編~
現役東大生でナゾトキブームの仕掛け人・松丸亮吾さんによる連載「松丸くんの教育ナゾトキ対談」。松丸くんが、日本の子どもたちに「考えるこ...
プログラミングを学ぶ小学生はもはやデジタルネイティブではない!【Tech Kids School・上野朝大-前編-】
「Life is Tech(ライフイズテック)」の讃井康智さんによる連載「アフターコロナ時代の教育クエスト」。東大を卒業後、ライフイ...

編集部おすすめ

関連記事