小学一年生の保護者の方のお悩みです。小学校生活にすっかり慣れて、子どもにますます小学生らしさが出てくるこの時期。うれしい半面、お子さんの成長にともない新たなお悩みも……。
Q:携帯ゲームの約束を守れません。どうしたら守れますか?
わが家では、携帯ゲームで遊ぶ時間を1日30分までと決めていて、夕食前に宿題を終わらせることが条件です。最初は守っていたのですが、宿題をせずにゲームをしていたり、30分以上ゲームをしていたりと約束を守れなくなってきています。約束したことは守ってもらいたいと思うのですが、なかなか難しいです。どのように伝えたら約束を守ってくれるようになるでしょう。 (KORO さん)
A:約束を「見える化」し、わかりやすくしましょう。
「子どもがゲームに関する約束を守れない」といった相談は、多く寄せられます。けれど、約束を守りながらゲームで遊べる1年生はほとんどいません。
ゲームで遊ぶための約束は、保護者がしっかりと指導・管理ができるようにしておくことが重要です。
「ゲームは宿題を終えてから」という約束は、子どもに「やるべきことを終えてから遊ぶ」習慣をつけさせたいからだと思います。ところが、これは良い習慣とはいえません。脳の仕組みとしては、学習した記憶の上に、ゲームの情報を上書きし、覚えたことを消してしまうことになるのです。宿題とゲームを関連付ける約束はやめたほうがよいでしょう。
時間を守れないのは、時間の概念がまだ身についていないからです。そこで、タイマーなどを使い、時間を意識させるようにします。時間がきたら、親御さんがゲームを預かりましょう。手元から離すことで、頭の切り替えがしやすくなります。
約束を守れなかった場合のペナルティも決めておきましょう。30分の約束なら25分、20分とゲームの時間を減らしていくようにすれば、子どももわかりやすいでしょう。「約束を守れなかったらこうなる」という結果を見える形にすることがポイントです。
一度決めた約束を見直すのですから、お子さんが納得するまでしっかりと話し合ってくださいね。
\私がお答えしました/
加藤 俊徳 先生
脳を8つの系統に分けて育てる「脳番地トレーニング」を提唱。昭和大学客員教授。加藤プラチナクリニック院長。著書に、『すごい左利き』(ダイアモンド社)、 『ADHDコンプレックスのための“脳番地トレーニング”』(大和出版)など多数。 InterFM 897 「脳活性ラジオ Dr. 加藤 脳の学校」のパーソナリティーを務める。
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。
『小学一年生』2021年11月号別冊『HugKum』 イラスト/やまのうち直子 構成/天辰陽子