運動が単なる遊びだった幼児期を過ぎ、小学校に上がると、体育が教科のひとつに。運動が苦手だと、子ども自身がコンプレックスを抱いたりします。今回は小学一年生のお子さんをもつ保護者のこんなお悩みに、育児アドバイザーがお答えしました。
Q:運動が苦手な息子に自信をつけさせたい!
息子は走るのが苦手で、体育でのかけっこはいつもビリです。マット運動やなわとびも好きじゃないと言います。最近は、体育の授業そのものがいやだと言うようになりました。また、友だちと鬼ごっこして遊んでいるときも、鬼になるとなかなか捕まえることができず、つまらないと言っています。運動が苦手な息子に少しでも自信をつけさせたいのですが、どうしたらよいでしょう。 (S・Tさん)
A:子どもの気持ちに寄り添い、「こっそり」練習に取り組みましょう。
じつは、わが家の長男も運動が苦手な子どもでした。だから、体育の授業が「つまらない」と思う気持ち、すごくわかります。まずは、お母さんが子どもの気持ちに寄り添ってあげてください。そして、「ママと一緒に練習しよう。誰もいないところでこっそりね」と誘ってみてはどうでしょう。
ポイントは「こっそり練習」です。速く走れないことで自尊心が傷ついている子を、人前で練習させるのは酷なことです。自宅や家の周りなど、人に見られない場所で練習しましょう。
練習はひとつずつ根気強く教えましょう。また、動作はすべてバラバラに。例えば走る練習なら、まずは腕を振る練習をして、できたら、足を高く上げて前に蹴り出す練習、最後に手と足を組み合わせて走る練習をする、といった具合です。走る様子を動画に撮って研究してもいいですね。
お父さん・お母さんは、あせらず、怒らず、イライラせずに、ゆったりと。「何度やったらできるようになるの」「どうしてできないの」。こうした言葉は子どもの心が折れるので禁句です。ここは長期戦でいく覚悟をもって取り組んでくださいね。
走れるようになったら、親子で競走してお父さんお母さんが負けてあげましょう。そして、「負けちゃった。勝てると思ったのに」と悔しがってください。お父さんお母さんの〝役者力〟がカギですよ!
\私がお答えしました/
藤田 敦子 先生
ほめて認める独自の「ぺたほめ®子育て術」を提唱し、テレビ出演・出版・講演などで大活躍の子育てアドバイザー。「ぺたほめ®子育て術」によって成長した二人の息子は、最難関大学・京都府立医科大学医学部医学科に現役合格。著書に『母親が変わればうまくいく 第一志望校に合格させた母親がやっている子育て39』(講談社)。藤田敦子オフィシャルブログ https://ameblo.jp/petahome/
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載し、HugKumの監修もつとめています。
『小学一年生』2021年11月号別冊『HugKum』 構成/天辰陽子