「聖」の由来と意味
まずは、「聖」の漢字の由来と意味を見ていきましょう。
「聖」の成り立ち
「聖」は「耳」と「口」、そして「呈」からできています。上部分は神の言葉をきく「耳」と祈りの言葉を唱える「口」を指し、また下の「呈」は神器を捧げ持つつま先立ちの人をあらわしています。
神事の際の神官や巫女の神々しい姿を書き留めたのが「聖」の由来です。
「聖」の意味
清らかで俗と区別された意味での「聖」を指すほかに、知識・人徳のある人物や国を統べる人など傑出した人を指す言葉としても使われています。
たとえば「楽聖」は、歴史に名を残す偉大な音楽家を指す言葉です。俳句の分野では「俳聖」、詩では「詩聖」と呼びあらわしますね。このように、宗教色のない場面でも「聖」はさまざまな意味で使われているのです。
「聖」は名前ではどんなイメージ?
続いて、「聖」の名前におけるイメージも見てみましょう。
清らかな心を持った人
まず挙げられるのが、清らかな心を持った人というイメージ。
「聖」には清らかさ、汚れのなさといった意味もあります。このことから、「聖」は人を信じる、嘘偽りなく澄んだ心をイメージして名前に用いられます。
人々を癒し導く存在
神秘的なイメージの名前を探している人にも「聖」はおすすめ。 人々を癒し導く聖人のような、慈悲と慈愛にあふれた人になることを願って「聖」を名付けに使いましょう。
「聖」を使った名前にはどんな願いが込められる?
続いて「聖」を使った名前に込められる願いや意味を見ていきましょう。
美しい心を持った人になってほしい
まずは、美しい心を持った人になってほしいという願い。「聖」のつく人物は、古来より誰よりも清く美しい心を持っていることでも知られています。
このことから、美しく澄んだ心を持った人、善意に満ちた人といった願いを名前に込められます。
リーダーシップを持った人になってほしい
聖人は人を癒すだけでなく、人を教え導く役割を持っていました。
その由来にちなみ、リーダーシップを持って組織を導ける人になってほしい、人を助けられる人物になってほしいといった願いが込められます。
「聖」を使ったおすすめの名前
それでは、「聖」を使ったおすすめの名前を見ていきましょう。
参考:赤ちゃん命名ガイド
女の子
・聖音(あきね、きよね、さとね)
音楽をはじめとする芸事の才能を願う「音」。「聖」と組み合わせれば、美しく澄んだ心と豊かな感受性をあわせ持った名前に。
・聖枝(あきえ、きよえ、さとえ)
空にどこまでも伸びる枝のように、伸びしろのある人になることを願って用いられる「枝」。一つのことを極められる能力を願って。一途に努力できる人になりますようにという願いも込められます。
・聖香(しのか)
女の子の止め字として人気の「香」。良い香りと「聖」のイメージを組み合わせれば、どこか神秘的な雰囲気の名前になります。
・聖葉(あきほ、あきは)
フレッシュで瑞々しいイメージの「葉」もまた、名付けでは人気の漢字の一つです。「聖」のイメージとあいまって、美しい若葉のような清らかで可能性を感じる名前に。
・聖奈(あきな、せいな)
女の子の名前の止め字として人気の「奈」。古くは果樹を指す言葉でした。「聖」の持つ神秘性と、「奈」のような可愛らしさを併せ持つ人に。実り豊かな人生になりますようにと願って。
・聖羽(あきは、きよは など)
軽やかさをあらわす「羽」は男女ともに名付けでもよく見られる漢字です。天使の羽のような、美しくも軽やかなイメージの名前に。
・聖良(せいら)
清く正しい心を持てる人に。善悪を見抜く力、自分にとって本当に良い選択ができる賢さを願って。
・美聖(みさと)
心身の美しさを願って。「聖」のイメージを加えれば、美しさや賢さをひけらかさない謙虚さ、清く正しい心といった意味も込められます。
男の子
・聖斗(あきと)
水を汲む柄杓の意味が長じて、夜空に浮かぶ北斗七星を指す言葉にもなった「斗」。男の子の名前の止め字としても人気の漢字です。星のような光り輝く才能を願って。宇宙のような無限の可能性のイメージを名前に込めましょう。
・聖晴(あきは、さとは など)
爽やかな晴れの日のような、嘘やてらいのない人に。遠くまでよく見える晴れの日のように、いつも物事の先を見通せる賢さを願って。
・和聖(かずあき)
和やかでやさしい心を持つ人に。人を助け、寄り添える人物になることを願って。
・一聖(かずあき、いっせい)
漢数字の「一」は、1番目や頂点、唯一無二といった幅広い意味を持ちます。名前では1月生まれの赤ちゃんや第一子に使われることも多い漢字です。あなたは1番大切な人、という思いを込めて。
・快聖(かいせい など)
心地よさ、気持ちよさなどを意味する「快」。病気の治癒を指すこともあるので、健康への願いも込められる漢字です。生命力、快活さ、曇りのない心を持つ人になってほしいという願いを込めて。
・聖大(せいた)
日常でもよく使われる「大」は、男の子の名前に好んで用いられる漢字です。心の大きさ、器の大きさ、可能性の大きさを願って。健康で活発な子に育ちますようにという願いも込められます。
・千聖(ゆきまさ)
具体的な数だけでなく、たくさんの量や規模の大きさもあらわすのが「千」です。美しく澄んだ心がいつまでも絶えることがありませんように、たくさんの人を助けられるような立派な人物になってほしいという願いを込めて。
赤ちゃんの名付けはここがポイント!
最後に、赤ちゃんの名前を考えるときのポイントや注意点をご紹介します。名付け例や漢字の由来とともに、名前を決める際の参考にしてみてくださいね。
名前の響き・名前の意味
名前は、名乗ったり呼び合ったりと実際に口に出すことも多いものです。そのため、字面や意味だけでなく、耳から入る響きの印象もとても大切。名前単体だけでなく、名字とつなげても違和感を感じないかどうか、自分で声に出してみたり、人が呼ぶのを聞いてみたりして確認してみましょう。
また、漢字の意味によって名前に込められる意味やイメージもがらりと変わります。名付けの際には、使う漢字の意味や由来をよく調べ、ママパパの思いにふさわしい文字を選びましょう。
ただし、漢字の意味が良くても、響きがネガティブな物事を容易に想像できるようなものは良くありません。違う読み方や漢字を探すことをおすすめします。
姓名判断
日本では古くから、名前の字画からその人の性格や運命を占う姓名判断がさかんに行われてきました。
姓名判断を最優先にするなど神経質になる必要はありませんが、複数の名前候補で迷っている場合などは調べてみましょう。
姓名判断は、Webサイトで手軽にできるものから、お寺や神社で行う本格的なものまであります。自分に合った方法を選んでみてくださいね。
清らかで美しい「聖」を名前候補に!
清らかで美しい意味を持つ「聖」。名前に加えれば、神秘的なイメージをプラスしてくれる漢字です。また、組み合わせる漢字によっても名前の意味やイメージは大きく変わります。今回紹介した内容をふまえて、ぜひともお子さんにぴったりの名前を考えてみてくださいね。
※ HugKum の記事から「名づけ」に関する記事をピックアップしました。参考にしてみてください。記事はこちら。
文・構成/HugKum編集部