英検3級の難易度は?
英検3級に合格するためには、どの程度の実力が必要なのでしょうか。合格の目安や学習時間もあわせて見ていきましょう。
中学卒業程度のレベル
英検Ⓡには、5~1級まで、準〇級といったレベルを含めると、全部で7段階のレベルがあります。日本英語検定協会は、英検3級のレベルを「中学卒業程度」としています。英検3級に合格できれば、義務教育で習得するべき内容が、ほぼ身に付いていると考えてよいでしょう。
ただし、英検3級より上のレベルには、4級までの試験にはない面接形式の二次試験があります。合格を目指すなら単語や文法を覚えるだけでなく、発音や日常会話のセンスを磨くトレーニングも必要です。
参考:各級の目安 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
英検3級の合格ライン
英検Ⓡでは合格点があらかじめ決まっており、その点数を超えた人のみ合格できます。英検3級の満点と合格点は、以下の通りです。
・一次試験:1650点/1103点
・二次試験:550点/353点
一次試験は問題が大きく3パートに分かれており、それぞれに550点ずつ割り当てられています。もし一つのパートが0点だった場合、残り二つが満点でも1100点となり、合格できません。
もちろん、一次試験が不合格の人は二次試験には進めないので、まずは一次試験突破を目指しましょう。
参考:英検CSEスコアでの合否判定方法について | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
合格に必要な学習時間
英検3級合格のために必要な学習時間は、人それぞれです。英語を学び始めて間もない人と、中学校の履修範囲を終えている人とでは、学習にかかる時間は当然変わってきます。
小学生でも何年か継続して英語を学んでいる場合、十分合格に近付けるでしょう。子どもの英語レベルをきちんと把握した上で、必要な学習時間を割り出し、計画を立てることが大切です。
ただし、英検Ⓡを受けるからと、急に1日の学習時間を増やすと子どもの生活リズムが乱れたり、勉強が嫌になってしまったりしてしまう可能性があります。1日10分程度でよいので、毎日勉強できるように配慮してあげましょう。
英検3級の試験の流れ
英検3級を受験する際は、二次試験まで見据えて準備する必要があります。申し込みから合格発表まで、受験の流れを見ていきましょう。
参考:お申し込み | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
一次試験の受験
英検Ⓡは毎年決まった時期に、3回実施されます。一次試験の実施月は5・10・1月です。実施月の2カ月前を目安に申し込み受付が始まるので、公式サイトで日程をチェックしましょう。
受験会場は、申し込み時に希望するエリアを選び、その中からランダムに決まる仕組みです。どの会場になってもよいように、公共交通機関で行きやすいエリアを選んでおくと安心です。
申し込み完了後、試験日の1週間前までに会場が記載された受験票が届きます。
なお、3級以上の受験には、本人の顔写真を貼った受験票と身分証明書が必要です。受験票が届く前に用意しておくと慌てずに済むでしょう。顔写真の条件は以下の通りです。
・サイズ:縦3×横2.4cm
・6カ月以内に撮影したもの
・上半身無帽、正面を向いているもの
なお、当日の持ち物や保護者の付き添い方法などは、子ども向けの受験案内ページに掲載されているので、把握しておくと安心です。
参考:当日のスケジュール&持ち物リスト 一次試験 | 英検 for kids! | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
一次試験合格後、二次試験
二次試験は、一次試験の約1カ月後です。一次試験に合格した人には、個人成績表と一緒に二次試験の会場や時間が記載された「二次受験票」が届きます。
ほとんどの場合、一次試験とは会場が異なるため必ず確認しましょう。なお、早く結果を知りたい人は、インターネットでも合否を確認できます。
二次試験当日は、会場の控室にて「面接カード」に必要事項を記入します。小学生の場合は、保護者の代筆や補助が認められているので、心配な場合は一緒に控室に入れるように、保護者の分の上履きや筆記用具を持参しましょう。
参考:当日のスケジュール&持ち物リスト 二次試験 | 英検 for kids! | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
結果発表
二次試験合格者には、試験後3週間以内に個人成績表と一緒に「合格証書」と「合格証明書」が届きます。個人成績表のみ届いた場合は、残念ながら不合格です。次回の受験に向け、再び準備を始めましょう。
二次試験の結果もインターネットで分かるので、合格証書が届かなくても特に困ることはありません。しかし、実際に証書を手にすると、子どもは達成感を得られるはずです。
合格証書到着日の期限は公式サイトに記載されているので、期限を過ぎても届かないときは、日本英語検定協会に直接問い合わせてみましょう。
参考:試験結果・各種証明 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
英検3級の試験の内容
英検3級では、どのような問題が出されるのでしょうか。一次・二次、それぞれの試験内容を簡単に解説します。
一次試験:筆記・リスニング
一次試験は「筆記」と「リスニング」で、筆記は「リーディング」と「ライティング」の二つに分けられます。
リーディングには大きく分けて、以下の三つの設問があります。いずれも問題用紙に印刷された、四つの選択肢から答えを選ぶ形式です。
・短文の空欄を埋める
・会話文の空欄を埋める
・長文を読み、内容に関する質問に答える
ライティングは1問のみで、一つの「QUESTION」に対して英文で解答します。
リスニングは、設問が三つあります。いずれも選択問題ですが、選択肢が印刷ではなく読み上げ形式の設問もあるので注意しましょう。
参考:3級の試験内容 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
二次試験:面接
二次試験は、面接形式の「スピーキングテスト」です。当日は控室で、面接の順番を待つことになります。待ち時間が長いこともあるため、テキストや単語帳などを持っていくとよいかもしれません。
問題は5問・所要時間は約5分で、面接の流れは以下の通りです。
・面接委員に「面接カード」を手渡し、指示に従って着席
・受験者氏名と受験級の確認
・面接委員から、文章とイラストが印刷された「問題カード」を受け取る
・問題を20秒間黙読後、指示に従い音読する
・内容に関する質問に答える
・イラストに関する質問に答える
・受験者の日常などについての質問に答える
・面接委員に「問題カード」を返して退室
参考:3級の試験内容 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
英検3級の一次試験対策
一次試験では「読む・書く・聞く」の三つの力が試されます。それぞれ対策が異なるので、バランスを考えながら学習を進めなくてはなりません。
一次試験の効果的な勉強法を解説します。
リーディング
リーディング対策の基本は、語彙力の強化です。単語はもちろん、イディオムと呼ばれる熟語や慣用句も積極的に覚えて、設問文をスラスラと読めるようにしましょう。
単語帳や簡単なドリルを作って、1日1回親子で問題を出し合うのも効果的です。
ただし、文章によって、意味や使い方が変わる単語もたくさんあります。ただ暗記するだけでは答えられない問題も多いため、文中でどのように使われているのかも含めて理解するようにしましょう。
ライティング
英検3級のライティング問題では、複雑な文章を作るよりも、正しいスペルや文法で答えることが重視されます。
国語の記述問題でも、漢字や主語述語の使い方が間違っていれば減点です。英語のライティングも同じなので、単純なスペルミスや文法の間違いはできるだけ減らすようにしましょう。スペルミス対策として、間違えた単語をノートに繰り返し手書きするのも有効です。
また、解答に用いる語数の目安は、25~35語と定められています。過去問や問題集を参考にして、指定の語数で収める練習をしておきましょう。
参考:ライティングテストの採点に関する観点および注意点(3級) | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
リスニング
リスニングの問題文自体は、それほど難しい内容ではありません。しかし、音声がどんどん流れてくるため、一度つまずくと混乱して、その先が聞き取れなくなりがちです。
過去問の音声を何度も聞いて、ネイティブの発音に耳を慣らしておきましょう。文中の「5W1H」に関する設問が多いので、「いつ・どこで」といった部分を意識して聞き取る練習も効果的です。
また、一次試験の問題は全て同じ冊子にまとめられており、筆記が終わればリスニング問題のイラストや選択肢を確認できます。音声を聞く前に選択肢が分かっていれば、余裕を持って臨めます。
選択肢に目を通すゆとりを作るためにも、筆記問題はできるだけ早く解けるようにしておくとよいでしょう。
英検3級の二次試験対策
英検3級の二次試験は、面接委員と受験者の1対1で行います。見知らぬ人と2人きりの面接では、緊張して実力を出せないかもしれません。一次試験合格後に行うべき、本番を想定した対策を紹介します。
面接の流れや時間
面接の手順と所要時間は決まっており、面接委員や会場によって変わることはありません。このため自宅でも、できるだけ本番に近い状況で練習すると効果的です。
面接にかかる時間は、約5分です。保護者が面接委員の代わりになり、タイマーを5分にセットして、入室から退室までをシミュレーションしてみましょう。
面接カードの渡し方やあいさつの仕方、20秒で問題文を読む練習も忘れずに行います。面接カードや問題カードは、似たようなものを作って実際に受け渡しするとより本格的です。
一通りシミュレーションしておけば、緊張感がやわらぎ本来の実力を発揮できるでしょう。
参考:3級の試験内容 | 英検 | 公益財団法人 日本英語検定協会
本番を想定した発声練習
スピーキングでは、英語を使って問題なくコミュニケーションを取れるかどうかが、合否の判断基準となります。
正しい発音も大切ですが、仮に発音が正しくても声が小さかったり、早口になったりして面接委員が聞き取れないと評価してもらえません。
シミュレーションの際も、はっきりと大きな声で話すことと、言い間違えてもうつむいたり黙り込んだりせずに、最後まで会話を続けることを意識して練習しましょう。
子どもの場合でも、普段から相手の目を見て、明るくあいさつする習慣を付けておくと安心です。
英検3級の合格を目指そう
英検3級に合格できれば、準2級以降のより実践的なステージに進む目標ができます。小学生のうちから中学卒業レベルの試験に挑戦することで自信が付けば、子どもの英語学習に対する意欲もますます高まるでしょう。
小学生が英検3級に合格するためには、本人の実力や努力はもちろん、保護者のサポートも大変重要です。合格を目指して、親子で一緒に頑張りましょう。
構成・文/HugKum編集部