目次
多肉植物用の土は特別なものなの!?
多肉植物用の土は、どのようなものなのでしょうか。多肉植物用の土の特徴や、園芸用の土との違いなどをこれから解説していきます。
多肉植物にも植え替えが必要
育てるのにあまり手のかからない多肉植物。しかし、大きく育ってきたころには植え替えが必要となります。
植え替えとは、ひとまわり大きな鉢に植物を植え替えることです。鉢の中の土を新鮮で新しい土にし、栄養や水分を吸収しやすくするために植え替えをします。このときの土は、どのようなものを用意すればいいのでしょうか。次の項から解説していきます。
多肉植物用の土は、他の土とどう違うの?
まずは、多肉植物用の土の特徴、他の土との違いを知りましょう。
多肉植物専用の土の特徴
多肉植物を育てる土は、水はけ、通気性に優れ、土壌改良剤がほどよく混ざった土が適しています。そのため、多肉植物専用の土に入っている土は、水はけのよい「基本の土」と、通気性や保水性、保肥性をもつ「土壌改良用」の土を混ぜたものです。
基本の土には、赤玉土、鹿沼土、軽石、日向砂などがあります。土壌改良用の土は、腐葉土、バーミキュライト、ケイ酸塩白土、ピートモスなどです。メーカーによって、それぞれの土の組み合わせ、混ぜる割合が異なり、若干特徴も違ってきます。
園芸用や観葉植物用の土との違い
多肉植物専用の土と、園芸用、観葉植物用の土の違いは何なのでしょうか。
多肉植物専用の土と園芸用の土との違いは、「水はけがよいかどうか」です。園芸用の土は保水性に優れ、肥料成分が多めにふくまれています。多肉植物用の土は、水はけがよいのが特徴です。
多肉植物専用の土と観葉植物用の土とは「保水性」が違います。多肉植物用はメインの土に水はけのよいものが使われており、保水性は低いです。一方、観葉植物用の土は保水性がある程度あるものがメインに使われています。
また、見た目も異なります。多肉植物専用の土は小石のような粒状です。園芸用は、しっとりとしていて、ふかふかとした土、観葉植物はサラサラとした土に粒状の土が少し混ざったような見た目をしています。
ダイソーなどの100均にある土は使える?
100円均一などでも植物用の土を扱っています。お店によっては、多肉植物用の土を販売しているところもあるようです。多肉植物用なら問題なく使えます。また、100均で販売している園芸用の土や観葉植物用の土でも、多肉植物を育てることは可能です。ですが、これらの土は保水性が高いので、根腐れを起こす可能性があります。もし使う場合には、水はけをよくする土を混ぜるとよいでしょう。
園芸用の土を使う場合
「園芸用の土3:日向土4:軽石3」の配合にしましょう。
観葉植物用の土を使う場合
軽石、または日向土を全体の2〜3割、バーミキュライトを1割足して使ってください。
多肉植物用の土の選び方
ホームセンターに行くと、多肉植物用の土がたくさん売られています。「どれを選べばよいのかわからない…」という人に、選び方をご紹介しましょう。
用途によって使い分ける
多肉植物用の土には、「多肉植物用の土」「さし芽・種まき用の土」「鉢底石」の3種類があります。
ポット苗から鉢に移す場合や、植え替えには多肉植物用の土を、さし芽で増やすときにはさし芽・種まき用の土を、水はけが悪いときには鉢底石を使います。このように、用途によって土を選びましょう。
粒・重さ・肥料の有無をチェック
「粒のサイズが揃っている」「適度な重さがある」「ほぼ肥料が入っていない」土が多肉植物にとってよい土です。それらを確認しましょう。
また、パッケージに品質表示があることも絶対条件。品質表示には、「用途」「容量」「配合されている原料」「肥料の有無」が記載されています。品質表示があるかどうかもチェックしてください。
みじんが少ない
土の袋の底の部分を見てください。ここに、粉状の土が溜まっているものは選ばないようにしましょう。この土を使うと、通気性や排水性が悪くなり多肉植物の生育に影響を及ぼす可能性があります。もし、みじんが多い土を買った場合にはふるいでふるって使うようにするのをおすすめします。
多肉植物用の土を作ってみよう!
多肉植物用の土は、自分でブレンドして作ることができます。ここでは園芸用の土を使って多肉植物用の土を作る方法を紹介します。
◆材料や道具、準備するもの
・厚手のビニール袋(透明で15〜30L程度の大きさがおすすめ)
・スコップ
・ふるい
・土(園芸用の土3:日向土4:軽石3の割合)
◆作り方
【1】ビニール袋に、土を軽石、日向土、園芸用の土の順にスコップで入れます。このとき、土の重さが軽い順に入れるとうまく混ざります。
【2】ビニール袋に空気を入れてパンパンにふくらまし、口をひねって上下、左右に振りましょう。このときしっかり振って、中身がよく混ざるようにしてください。
【3】ビニール袋の中の土をふるいにかけ、みじんを取り除きます。
◆配合やブレンドの注意点
多肉植物を置く場所によって、土の配合を変えるのがおすすめです。乾燥しやすい場所なら腐葉土の割合を少し増やす、またバーミキュライトを加えて保水性を高めるとよいでしょう。湿気の多い場所なら、鹿沼土の割合を増やす、日向土を入れるなどして排水性をよくしてみてください。
また、新鮮な土を使うことで病害虫を防ぐことができます。できるだけ新しい土を使うようにしましょう。
土なし・土以外で多肉植物を育てる方法
多肉植物は土なしや、土以外でも育てることが可能です。室内に土を持ち込みたくない人にうってつけ! どんな育て方なのか、解説していきます。
ハイドロボール
1つ目は人工の土「ハイドロボール」使った方法です。
【1】底に穴が空いていない容器に、根腐れ防止剤、ハイドロボール、株の順に入れます。ハイドロボールを株元に入れて、株を支えるようにすると良いでしょう。
【2】鉢に1/5程度の水を入れます。
【3】夏場は鉢の中の水がなくなったら入れ、冬場は月に一度程度水やりします。日の当たる風通しのよい場所で管理しましょう。
【ポイント】
水耕栽培で発根させた多肉植物の苗を使ってください。土植えで育った多肉植物はハイドロボールでの栽培に向いていません。
水
2つ目は、水耕栽培で育てる方法です。
【1】苗の根についている土を落とし、水でやさしく洗い流します。
【2】根をしっかり乾かし、消毒済みのハサミで根を少し残す程度にカットします。
【3】底に穴が空いていない瓶などに水を入れ、苗をさします。水は根元がつかる程度入れてください。また、液肥を適量入れるとよいでしょう。
【4】水換えは週に1回行います。日の当たる風通しのよい場所で管理しましょう。
【ポイント】
水は根が全部つからないようにしてください。根が窒息する恐れがあります。
空気
土なしでも育てられる多肉植物があります。それは、パイナップル科チランジア属の植物で、一般的には「エアプランツ」と呼ばれている植物です。パイナップル科チランジア属の多肉植物には、「キセログラフィカ」や「ウスネオイデス」「ストレプトフィラ」などがあります。
【ポイント】
空気中の水分で育てることができますが、霧吹きなどで定期的な水やりが必要です。
多肉植物用の土のおすすめ
多肉植物用のおすすめの土をご紹介。どれも通販で購入できます。
自然応用科学の「多肉植物を楽しむ培養土 2L」
多肉植物を育てるのに適した通気性、水はけに優れた専用土。酸素粒剤入りで根の生育を助けます。
プロトリーフの「培養土 室内向け観葉・多肉の土 4号鉢用」
粒状なので手が汚れにくくてお掃除も楽々。濡れると色が変わるので水やりのタイミングがわかりやすい土です。また、堆肥を使っていないので虫がよりつきにくいのもポイント。
花ごころの「多肉植物&ミニ観葉の土 1L」
水の腐敗を防ぐゼオライトを配合しているのが特徴。排水性が良く、根腐れを防止します。
ハイポネックスの「観葉植物用培養土 お家の中でも清潔なサボテン・多肉・観葉植物の土 1L」
排水性のよい軽石をメインに使っているので、水やりの失敗がなく、水やり後の鉢底から出る水もきれいなのが特徴。虫が寄り付きにくく、お家の中でも安心して使えます。
創和リサイクルの「かたまるくん 300ml 多肉植物やサボテン向け」
ハイドロボールで育てたい方におすすめのセラミック用土です。表面に水を霧吹きでかけると、乾燥後かたまるので土がこぼれないのが特徴。部屋を汚さずに済みます。
多肉植物は水はけのよい土で育てよう!
多肉植物を健康に育てるには、水はけのよい土を選ぶことが大切。市販の多肉植物用の土なら排水性に優れ、すぐに使えて便利です。自分で土づくりからやってみたいという人は、「水はけ」「配合」に注意してつくってみてくださいね。
文・構成/HugKum編集部