【汐見稔幸さんが語る】子どもの伸ばし方・非認知スキルのはぐくみ方。オンラインセミナーも!

世の中の変化に伴って、幼稚園や保育園が目指す保育の形も少しずつ、時には大きく変化していきます。今、これからの保育として注目されているのはどんな考え方なのでしょうか。NHKの「すくすく子育て」をはじめ、さまざまな雑誌やメディアなどでもお馴染みの汐見稔幸先生が、幼稚園や保育園の先生に語る、「子ども」への関わり方をご紹介します。また、汐見先生の「子ども理解」をテーマにしたオンラインセミナーのご案内も。入園を控えているお子さんをお持ちのパパ&ママは、我が子の園生活の始まりに備えてご覧になることをおすすめします!

子どもの現場を見続けてきた汐見稔幸先生が語る「子ども」を理解するための4つの視点

 

汐見稔幸(しおみ としゆき)

東京大学名誉教授・白梅学園大学名誉学長・日本保育学会理事(前会長)・全国保育士養成協議会会長、一般社団法人家族・保育デザイン研究所理事。『エデュカーレ』編集長。専門は教育学、教育人間学、保育学、育児学。著書に『さあ、子どもたちの「未来」を話しませんか』(小学館)、『これからのこども・子育て支援』(風鳴舎)、『教えから学びへ; 教育にとって一番大切なこと』(河出新書)など多数。

1 子どもは10人いたら10とおり

一律にみんなで「頑張ろう!」と何かをしようとした時に、石橋を叩いて慎重な子もいれば、すたすたと走っていく子もいる。また、石橋を見ただけで、ぷいっと後ろを向いて渡らない子もいる。子どもは10人いたら10タイプの子がいます。つまりそれは、10とおりの伸び方・育て方があるということでもあります。

大人の一方的な価値判断で「あの子は“いい子”、この子は“だめな子”」としてしまっては、今、価値観が多様化する中で活躍しているような、いろんなタイプの面白い仕事をする人となり得る子が伸びなくなってしまいます。

ひとり一人の子どもに目を向けて、この子は何が好きで、どんなことがあまり得意ではないのか、どういったところが面白いところなのかなど特性をわかった上で、ふさわしい対応をすれば、子どもはもっと伸びるはずです。

2 「しっかり生きる」をサポートするのは非認知的スキル

近年、さまざまな研究結果などから、乳幼児期に大人に指示されたことをよくやっていた人よりも、好きに遊んだ経験を多く持つ人の方が、たくましい心を持ち、困難があっても乗り越えてしっかり生きていることが分かってきました。また、しっかり生きる人というのは非認知的スキルが豊かに育った人、つまり、レジリエンス(自己肯定感・自己効力感)が高く、アイデアを生み出す力や、高い危機管理能力、失敗してもへこたれない力や情動を自分でコントロールする力を持っている人だということもわかってきました。

非認知的スキルはプロセスの中で育つ

非認知的スキルを育むためには、「できる」「できない」という結果よりも、それに挑むときのプロセス、つまり、その子のやり方がどれだけ面白いものか、その子らしいものかということに目を向けることの方が大切です。

なかなかうまくいかないけれど、次はどうしようかと自分で考え、ああやってみたり、こうやってみたり、失敗があって工夫があって…と活動のプロセスが充実していて、そこでいろいろなことを経験しているな、大事なことを学んでいるな、という方があとに残る。そうして残るものが非認知スキルを育む糧となっていく。

そう考えると、失敗をさせないために助けてあげようというのは、実はその子のためにならない。失敗をショートカットした「できた!」は、失敗を乗り越えた「できた!」で得られるはずのスキルを奪ってしまっているとさえ言えるかもしれません。

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3 子どもを「under-stand」する

この場面では、黙って見守るのが良いいいのか、「うしろで見ているからね」と声をかけるのが良いのか、「一緒にやってみようよ」としたほうが良いのか…。子どもの活動のプロセスを充実させるために、やりとりの中で求めているものに応答しながら、その子の“伸び型”を見つけていくこと、また、これまでにあった「できないことをできるようにしてあげる」という意識ではなく、子どもを“下から(under-)、支える(-stand)=理解する(under-stand)”という意識を持つことが、これからの保育・子育てで大事なことの一つなのではないでしょうか。

4 「子どもって面白い」と思える余裕をもって向き合おう

「この子のことはよくわかっている」

「この子のことがまだわからない」

一見すると前者の方が、素晴らしい保育をしている保育者に見えるかもしれません。けれども、実は保育・子育ては突き詰めれば突き詰めるほど、考えれば考えるほど「子どもってわからない」と感じるものなのではないかと思います。

「わからないけれど、子どもって面白い」と、そんな風に思える余裕を持って、子どもと向き合えたらよいですね。

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 汐見稔幸先生のオンライン講座が開かれます。第1回は3/18日。テーマは「子ども理解」

 

テーマ】「キーワードから探る保育の奥深さ」(オンライン講座)

汐見稔幸先生による月1回のオンライン講座です。「子ども理解」「環境」「主体性」など各回ごとのキーワードを入り口に、汐見先生の講義+聞き手役との対話を組み合わせて、保育者として理解しておきたい保育の根本を探ります。保育園・幼稚園に通うお子さんをおもちの保護者の方にもおすすめです。

【講師】汐見稔幸先生(東京大学名誉教授)

毎月第3金曜日19:00~20:30

第1回/2022年3月18日(金)「子ども理解」

第2回/2022年4月15日(金)「環境」

第3回/2022年5月20日(金)「主体性」

 ↓↓↓詳細・お申し込みはこちらから

https://kyoiku.sho.jp/senseiseminar/#siomi

 

構成/小野寺裕美 写真/繁延あづさ

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