目次
だし汁とは?
だし汁とは鰹節や昆布、煮干しなどを煮て抽出した旨味成分のことをいい、料理の味付けのベースになるもの。一口に「だし汁」といっても、様々な種類があります。まずは代表的なだし汁の種類や特徴、保存期間などをみていきましょう。
だし汁の種類
・かつおだし
「かつおだし」は、かつお節でとっただしのことをいいます。主な旨味成分はイノシン酸。豊かな風味と上品な香りが特徴で、お吸い物など、だしが主役の料理によく合います。
・昆布だし
昆布から抽出しただしが「昆布だし」です。主な旨味成分はグルタミン酸。「かつおだし」よりも控えめで上品な旨味が特徴です。肉や魚の煮物、湯豆腐や鍋など、どんな食材にも合う万能なだし汁でしょう。
・煮干しだし
煮干しでとっただしが「煮干しだし」。魚介特有の風味と濃厚な味わいが特徴です。旨味成分は、イノシン酸を多く含みます。「煮干しだし」は味が濃く、野菜や味噌との相性もバッチリ。味噌汁や煮物はもちろんのこと、ラーメンやうどんのだしにも適しています。
・合わせだし
複数の具材を合わせて作ったものが「合わせだし」。一般的に「かつお × 昆布」のものが多いでしょう。それぞれの異なる旨味成分を合わせることで、より味わい深いだし汁になります。
「一番だし」「二番だし」ってなに?
よく「一番だし」「二番だし」といいますが、どんなだしのことをいうのでしょうか?
簡単にいうと「一番だし」は、最初にとっただしのこと。「二番だし」は、「一番だし」でとったかつお節や昆布などの出し殻を再利用して作っただし汁のことをいいます。
「一番だし」は香りが良く上品な味わい。お吸い物や茶碗など、素材の味を生かした薄い味付けの料理に用いられます。一方で「二番だし」は、香りは弱くなりますが味わいが濃いのが特徴。味噌汁やおでん、煮物などの濃い味付けにも負けません。
だし汁の保存期間は?
だし汁は自分でとることが多いため、保存できる期限がわかりにくいですよね。だし汁の保存期間の目安は冷蔵保存で2~3日間。冷凍保存で約1か月間です。だし汁には多く種類がありますが、保存方法や保存期間は同じと考えて良いでしょう。
だし汁の保存で注意するポイントは?
だし汁を保存するにあたって、注意するポイントを押さえておきましょう。
・常温保存はNG
作っただし汁を常温で保存するのはNG。だし汁は傷みやすい食材です。特に夏場などの気温が高い時期には、作っただし汁は粗熱がとれたらすぐに冷蔵、もしくは冷凍保存しましょう。
・つぎ足して保存するのは避ける
すでに保存してあるだし汁に、さらに作っただし汁をつぎ足すのは避けましょう。風味が落ち、劣化する原因になります。
だし汁の冷蔵保存方法
数日でだし汁を使い切ることができる場合は、冷蔵保存がおすすめです。
準備するもの
- だし汁
- 密閉できる保存容器
手順
1、作っただし汁は粗熱をとります。
2、密閉できる保存容器に入れ、冷蔵庫で保存しましょう。
保存期間
2~3日で消費するのが理想的です。
だし汁の冷凍保存方法
一度にたくさん作り置きしたい場合は、冷凍保存するのがおすすめ。また、離乳食など、少量ずつだし汁を使いたい場合は、製氷皿を使って冷凍しておくと便利です。
準備するもの
- だし汁
- 密閉できる保存容器や製氷皿
- 金属製のトレー
手順
1、だし汁の粗熱がとれたら、密閉できる保存容器に入れます。
2、金属製のトレーにのせて保存すると急速冷凍することができ、風味を逃しにくくなります。
保存期間
約1か月間の保存が可能です。
解凍方法
だし汁を使う前の日に、冷蔵庫に移して冷蔵解凍します。解凍を急ぐ場合は、流水解凍や電子レンジで解凍することができます。
だし汁の保存におすすめの容器
・ポットタイプ
冷蔵保存におすすめの保存容器は注ぎやすいポットタイプのもの。密閉できるため液漏れの心配がなく、冷蔵庫のドアポケットにもスッキリ収納することができます。
・フタつき製氷皿
小分けして冷凍保存する場合は、フタ付きの製氷皿があると便利です。
・おしゃれな保存容器
ガラスでできたお洒落な保存容器を使うと、冷蔵庫内の見栄えがよくなります。
基本的な合わせだし汁の作り方
和食で一番よく使われる、昆布とかつお節の合わせだしの作り方をみていきましょう。
材料【1リットル分】
- 水… 1リットル
- 昆布… 約10g
- かつお節… ひと掴み
作り方
1、軽く濡らしたキッチンペーパーで、昆布の表面を軽く拭きます。
2、鍋に水と1の昆布を入れ、しばらく置いておきます。
3、2の鍋を弱火にかけ、沸騰する直前に昆布を取り出しましょう。
4、沸騰したら火を止め、かつお節を入れます。
5、かつお節が鍋底に沈んだら、ザルでこします。
簡単! 水出しだし汁の作り方
だし汁を煮ないで作る方法をご紹介します。水に具材を浸し、冷蔵庫で寝かせるだけ。かつお節、昆布、煮干し、お好みの具材で作ることができます。
材料
- 水… 1リットル
- お好みの具材(かつお節 or 昆布 or 煮干し or 合わせたもの)… 約20g
作り方
1、保存容器に水、お好みの具材を入れます。
2、冷蔵庫に入れ、10時間以上寝かせれば完成です。
水出しだし汁の使い方
具材を取り出し、鍋に入れて火にかければOKです。1~2日で使い切るようにしましょう。
自家製だしパックの作り方
最近では便利なだしパックが人気ですが、ご家庭でも簡単にだしパックを作ることができます。
材料【1リットル分×5個】
- 昆布… 10g
- かつお節… 30g
- 干し椎茸… 10g
- お茶パック… 5個
作り方
1、昆布はキッチンバサミで2~3ミリ角にカットします。
2、干し椎茸は手で、なるべく細かく裂いておきましょう。
3、ポリ袋にかつお節、裂いた干し椎茸を入れ、細かくなるようによく揉みます。
4、お茶パックに均等に入れて完成です。
保存方法
保存容器に入れて冷蔵保存もしくは、冷凍保存しましょう。
保存期間は、冷蔵保存で3週~1か月間。冷凍保存で約2か月間保存することができます。
自家製だしパックの使い方
1、鍋に水とだしパックを入れて火にかけます。
2、沸騰したら弱火にして5分程度、煮出したら完成です。
だし汁は作り置きして、冷蔵・冷凍保存が便利
和食には欠かせない、だし汁の保存方法を紹介しました。毎回作るのは大変なだし汁も、たくさん作って保存することで便利なものになります。せっかく丁寧にとっただし汁は、上手に保存して最後まで美味しく使い切りたいですね。
構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)