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カレーのとろみ、なぜ重要?
カレーのとろみには、さまざまな具材をひとつにまとめる役割があります。また、とろみがあれば、ごはんに絡めて食べやすくなりますし、食べたときに満足感もありますよね。これらの理由から、カレーにとろみがあったほうがおいしく感じるのです。
カレーにとろみがつく理由
カレーのとろみは「でんぷん」によるものです。材料にふくまれたでんぷんに、60〜65℃以上の熱を一定時間加えると、のりのように変化します。それがとろみになります。
でんぷんがふくまれている材料には、ルウにふくまれた小麦粉や、じゃがいもなどがあります。
カレーのとろみはどれくらいがいい?
カレーのとろみは好みにもよりますが、お玉ですくって落としたときに、ゆっくり落ちる程度がよいでしょう。ぼてっと落ちる程度だと、ドライカレーやキーマカレーのようなかたさになります。反対にサラサラだと、スープカレーやスパイスカレーのようになります。
カレーにとろみがつかない原因
「カレーにとろみがつかない……」ということはありませんか?それには次のような原因が考えられます。
火を止めずにルーを入れている
鍋の中がぐつぐつに沸騰している状態のところにルウを加えていませんか? 沸騰しているタイミングでルウを入れると、ルウがダマになってきちんと溶けず、とろみがつかないことがあります。
アミラーゼの影響
アミラーゼという酵素には、とろみの素となるでんぷんを分解する作用があり、この影響でとろみがつかなくなることがあります。アミラーゼをふくむ食品は、カレーの隠し味で入れがちなはちみつや味噌などです。また、人の唾液にもふくまれているので、お玉で味見をして、そのお玉を鍋に戻したりしないようにしましょう。
水分量が多い食材を使っている
トマトや大根、新玉ねぎ、白菜、冷凍のシーフードミックスなど、水分量が多い食材を使っていませんか。これらの食材をたくさん使うと、加熱しても水分量がなかなか減らず、とろみがつかないことがあります。煮込むときの水の量を加減して調理しましょう。
煮込み時間が短い
ルウを入れてから、煮込み時間が短いと、とろみがつかないことがあります。これは、ルウに熱が加わっていないため。ルウのパッケージに表示されている煮込み時間を守るようにしてくださいね。
煮込むときにふたをしている
ふたをしたまま煮込むと、なかなか水分が蒸発せず、とろみがつきません。野菜を煮込むときにはふたをすると早く煮ることができますが、ルウを入れたらふたをせず、水分を飛ばすようにして煮込むのがおすすめです。
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(1)小麦粉を加えて煮込む
小麦粉を同量の水で溶いた「水溶き小麦粉」を用意しましょう。カレーをぐつぐつと沸騰させ、そこに少しずつ水溶き小麦粉を加えていきます。混ぜながら弱火で5〜10分煮込んでみてください。
(2)片栗粉でもOK
片栗粉でもとろみをつけることができます。やり方は、小麦粉と同じです。片栗粉を同量の水で溶いた「水溶き片栗粉」を用意し、沸騰したカレーのなかに少しずつ加えます。混ぜながら弱火で5〜10分煮込むととろみがつきます。
(3)米粉なら粉っぽくならない
小麦粉や片栗粉と同様に、米粉でもとろみをつけられます。やり方も同じで、米粉を同量の水で溶き、少しずつ加えて加熱します。米粉は、小麦粉や片栗粉にくらべて粉っぽくならないのがメリットです。
(4)ピザ用チーズならとろみとコクがつけられる
ピザ用チーズなどの溶けるチーズをカレーに入れるととろみをつけることができます。また、コクも加わるのでおいしさもアップ!ただし、チーズは塩分が多いので味を整えるときの塩加減に注意してください。
(5)はちみつを加える
はちみつは、アミラーゼのはたらきでとろみがつきにくいと前述しましたが、アミラーゼのはたらきを抑えればとろみをつけることができます。その方法は、はちみつを入れたあとにルウを入れ、75℃以上で煮込むこと。とろみがつき、はちみつの甘さがスパイスを引き立てます。
(6)すりおろしたじゃがいもをイン
じゃがいもにはでんぷんが多くふくまれているので、とろみになります。やり方は、すりおろしたじゃがいもを、鍋の火を止めて汁ごと加えます。再び弱火で10分以上混ぜながら煮込んでいきましょう。じゃがいもの量は様子を見ながら加減してください。
(7)スパイスの「コリンアンダー」を使う
カレーに欠かせないスパイスの一つ「コリアンダー」。これには、カレーにとろみをつける役割があります。というのも、コリアンダーにはでんぷんが15%もふくまれているため。コリアンダーを入れるタミングは、野菜を炒めたあと。小さじ1程度入れて軽く炒めてください。その後煮込んでいくととろみがつきます。
(8)ヨーグルトでもとろみがつく
ヨーグルトでもとろみをつけることができますが、気をつけたいのが水分量です。通常のヨーグルトだと水分量が多いので、水切りヨーグルトやギリシャヨーグルトなど、水分量の少ないヨーグルトを使いましょう。カレーにスプーン1杯程度のヨーグルトを入れ、10分程度煮込んでみてください。
調味料以外にもある!カレーにとろみをつける方法とコツ、注意点
調味料や食材を使わず、調理法でとろみをつける方法もあります。
(9)弱火で煮込む
ルウを溶かしたあと、弱火で10分以上煮込みましょう。このとき、ときどきかき混ぜるようにしてください。そうすると徐々にとろみがついていきます。もし、水分量が多い場合には煮込む時間を長くして水分を蒸発するか、ルウの量を増やしましょう。
(10)玉ねぎをしっかり炒め水分を飛ばす
カレーを作るときに、「飴色になるまで玉ねぎを炒める」というのを聞いたことはありませんか。これは、味に深みやコクを出すだけでなく、とろみをつけるためでもあるんです。
飴色になるまで炒めた玉ねぎは、水分量が少ない状態です。その玉ねぎに水やほかの野菜の水分を加えると、玉ねぎが水分を吸収し、とろみとなります。
(11)油分の量を増やす
実は、カレーのとろみは油分も影響しています。油分には、肉や魚にふくまれる脂質や、具材を炒めるときの油などがありますが、これらが少ないととろみがつきにくくなるのです。
豚モモ肉、ささみやレバー、鶏胸肉、魚などは脂質が少ない具材を使う場合には、油分を少量足すようにしましょう。また、ココナッツミルクや生クリームなどで脂質の量を増やすのもおすすめです。自然なとろみ、やさしい味わいも楽しめますよ。
スパイスカレーにとろみをつけるには?
本格的なスパイスカレーのほとんどは、サラサラとした状態のものが多いです。その状態ですでに料理として完成しているので、とろみをつけるのはあまりおすすめできません。
水分を飛ばすにもコツが必要
どうしてもとろみをつけたいというのであれば、水分を飛ばすのがよいでしょう。野菜はペースト状にしてしっかり炒める、水は加えず野菜の水分で煮込む、最終的にしっかり煮詰めるなどをすると、濃度のあるとろりとしたカレーになります。ただし、水分を飛ばすことで味が濃くなることもあるので注意してください。
とろみのあるおいしいカレーを作ろう
カレーは、とろみによっておいしさがアップしますよね。そもそも、分量に対してルウが足りないこともあります。もしも、分量通りルウを入れてもとろみがつかない場合は、この記事でご紹介したとろみのつけ方も試してみてくださいね。
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文・構成/HugKum編集部