夏の思い出「花火」を描くなら、「はじき絵」で
夏の思い出に花火を描くならば、絵の具とクレヨンを使った「はじき絵」がおすすめです。
用意するもの
- ・クレヨン
- ・水彩絵の具セット
- ・画用紙
手順
- 画用紙に好きな色のクレヨンで花火を描きます
- 濃い色の絵の具で画用紙全体を塗ります
とても簡単に、夜に咲く美しい花火の絵の完成です。
この仕組みですが、油は水を弾きますよね? 油の成分が入っているクレヨンは上から水彩絵の具を塗っても、描いた部分だけ絵の具を弾きます。そうして、クレヨンで描いた筆記線を活かすことができるというわけです。
花火以外にも例えば、クレヨンで描いた魚の上から青い絵の具を塗れば、海の中で魚たちが楽しく過ごす世界を表現することができます。他にもどんな絵を描くと楽しいか、お子さんと一緒に探してみてください。
削るのがやめられない!「スクラッチアート」をもっと手軽に
カラフルなクレヨンを塗った上から黒いクレヨンを塗り、竹串などでひっかくことでカラフルな色が出てくる「スクラッチアート」。これ、とっても楽しいのですが、思う以上に準備が大変なんですよね? 最近は袋を開けたらすぐに使える用紙も販売されているようですが、コスパを考えると……。
そこで、大変な作業を軽減できる方法を教わってきました。
用意するもの
- ・クレヨン
- ・画用紙
- ・黒のアクリルガッシュ
- ・筆
- ・竹串やヘラなど、削り取ることができる道具
手順(※今回は時間の関係で画用紙の一部のみに塗っています)
- さまざまな色のクレヨンを使って画用紙をすき間なく塗りつぶします。
- クレヨンを塗った上からアクリルガッシュを塗っていきます。
3.塗り終わったら、竹串やヘラなどを使ってスクラッチスタートです。
(アクリルガッシュが乾く前でも、もちろん乾いた後でも楽しめます)
アクリルガッシュは、水彩絵の具と異なりクレヨンの上に重ねて塗ることができます。かつ、不透明なので塗った下のものを隠すことができます。そのため、黒いクレヨンを塗った時の代わりをしてくれるのです。塗るときには広めの平筆やローラーがあると作業がしやすいですよ。
きれいに作るポイントは、クレヨンでしっかりと画用紙を塗りつぶすこと。クレヨンの上に塗ったアクリルガッシュは削り取ることができますが、画用紙に直接塗った部分はアクリルガッシュと画用紙がピッタリとくっついている為削り取ることができません。画用紙の凸凹をクレヨンでしっかりと隠すくらいたっぷりと塗りましょう。
黒いクレヨンで塗り重ねる手間を軽減してくれるアクリルガッシュを使ったスクラッチアート。準備をする時には多めに作っておくといいかもしれませんね!
最後に注意すべき点があります。アクリルガッシュは乾くと耐水性を発揮しますの。机についた場合、乾燥する前にきれいに拭き取りましょう。また、筆やローラーもしっかりと洗いましょうね。
画用紙豆知識
画用紙におもてと裏があるのはご存知でしたか?
画用紙を触ると、ザラザラした面とツルツルした面があることに気付くのではないでしょうか? ツルツルしている方が描きやすいのでは?と考えがちですが、実はザラザラした面がおもてなのです。
ザラザラは表面が凸凹していることから生まれた感触なのですが、画材によって塗りやすさや発色が異なるのです。
固形描画材(クレヨン・パスなど)
いろいろな紙を用意して、ぺんてるが作っている4種類の画材で描いてみました。
紙は上から
- ・コピー用紙
- ・ケント紙
- ・高級画用紙
- ・一般的な画用紙
- ・コート紙(表面がツルツルしている)
の5種類
画材は左から
- ・(全芯)色鉛筆「パスティック」
- ・コンテ・パステル「ぺんてるパステル」(デッサン・クロッキー・コンテ画用)
- ・パス「ぺんてるパッセル」
- ・クレヨン「ずこうクレヨン」
- です。
画用紙に塗っている時には紙に多少の引っ掛かりを感じ、しっかりと画材を受け止めてくれる感覚がありました。並べてみると画用紙の発色の良さがわかりますね。
絵の具(水彩絵の具、アクリルガッシュなど)
今度は先ほどと同じ紙に、ぺんてるが作っている3種類の絵の具で描いてみました。
画材は左から
- ・アクリルガッシュ
- ・ポスターカラー
- ・水彩絵の具「エフ水彩」
です。
水を加えず、チューブから絞り出したままの状態で塗っています。すると画用紙ではどの絵の具でもかすれたようになってしまいました。これは、筆についている絵の具を画用紙表面の凸凹が奪いとってしまうからなのです。
そこでぺんてるでは、紙に凸凹があっても気持ち良く描けるように、より多くの絵の具を含むことができる筆の研究をし続けていると教えていただきました。こんなに細かなところにまで使いやすさを追求するなんて! 開発者の方々の努力の結晶がこのように家庭に届くのですね。
もちろん、かすれ気味になってしまった画用紙に塗る際には、水を適量加えると滑らかに塗ることができました。
いろんな画材・いろんな特徴
同じ「クレヨンの上に塗る」でも、水彩絵の具は弾かれ、アクリルガッシュは弾かれずに描くことができました。画材のことを知ると、もっとお絵かきが好きになりそうですね!
ぜひ親子で楽しいお絵描きタイムを過ごしてくださいね。
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文・構成/ふじいなおみ