危ないのは魚だけじゃない! 海洋プラスチックの現状
第1部のテーマは「東京湾の海とおさかな」。さかなクンが、東京湾に住む魚の現状や海の大切さを得意のイラストを交えながら話してくれました。
「イワシちゃんがプランクトンを食べていると…なんか、いま違和感が! そうなんです、マイクロプラスチックちゃんがお腹に入っちゃうんですねー」とさかなクン。
魚がプラスチックを食べても吐き出せず、お腹にたまって弱って死んでしまう、そういう魚を大きな魚も食べていく…という海洋ごみ問題について、子どもにわかりやすく教えてくれました。めぐりめぐって、人間の体の中からもマイクロプラスチックが見つかっているのだそうです。
また、2022年4月施行の「プラスチック資源循環促進法」によって、プラスチックの捨て方も変わってきているのだとか!
いままでは、「プラ」と書かれた識別表示マークのある容器包装しか回収せず、それ以外のプラスチックは燃えるごみ等と一緒に処理されていました。それが、この法律によって、包装容器以外でもリサイクルできることに。
各市町村が、順次ごみルールを変えているところなのだと教えてくれました。
プラギョミさんは悪くない。 再利用が実現化へ
第2部では、「さかなクンと考える プラギョミさんとリサイクル」と題して、いろんな人を招いて目からウロコのゴミの資源化のお話をしてくれました。
「プラギョミさん」は、海洋ゴミとして出てきたプラスチックをキャラクター化したもの。
もともとゴミとして生まれたわけじゃないから、悪者扱いしないでリユースしてあげて、という気持ちを込めて、親しみの持てるキャラクターにしたそうです。
どうしたらプラごみを減らせるのだろう? と子どもたちと考えていく内容で、原宿でごみ拾いをしているNPO法人グリーンバードの福田圭祐さんが登壇。
福田さんは「街中にごみを捨てにくい空気を作る」ことが大事だと言います。目立つビブスをつけて、ごみをきれいにしている人がいるという街の雰囲気を出すことや、海のごみに新しい価値をつけようとアップサイクルの活動も始めたといいます。海のごみで作られたプラモデルには、子どもたちも興味津々でした。
生まれ変わったおしゃれなカメのプラモデルに感心するさかなクン
ごみが石油になる機械の開発で明るい未来も
また、次に登壇したワンワールド・ジャパンの遠山紘輝さんは、なんと海洋プラごみから石油を作る機械「URBANRIG(アーバンリグ)」について教えてくれました。ごみから再生エネルギーができるなんて、画期的!
実は海洋ごみにはいろいろな物が混ざっていて、分別するのが大変なのですが、この機械は分別不要でそのまま投入すれば、燃えるごみは炭に、有機物は油に変えてくれるものです。
映画『バックトゥーザフューチャー』で空飛ぶ車のデロリアンはゴミを燃料にして走っていましたが、それが夢ではなくなるかもしれませんね。
「おうちに帰ったら、プラスチックって石油になるらしいよ、もうかるらしいよって伝えてくださいね」と、子どもたちを沸かせていました。
2050年には海洋中のプラスチックごみの重量が、魚の重量を超えるといわれています。でもこの最先端のお話を聞くと、ごみの処理も新時代を迎えているよう。子どもたちにも、自分たちでできることは何か、考えるきっかけになってくれたらいいですね。
最後はみんなで記念写真!
文・構成/日下淳子
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