まもなく旬! ヤリイカはどう食べる? 下処理や保存方法、簡単レシピを紹介

上品な甘みと柔らかな歯応えで高級品として知られるヤリイカ。これから旬をむかえるヤリイカは、様々な調理方法で楽しみたいもの。
そこで今回は、ヤリイカについてです。ヤリイカを美味しく食べるために、下処理の方法や保存方法、ヤリイカを使ったおすすめのレシピなどを紹介していきます。

ヤリイカとは?

ヤリイカは、北海道から九州の日本海沿岸、さらにインドネシアにかけて分布する、頭足綱ヤリイカ科のイカです。漢字表記は「槍烏賊」。細く尖った姿形が槍の穂に似ていることから、由来するといわれています。胴体の部分の長さは、雄が30~40cm、雌は20~25cmくらい。雄よりも雌のほうがふっくらしているのが特徴です。

ヤリイカは、あっさりとした甘さの上品な味わいで、食感も程よい柔らかさ。お刺身はもちろん、煮付けや炒め物にしても美味しいイカです。

ヤリイカの旬は?

ヤリイカの旬は年に2回あります。まず1月~3月の冬から初春にかけてです。この時期のヤリイカは、繁殖期のため雌は子持ちの場合も。卵がたくさん詰まったヤリイカは、子持ちヤリイカとして人気です。

そして夏から初秋にかけてです。この時期は、小ぶりなヤリイカが水揚げされます。小さいサイズのヤリイカもまた絶品。そのサイズを生かした、姿焼きなどにして楽しむことができます。

ヤリイカとケンサキイカの違いは?

ヤリイカと姿形が似ている「ケンサキイカ」。一見、見分けるのは難しいですが、違いはあります。まず胴体部分は、ヤリイカよりもケンサキイカのほうが太いこと。次にヤリイカは槍のように細いということがあげられます。

そして、イカの腕のような部位である触腕の長さの違いです。ヤリイカの触腕は胴体部分よりも短いのが特徴。それに対してケンサキイカは、胴体部分より触腕が長いという違いがあります。

また、ヤリイカはあっさりとした甘さですが、ケンサキイカは濃厚な甘さが特徴。ケンサキイカもヤリイカ同様、刺身や煮付け、炒め物など、幅広い料理で楽しむことができます。

ケンサキイカ

美味しいヤリイカの見分け方は?

ヤリイカの鮮度を見極めるのには色を見ると良いでしょう。ヤリイカは時間が経つにつれ、透明感のある鮮やかな赤色から、徐々に透明感が消えて、白っぽくなっていきます。そのためヤリイカを刺身など生で食べる場合は、透明感のある鮮やかな赤色をしたヤリイカを選ぶのがおすすめです。

ヤリイカの下処理方法

ヤリイカはそのまま調理する場合もありますが、料理によっては下処理が必要な場合も。難しいと思われがちなヤリイカの下処理ですが、意外と簡単。一緒にみていきましょう。

1:胴体と足を離す

1、ヤリイカを水で洗います。

2、ヤリイカの胴の内側に指を入れ、胴と内臓がつながっているところを指で剥がします。

3、片方の手で胴部分を持ち、もう片方の手で足の部分を持ちます。そしてゆっくりと引っ張ります。

4、これで胴体と足に分けることができました。

2:軟骨と内臓をとる

1、切り離した胴体の内側に透明な軟骨があるのでそれを指で取り除きます。

2、足の部分についている目の下に包丁を入れ、目を切り離します。

3、切り口を絞るようにすると、クチバシが出てくるので取り除きましょう。

4、胴と足を流水で洗い流し、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。

3:エンペラをとり、皮を剥ぐ

1、エンペラをとります。

2、胴体部分とエンペラの皮を剥いで、下処理終了です。

ヤリイカの保存方法は?

ヤリイカを保存する場合は、冷蔵保存か冷凍保存のどちらか。基本的にどちらも下処理を行ってから保存します。すぐに食べる予定のものは冷蔵保存、3日以上保存したい場合は、冷凍保存がおすすめです。ヤリイカの冷蔵、冷凍保存の方法をみていきましょう。

冷蔵保存

1、下処理したヤリイカはキッチンパーパーで水分を拭き取ります。

2、部位別、もしくは食べやすいようにカットしたものをラップで包み、さらにフリーザーバッグに入れて冷蔵庫で保存しましょう。

・保存期間

保存期間は2~3日。刺身で食べる場合は、冷蔵保存した翌日には食べるようにしてください。

冷凍保存

下処理をし、キッチンペーパーで水分を拭き取ったヤリイカは、部位別にラップで包みます。フリーザーバックに入れて、袋内の空気をなるべく抜き、冷凍庫に入れましょう。

・保存期間

冷凍保存すると約1か月に保存が可能です。

・解凍方法

凍らせたヤリイカは使う前日に冷蔵庫に移して、ゆっくり冷蔵解凍しましょう。また流水解凍でもOKです。どちらも完全に解凍してしまうと、生臭さが出てきやすくなるため、半解凍くらいにします。

冷凍、解凍したヤリイカは、加熱調理するようにしてください。

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ヤリイカのおすすめレシピ

ヤリイカは和食や中華料理、イタリアンなど様々な料理に大活躍する食材です。また新鮮なヤリイカが手に入った場合は、生で食べるのもおすすめ。ヤリイカを使ったおすすめレシピをご紹介します。

ヤリイカのサラダ

【材料】
・ヤリイカ… 1杯
・水菜… 2~3束
・プチトマト… 5個
・たまねぎ… 1/4個
・イタリアンドレッシング(お好みのドレッシング)… 適量

【作り方】

1、水菜とプチトマトは食べやすい大きさにカット。

2、玉ねぎは薄くスライスし、しばらく水に浸して、水気をとっておきましょう。

3、下処理をしたヤリイカは食べやすい大きさにカットします。

4、3をザルに入れ、熱湯をかけ、湯通しします。

5、器に野菜と湯通ししたヤリイカを盛り付け、イタリアンドレッシングなどお好みのドレッシングをかけて完成です。

ヤリイカとキャベツのペペロンチーノ風パスタ

【材料(2~3人分)】
・ヤリイカ… 小1杯
・キャベツ… 4~5枚
・パスタ… 200g
・にんにく… 1片
・オリーブオイル… 大さじ2
・赤唐辛子… 1本

【作り方】

1、キャベツは食べやすい大きさにカットし、にんにくはみじん切りにしておきます。

2、鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩を入れてパスタを茹でます。

3、下処理したヤリイカはお好みの大きさにカットして、軽く塩コショウしておきます。

4、フライパンにオリーブオイル、にんにく、赤唐辛子を入れ、火にかけオイルに香りをつけます。

5、4にヤリイカとキャベツを入れ炒めます。

6、ある程度火が通ったら、パスタの茹で汁とパスタを入れ混ぜ合わせて、できあがりです。

旬のヤリイカを美味しく食べよう

今回はヤリイカの下処理や保存方法、おすすめレシピをご紹介しました。面倒だと思われがちなヤリイカの下処理も、実際やってみると簡単。やったことがないという方も挑戦してみてください。下処理方法を一度覚えてしまえば、丸ごとのヤリイカも臆することなく購入でき、様々な料理で使うことができるでしょう。

これから旬を迎えるヤリイカ。美味しい時期に余すことなく楽しみたいものですね。

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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)

 

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