二語文はいつ話すようになる? なかなか話さない場合の対処法も解説

子どもが二語文を発し始める時期は、平均して2〜3歳です。この時期に二語文を口にするようになると順調な成長を確認できて、親としても安心できるでしょう。
今回は「二語文とは何か」「時期がきても話さない時はどうすればよいか」について解説します。

二語文とは

二語文とは、2つの単語を組み合わせた文を指します。例えば「ジュース  のむ」のように、名詞と意味のある言葉の組み合わせで、相手に希望を伝えようとする時に子どもが用います。

「名詞+動詞」と定義されることがありますが、子どもが常に名詞と動詞を組み合わせて二語文を発するわけではないため、二語を組み合わせた発言は家庭において二語文と解釈されることが一般的です。

二語文はいつから話す?

子どもが二語文を話し始める時期は、平均して生後14か月~2歳の時期とされています。

なおこの時期より前に「一語文」を話し始める時期があり、それは6~8か月頃といわれています。この一語文から徐々に語彙力が発達して、二語文でのおしゃべりへと成長します。

また聴き取りにくいあいまいな二語文から、はっきりと内容が分かる二語文に成長する時期でもあります。

幼児の二語文の例

二語文は子どもにとって「何を or 何が + どうしたい or どうである」という意思を伝える手段でもあります。二語文の例は下記のとおりです。

みかん、ちょうだい
りんご、まんま(食べたい)
パン、とって
ブロック、赤

二語文が出るのが遅いと感じられる原因

全ての子どもが同じように、14か月〜2歳の時期に二語文を話し始めるわけではありません。しかし周囲の子どもが二語文を発し始める中で、我が子だけが二語文を話せないと感じられる状況は不安を覚えることもあるかもしれません。

ここでは、二語文を話し始めるのが遅いと感じられる原因について説明します。

語彙が少ない

二語文は、3歳の頃には話せるようになっている場合が多いです。もし3歳の時期に二語文を話していない、もしくはほとんど話さない場合は「語彙」に注力しましょう。

「名詞ばかり話す」「要求だけで名詞が出ない」といったアンバランスな状態は、語彙力の少なさが影響していると考えられます。主に下記の2点が原因であることが多いため、以下の対策を意識してみましょう。

性格等の要因

「うちの子はどうして二語文をまだ話せないんだろう」と悩んでいる場合は、個人差を考えるようにしましょう。ヨチヨチ歩きを始める時期にも個人差があります。これと同じように「言葉の発声=二語文」を話し始める時期も差があるのです。

これは性格が影響することがあり、大人しい子ども、マイペースな子ども、実は心では二語文を発しているけれど口にしていないだけの子どもなどさまざまです。実際に話さないだけで、すでに二語文の能力は備わっている可能性があります。

親としては心配するより、寄り添って二語文を話しかけてあげるといったフォローが適切でしょう。また子どもの成長は突然訪れるケースも多く、ある日から語彙力が著しく増したという事例も少なくありません。内部で培われていた二語文を、あるきっかけで一気に外に発し始めることがあるのです。

発達障がいや知的障がいの可能性も

周りが二語文の学習を促していても、あまりにも二語文を話さない、全く話せない場合は、障がいの有無を考えてみる必要もあるかもしれません。早い時期に発見してケアしていくことが、今後の人生を左右する可能性もあるでしょう。

発語に遅れがある場合は、下記のいずれかに該当する可能性があるかもしれません。気になる場合は、医師に相談することも一案です。

①聴覚障がい

言葉は耳から学習していくものです。親をはじめとして周囲が発する言葉を聞いて徐々に言葉を覚えていきますが、聴覚に障がいがあると言葉自体が聞こえない(または聞き取り難い)ため、一語文を話し始める時期に違和感が出ている可能性があります。聴覚障がいの有無の確認は、専門の医師の診察を受けるようにしてください。

②知的障がい

聴覚に問題ないけれど発語が遅れている場合は、知的発達の遅れを考えてみる必要もあるかもしれません。知的障がいは、主に脳の機能が正常に機能していないことが原因とされています。

言葉の意味は理解しているけれど発語に繋がらない、知的障がいが原因による「筋緊張の低下」によって、口周りの筋肉をコントロールできず発語できないといった下記のような症例もあります。

③構音障がい
すでに言葉は覚えて理解しているけれど、言葉を発するための器官に障がいがあることがあります。例えば口や舌、声帯などに障がいがあることで発語できないのが「構音障がい」です。この場合は専門機関で、適切なトレーニングを受ける必要があります。

二語文が出ない時の対処法

二語文が出ない時の対処法
二語文が出ない時の対処法は?

こちらでは、二語文を話せるようになるためのさまざまな対策を紹介します。ただ子どもと一緒に過ごすだけでなく「二語文を話せるようになるための会話」を心掛けるようにしましょう。

二語文を教えるときのポイント

言葉を発する時、それはイコール「要求がある時」がほとんどです。そのため要求をベースにして、二語文を教えることが効果的です。

まず子どもがよく使う要求から二語文を教えてください。同じ二語文を、短期間で何度もリピートして教えることもポイントです。「二語文を教える→子どもがリピートする」を繰り返すことが、二語文を話すための近道です。

また「何をどうしたいか」を強く意識して教えましょう。子どもが「欲しい」だけを発語する場合は「何が?」と聞き返すようにします。ここで子どもは考え、「〇〇(例えばリンゴ)、欲しい」という二語文を自ら作るようになるのです。

二語文の学習にあたって重要なポイントは「二語だけで伝える技術」といっても過言ではありません。つまり組み合わせのバリエーションが鍵になるため、

・何を(何が)に当て嵌まる言葉
・どうしたい(どうである)に当て嵌まる言葉

の組み合わせ数をひたすら増やしてあげることが、二語文能力の発達に繋がるでしょう。

コミュニケーションの取り方を工夫する

二語文を教える際の工夫としては「表現の言い換え」「単語の別称」などもポイントです。同じ意味のことを発語するにしても、別の言い方があることを覚えることで、ここから更に応用を利かせた発語をできるようになります。同じ言葉だけを繰り返すのではなく、同じ意味の違う言葉も同時に教えていくようにしましょう。

心配な場合は病院に相談しよう

我が子を信じて焦らずに見守ることも、もちろん大切です。しかし二語文を話すはずの平均的な時期を大きく過ぎても発語し始めない場合は、早いうちに病院で相談することで対策を講じられる場合もあります。

まとめ

二語文の発語は、子どもがこれからコミュニケーション能力を養っていくための重要なスタート地点です。ただ会話をするのではなく、自己表現ができる二語文を教えてあげましょう。これから充実した日々、明るい人生を送れるように、この大切な時期をサポートしてあげたいものです。

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文・構成/HugKum編集部

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