世界一有名な名探偵が主人公!『シャーロックホームズ作品集』の代表的な物語とあらすじをチェック【3分で名作を読む】

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世界でもっとも有名な名探偵、シャーロック・ホームズ。彼が活躍する物語が『シャーロック・ホームズ作品集』です。この記事では、『シャーロック・ホームズ作品集』のあらすじや作者の情報、現在までに読み継がれる理由について解説していきます。

シャーロックホームズ作品集とは?

まずは『シャーロック・ホームズ作品集』の作品情報や、作者について知りましょう。

イギリスの作家・アーサー・コナン・ドイルの作品

『シャーロック・ホームズ作品集』は、イギリスの作家、アーサー・コナン・ドイルの作品から4編を選んだ作品集です。収録されている作品には、「バスカービル家の犬」「ボヘミア王のかくしごと」「おどる人形」「まだらのひも」があります。

シャーロック・ホームズはシリーズもので、長編が4作、短編が56作あります。名探偵であるシャーロック・ホームズと、助手のワトソンが謎を解き、さまざまな事件を解決する話です。

作者:アーサー・コナン・ドイル
原題:Canon of Sherlock Holmes
国: イギリス
発表年:1902年(「バスカービル家の犬」)
おすすめの年齢:小学校高学年以上

アーサー・コナン・ドイルってどんな人?

アーサー・コナン・ドイル
アーサー・コナン・ドイル by Arnold Genthe, wikimedia commonsより(PD)

アーサー・コナン・ドイル(1859-1930)は、スコットランド生まれ。エジンバラ大学を卒業後に医師として開業しますが、患者が少なく、ひまな時間をもてあましていたため、その時間に小説を書き始めます。

シャーロック・ホームズシリーズの第一作目となる『緋色の研究』を発表すると、しだいに人気が高まり、作家に専念することになったそうです。作品は、シャーロック・ホームズシリーズが有名ですが、そのほかに歴史小説や冒険小説、SF小説も書いています。

ロンドンにあるシャーロック・ホームズ博物館には、事件解決につながったアイテムの展示も

いつの時代の話?

シャーロック・ホームズシリーズのほとんどの舞台は、1880年代~1890年といわれています。このころのイギリスは、ビクトリア女王が統治した「ビクトリア朝」末期です。

1880年ごろはイギリスは不況に陥っていましたが、しだいに回復していく時代が、シャーロック・ホームズシリーズに描かれている時代と当てはまると考えられます。

シャーロックホームズ作品集の代表的な物語とあらすじ

ここでは、『シャーロックホームズ作品集』の代表的な物語のあらすじを、「詳しく」&お子さんへの説明に便利な「簡単に」の2種類ご紹介します。

おどる人形

暗号を使った謎解きが登場します。

ワトスン、キュービット、そしてメモを睨むホームズ 
ワトスン、キュービット、そしてメモを睨むホームズ by Sidney Paget (1860 – 1908), wikimedia commonsより(PD)

詳しいあらすじ(ネタバレあり)

シャーロック・ホームズのもとに、ノーフォーク州に住むヒルトン・キュービットから謎の絵文字が書かれた手紙が送られてくる。そこには、小さな人形が並んでおどっているような絵が書かれていた。

まもなく、キュービット自身がホームズのもとにやってくる。彼が言うには、アメリカ人女性で妻のエルシーに、1か月前にアメリカの切手が貼られた手紙が届いた。妻は青ざめ、読んだ手紙を燃やしてしまった。1週間前には家の窓枠に、人が並んでおどっているようなチョークで書かれた絵があった。馬方の手伝いの少年のいたずらだと思ったが、それは違った。絵を消したあとに妻に報告すると、また同じことが起こったら見せてほしいと言った。昨日の朝、庭の日時計の上に紙が置かれていた。妻にそれを見せると、失神した。それから妻は、何かにおびえているようだ。心配したキュービットが、その紙をホームズに送ったのだった。ホームズは、なにか新しい証拠を見つけたらまた来てほしいと言い、一旦キュービットを自宅に帰らせた。

2週間後、キュービットが再びホームズのもとを訪れた。キュービットは、先日ホームズのもとから帰った翌日に、新たに描かれた踊る人形の絵を道具小屋の扉で見つける。その2日後にもまた別の絵を見つけ、3日後には紙に書かれたものを、庭の日時計の上で見つかったのだと言う。キュービットは犯人を捕まえるために、書斎の窓のそばで見張っていた。夜中の2時ころに妻が起きてきて、誰かの悪ふざけなので気にしないようにと言う。そのとき、道具小屋の扉の前に黒い人影が見えた。キュービットがピストルを持って飛び出そうとするのを、エルシーが止める。その間に人影はいなくなっていた。朝、小屋のドアに再び絵が残されていた。キュービットは書き写したすべての絵をホームズに渡した。

ホームズは踊る人形の絵を解読し、翌朝一番の汽車でワトソンとともにノーフォークに乗り込んだ。駅に到着すると、駅長からキュービットとエルシーが撃たれ、キュービット本人は死亡し、エルシーは重体だということを聞く。現場に到着すると、ホームズたちは地元の警官から説明を受けた。絵文字を解読していたホームズは、ある宛先に踊る人形の絵の手紙を書いた。そこに犯人がいて、これからキュービット邸にやってくるようにさせたというのである。犯人が来るまでの間、ホームズは絵文字の解読方法を説明した。

やって来たのは、エイブ・スレイニーという男であった。すぐにホームズはスレイニーにピストルを突きつけ、警官は手錠をかけた。彼はエルシーに会わせてくれと言うが、エルシーは重体だと話すと、悲しみの声をあげた。観念したスレイニーは、エルシーとの関係や踊る人形の絵のこと、発砲したことなどをすべて話した。弾丸は、スレイニーが撃ってキュービットに命中したもの、キュービットが撃って窓枠に残ったもの、そしてエルシーが自分自身に撃ったものということがわかり、エルシーが夫を殺害しなかったことをホームズは証明でき安堵した。

簡単なあらすじ(ネタバレなし)

シャーロック・ホームズのもとに、ノーフォーク州に住むヒルトン・キュービットから謎の絵文字が書かれた手紙が送られてくる。そこには、小さな人形が並んでおどっているような絵が書かれていた。妻をおびえさせるこの手紙の謎を解いてほしいと依頼され…。

まだらのひも

ホームズ・シリーズのなかでもとくに人気の高い作品。「どうやって」悪事を働いたのか、という謎の部分が読みどころです。

詳しいあらすじ(ネタバレあり)

ある日の朝早く、ホームズのもとにヘレン・ストーナーという若い女性が訪れる。彼女は、2年前に「まだらのひも」という言葉を残して亡くなった姉の死について相談したいのだという。彼女はさらに話を続ける。昨夜の晩、姉の寝室を使うことになった際に、姉が死ぬ直前の会話で言っていた、奇妙な口笛を耳にした。その口笛を聞いて怖くなったヘレンは、朝が明けてすぐにホームズのところへ相談に来たというのであった。

その日のうちに、ホームズは捜査に伺うと約束した。一旦彼女を帰して少し経ったころ、彼女を尾行してきた義父が突然現れ、「わたしの家のことに口出しするな」と言い放つ。

その日の午後、ホームズとワトソンは、義父がいないすきを狙って屋敷を捜査した。義父も寝室に入った夜11時、ホームズたちは改めて屋敷に忍び込み、死んだ姉の部屋で事が起こるのを待った。やがて口笛が聞こえた。その途端、ホームズは激しく何かを叩いた。すると、隣の部屋から恐ろしい叫び声が聞こえた。

叫び声が静まりかえると、ホームズたちは隣の部屋へ入り、毒蛇に殺された義父を発見する。彼は、亡妻の遺産が娘の結婚で分割されるのを疎み、まるで「まだらの紐」のような毒蛇を口笛で操って通気口から侵入させ、眠っている姉を殺したのだった。そして、同様の手口でヘレンも殺そうとしたのだった。

簡単なあらすじ(ネタバレなし)

ある日の朝早く、ホームズのもとにヘレン・ストーナーという若い女性が訪れる。彼女は、2年前に「まだらのひも」という言葉を残して亡くなった姉の死について相談したいと言い…。

シャーロックホームズ作品集が読み継がれている理由

『シャーロック・ホームズ作品集』がこれまで読み継がれているのには理由があります。その理由を解説していきましょう。

シャーロックホームズ作品集とは?
「シャーロックホームズ」が世界中の読者に愛される理由は?

シャーロック・ホームズが魅力的

『シャーロック・ホームズ作品集』は、名探偵であるシャーロック・ホームズが主人公。ホームズは、知識が豊富で、難解な事件を次々と解決します。そんな天才探偵であるところに多くの読者を惹きつける魅力があるのでしょう。また、相棒であるワトソンがそばにいることで、よりホームズの天才性が増すのかもしれません。

謎解きが読みどころ

謎を知りたいと思うのは、誰しも同じ。人類普遍の欲求でもあります。読み進めるうちに幾重にもはりめぐらされた伏線が回収され、謎が解き明かされることで欲求が満たされます。これが、ホームズ・シリーズの魅力のひとつです。

世界一有名な名探偵

シャーロック・ホームズは、『緋色の研究』という作品に登場して以来、現在まで大人にも子どもにも親しまれていて、映画やテレビ、アニメ、マンガにもなっています。また、シャーロック・ホームズの愛好家のことを「シャーロキアン」といいます。これらのことからもわかるとおり、世界中で愛されているキャラクターであり、世界一有名な名探偵といってもいいでしょう。

名作「シャーロックホームズ作品集」を読むなら

ここからは、「シャーロック・ホームズシリーズ」のおすすめの本をお伝えします。本作に興味を持ったらぜひ手に取っていただきたい3冊です。

名探偵シャーロック・ホームズ 4 おどる人形の暗号

表題作の『おどる人形の暗号』のほか、ホームズの復活を描いた『からっぽの家の冒険』の全2話を収録。50点以上のアニメーション風カラーイラストで読みやすくなっているのが特徴です。登場人物のプロフィールや、事件のポイントとなるアイテム、現場の地図なども巻頭に紹介されています。

名探偵ホームズ 緋色の研究

「緋色の研究」は、シャーロック・ホームズシリーズの最初の作品。ホームズとワトソンの出会いも描かれています。シャーロック・ホームズシリーズがはじめて、という方におすすめです。

小学館世界J文学館

この1冊で125冊の電子書籍を読める新時代の児童文学全集です。『シャーロック・ホームズ作品集』はもちろん、世界名作、現代児童文学、日本やアジアの古典、SF、詩までを網羅。ほとんどを新訳で収載し、日本ではじめて読める作品も収められています。

探偵気分で『シャーロック・ホームズ作品集』を読んでみて

『シャーロック・ホームズ作品集』は、謎解きの面白さを教えてくれる物語です。探偵気分で推理しながら読んでみるのもいいですね。

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文・構成/HugKum編集部

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