2024年の青森ねぶた祭はいつ?「ねぶた」の起源や「ハネト」の意味も解説

「青森ねぶた祭」は巨大な山車灯籠を何十人もの人で引き回す、夏の青森の一大イベントです。2024年の日程や観覧席の取得方法、ねぶた祭の起源などを紹介します。また、誰でもハネトになり自由に飛び入り参加が可能なので、詳細をチェックしてみましょう。
<上画像:Photo taken by Marie-Sophie Mejan , Wikimedia Commons>

2024年の「青森ねぶた祭」

2024年の「青森ねぶた祭」は、前夜祭を含めて7日間の日程で開催されます。大勢の観光客で混雑することが予想されますが、観覧席を予約しておけば安心です。

ねぶた祭2024年の日程

青森ねぶた祭は毎年8月2~7日に開催され、2024年のスケジュールは以下のとおりです。

●8月1日18:00~21:00:青い海公園特設ステージにて前夜祭を開催
●8月2~3日:子どもねぶた・大型ねぶたの運行 協働社交差点からスタート
●8月4~6日:大型ねぶたの運行 新町柳町交差点からスタート(8月6日に各賞発表)
●8月7日13:00~:大型ねぶたの運行
●8月7日19:15~:青森花火大会・ねぶた海上運行 受賞したねぶた4台が青森港を運行

コースについてなど、詳しくは下記のホームページをご覧ください。

運行スケジュールとコース – 青森ねぶた祭

観覧席予約・各種ツアー

観覧席の予約は団体と個人に分かれています。団体観覧席は10名以上、9名以下の場合は個人観覧席を申し込みましょう。

●団体観覧席:1次と2次募集あり。申し込み多数の場合はキャンセル待ちが可能
●個人観覧席:詳細は6月下旬に決定

8月7日最終日「青森花火大会・ねぶた海上運行」のチケットはA席4,500~S席5,500円※で、昼のねぶた運行観覧とのセット販売もあります。

観覧席は申し込み多数で入手困難なことも多く、そのような場合は旅行会社が企画するツアーに申し込むのもよい方法です。青森ねぶた観覧席付きのツアーは、各社から販売されています。

※2024年6月14日時点の公式サイト情報より

観覧席購入案内 – 青森ねぶた祭

ねぶた祭の起源と意味

青森ねぶた祭の山車灯籠 by Marie-Sophie Mejan , CC 表示 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=126991002より

外国人にも人気の青森ねぶた祭ですが、その起源や意味はどういったものでしょうか。ねぶた祭の歴史についても見てみましょう。

青森ねぶた祭は東北三大祭の1つ

青森ねぶた祭は、「仙台七夕まつり」「秋田竿燈まつり」とともに東北三大祭の一つです。大きな山車灯籠(だしとうろう)の周りをハネトたちが踊り、最終日には花火とともに青森港を海上運行する豪快なお祭りで、日本国内・世界各地から200~300万人もの観光客が集まります。

ねぶたがこのような大きなサイズになったのは、第二次世界大戦後のことだといいます。戦争が終わって観光客がやってくるようになると、勢いを得たねぶた祭は徐々に大きくなっていきました。

ねぶた祭は青森市だけではなく、7~8月に青森県各地で開催されます。

ねぶた祭の起源は七夕?

ねぶた祭の起源は、七夕の禊(みそぎ)と盆の灯籠流しが結びついたものと考えられています。

古くは江戸時代の享保年間(1716~1735年)にねぶたの記録が残っており、文化年間(1804~1818年)には人形型のねぶたが作られ、人々は踊っていたようです。

昭和の初期までは担いで移動する「担ぎねぶた」でしたが、戦後のねぶたの大型化とともに山車に載せて引く山車灯籠が主流になりました。現在では「幅9・奥行7・高さ5m、かつ重さ4t以内(台車を含む)」という制限があります。

青森ねぶた祭は、1980(昭和55)年に重要無形民俗文化財に指定されています。

ねぶた祭の「ねぶた」とは?

「ねぶた」は「眠り」という言葉が転じたもので、眠り流し、ねむたながしなどとも呼ばれるようです。ネムノキ(ねぶたともいう)の葉で目をこすって睡魔を流す習慣に由来しています。

「眠気をさます」→「眠気を流す」→「ねぶた流し」というように言葉が転じ、ねぶた祭は大きな「ねぶた」を流す祭になります。

夏は農作業が忙しく、重労働が続く季節です。ねぶた祭は疲れた身体から眠気を飛ばして、体力を維持しようという願いを込めたイベントでした。

山車灯篭の骨組み。制作所と収納庫をかねた専用の「ねぶた小屋」を建て、その中で制作する。
山車灯篭の骨組み。制作所と収納庫をかねた専用の「ねぶた小屋」を建て、その中で制作する。

フィナーレは海上運行と花火

青森ねぶた祭は、受賞ねぶたの海上運行と花火大会で大団円を迎えます。各賞がどのように決まるのか、審査基準も見てみましょう。

受賞ねぶたは最終日に海上パレード

8月2~5日の間に運行したねぶたの中から、各賞が8月6日に選出されます。受賞したねぶたは、8月7日に青森港の海上をパレードします。2024年は4台のねぶたが海上を運行する予定です。

総合賞としては、ねぶた大賞をはじめ、知事賞・市長賞・商工会議所会頭賞・観光コンベンション協会会長賞などがあります。

部門賞としては、ハネトが最も優れていた団体に贈られる「運行・跳人賞」、お囃子が最も優れていた団体に贈られる「囃子賞」があります。ただし、2022年はコロナウイルス感染症対策による人数制限などのため、運行・跳人賞と囃子賞は選出されませんでした。

各賞の審査基準

総合賞はねぶた本体だけではなく、運行・ハネト・囃子を含めて総合的に審査・採点されます。評価項目には次のようなものがあります。

●ねぶた:表現(発想企画・勇壮華麗・躍動感・重厚感)、構図、色彩など
●運行・跳人:統制、扇子持と曳き手との呼吸、躍動性、かけ声など
●囃子:音色、旋律、演出など

ねぶたに対する評価が60%、運行・跳人に対する評価が25%、囃子に対する評価が15%の計100点満点です。審査はねぶたや芸術に造詣のある審査委員だけでなく、文化団体からの推薦や一般公募の青森市民なども参加します。

最終日は「なぬかび(七日日)」と呼ばれ、祭は最高潮に。
最終日は「なぬかび(七日日)」と呼ばれ、祭は最高潮に

青森ねぶた祭は飛び入りOK?

勇壮なねぶた祭を観覧していたら、つい参加したくなるかもしれません。青森ねぶた祭は誰でも飛び入り参加が可能なので、詳細をチェックしてみましょう。

誰でも「ハネト」になれる!

ハネトとは、ねぶたとともに跳ね踊る人たちのことで、「跳人」と書きます。「ラッセーラー!ラッセーラー!」と掛け声をあげながら、賑やかに跳ねたり踊ったりして、ねぶたを盛り上げる重要な役割を担います。

ハネトは、観光客でも誰でも簡単なルールさえ守れれば参加可能です。ルールとは、ハネトの衣装を着用していること、鳴り物を持ち込まないこと、運営の指示に従うことの3点です。衣装は現地で購入することもでき、レンタルもあります。

ハネトの衣装と花笠

2022年は事前に参加登録をする必要がありましたが、2024年については事前登録が不要で当日の受付もありません。参加時のルールはホームページを確認しましょう。

参加する – 青森ねぶた祭

迫力満点のねぶた祭を楽しもう!

青森ねぶた祭は、東北三大祭りの一つです。多くの観光客が訪れ大変混み合うため、観覧席の予約がおすすめです。観覧席の予約が難しい場合は、青森ねぶた祭観覧付きのツアーを申し込む方法もあります。

また、迫力満点の大きなねぶたの周囲を跳ね回るハネトは、飛び入り参加も可能です。「ラッセーラー!ラッセーラー!」という勇壮な掛け声とともに、祭りを盛り上げましょう。

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構成・文/HugKum編集部

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