天神祭はどのようなイベント?
天神祭は日本各地の天満宮で行われますが、特に人気があるのは「大阪天満宮」で開催されるイベントです。まずは、大阪天満宮の天神祭について詳しく解説します。
1000年以上続く伝統的な祭典
大阪天満宮の天神祭は、平安時代中期ごろに当たる951(天歴5)年に開催された「鉾流神事(ほこながししんじ)」が始まりだといわれています。
鉾流神事は神社前にある海・川の岸から「神鉾(かみほこ)」と呼ばれる木製の鉾を流し、地域の平安を願う催しです。鉾は昔の武器ですが、現代では基本的に祭りの用具として使われます。
大阪天満宮に祀られているのは、学問の神様で知られる菅原道真です。菅原道真が太宰府に流される際、安全祈願の目的で大阪天満宮に立ち寄ったことから、祭神とされています。
日本三大祭・大阪三大夏祭りの1つ
大阪天満宮で実施される天神祭は、東京の「神田祭」や京都の「祇園祭」と並ぶ日本三大祭の一つです。さらに、生國魂神社の「生玉夏祭」、住吉大社の「住吉祭」とともに、大阪三大夏祭りに数えられます。
大阪天満宮の天神祭が開催されるのは、6月下旬ごろから7月25日までの約1カ月間です。菅原道真の命日が2月25日といわれているため、天神祭の最終日を25日にしています。
参考:天神祭 | 大阪天満宮
【2024年開催予定】天神祭の見どころ
約1カ月続く天神祭の中でも、特に盛り上がるのは7月24〜25日です。2024年の開催情報にも触れながら、7月24・25日の見どころを解説します。
【7月24日】宵宮の鉾流神事
宵宮と呼ばれる7月24日には、宵宮祭・鉾流神事・行宮宵宮祭などが行われます。
2024年には本殿で実施する宵宮祭は関係者のみで行う予定で、一般客の観覧は認められていません。鉾流神事は旧若松浜の「天満警察署前」での実施が計画されています。
鉾流神事は朝8時50分ごろから始まり、祭りの開幕を告げる行事です。菅原道真の神楽歌「鉾流歌」が演奏される中、地域の小学校に通う児童から選ばれる「神童」が船上から長さ約75cmの神鉾を流します。
【7月25日】本宮の船渡御・奉納花火
7月25日の本宮には、朝から夜にかけて以下のような神事が行われます。
1.本宮祭
2.神霊移御之儀
3.陸渡御
4.船渡御
5.宮入還御列
6.還御祭
7.行宮本宮祭
2024年の場合、本殿で実施する本宮祭・神霊移御之儀・還御祭は関係者以外は参加できません。一方で陸渡御は一般客の鑑賞が可能です。
特におすすめな催しが、夕方から夜にかけて行われる船渡御(ふなとぎょ)と、クライマックスに打ち上げる奉納花火です。旧淀川の「大川」には、菅原道真の御神霊を乗せた船を中心に、供奉船・御迎船・奉拝船など、イベントを盛り上げる船が集合します。
船上で神事「船渡御船上祭」を行った後には、約100隻の船渡御がつくり出す「かがり火」を彩るような奉納花火が打ち上がります。近隣の大きな公園から打ち上げる奉納花火は、「紅梅」と呼ばれるオリジナル花火が人気です。
天神祭を快適に楽しむポイント
天神祭は全国的にも人気のイベントなので、子どもを連れていく際には注意が必要です。持ち物・行動・工夫の観点から、親子で天神祭を楽しむポイントを紹介します。
天候・虫を考慮した持ち物を用意
天神祭は7月末に行われるので、以下のような暑さ・虫対策グッズがあると便利です。
●帽子
●日傘
●携帯扇風機
●虫除けスプレー
●虫刺され用の塗り薬
長い時間を野外で過ごすため、急な雨に遭遇する可能性も考えられます。雨晴兼用の折りたたみ傘や、カッパなどの雨具も用意しておきましょう。また、夏の夜は肌寒く感じるケースもあるので、かさばりにくい薄手のカーディガンや、ストールなどをバッグに入れておくのもおすすめです。
その他にウェットシートやレジャーシートがあると、汚れた場所を拭き取ったり、野外で座ったりする際に役立ちます。
混雑を想定した行動が大切
大阪天満宮の天神祭には、日本各地から多くの観光客が訪れます。特に25日の奉納花火は、天神祭のクライマックスを飾る一大イベントです。かなりの混雑が予想されるため、早めの行動を心がけるようにしましょう。
奉納花火を見終わってから帰る準備を始めると、高確率で混雑のピークに遭遇します。身動きが取れないほどの人混みを移動するのは、小さな子どもには特に負担がかかります。花火大会が終わる少し前に切り上げるなど、できるだけ人混みを避けることも一つの方法です。
25日は有料席を利用する方法も
7月25日の船渡御・奉納花火は夜遅い時間に行われるため、有料席を利用する手もあります。場所が指定された有料席だと、無料席よりは快適に天神祭を鑑賞できます。
2024年は以下の会場に、有料席が設けられる予定です。
・桜之宮/大阪ふれあいの水辺
・桜之宮会場
・桜之宮橋上流/円形広場会場
・桜之宮橋上流/泉布館東側会場
・造幣局対岸上流側会場
・天満橋会場
・OMMビル屋上会場
立ち見から弁当付きまで、ニーズと予算に合わせて好きなプランを選べます。ただ、船渡御の鑑賞ができなかったり、花火が見えづらかったりするエリアもある点に注意しましょう。
天神祭で日本の伝統と夏を味わおう
大阪天満宮で開催される天神祭は、日本三大祭・大阪三大夏祭りに数えられるイベントです。2024年は開催が決まっており、7月24〜25日には鉾流神事や船渡御、奉納花火などが一般公開されます。
子どもを連れて天神祭に参加する際には、天候・虫対策グッズの用意や、混雑を避けた早めの行動が大切です。予算に合わせて有料席を利用し、鑑賞の負担を軽減する手もあります。
平安時代から続く天神祭に参加し、親子で日本の伝統的な夏を楽しみましょう。
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構成・文/HugKum編集部