日本三大そば、島根の「出雲そば」の魅力とは? 割子そば・釜揚げそばの食べ方が独特。その作法をご紹介

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出雲そばとは、島根県の郷土料理で「日本三大そば」のひとつに数えられる料理です。「挽きぐるみ」と呼ばれる、そばの実を殻ごと挽く製粉方法で作られたそばを使っていて、黒味がかったそばが特徴的。また、3段に重ねられた赤く丸い割子に入れられているのも出雲そばならではです。そんな出雲そばの特徴や歴史などを解説します。

出雲そばとは

島根県東部にあり、出雲大社などでよく知られる出雲地方。そんな出雲地方を代表する郷土料理のひとつが、出雲そばです。

日本三大そばのひとつに数えられるもので、一般的なそばよりも黒味がかった見た目が特徴的です。そんな出雲そばの基本情報として、まずはどの地域で食べられていて、どんな歴史があるのか、見てみましょう。

出雲そばは、縁結びの神として知られる出雲大社のある出雲市が発祥の地
出雲そばは、縁結びの神として知られる出雲大社のある出雲市が発祥の地

場所・エリア

出雲そばが食べられてきたのは、島根県の出雲地方。島根県内や出雲市内には、出雲そばを提供するお店が数多くあります。

特に、縁結びや福の神として全国的に有名な出雲大社の周辺には、出雲そばの店が多くあり、出雲大社の参拝客をそばでもてなす文化があります。

参道には出雲そば店が軒を連ねている
出雲大社参道には出雲そば店が軒を連ねている

いつ、どんなときに食べる?

昔は人々が出雲大社などを参拝した際、そば屋に立ち寄ってそばを食べるのが楽しみだったと言われています。

出雲大社のほかにも、日御碕神社、美保神社、大山寺などがあり、それらを参拝した後、参道にあるそば屋でそばを食べるという習慣が、出雲そばの存在を広めるきっかけになったようです。

歴史

そばの実はやせた土地でも栽培できたことから、奥出雲地方では平安時代から栽培され、そばを食べる習慣があったと言われています。

そばの花とそばの実
そばの花とそばの実

また、信州松本城主だった松平直政が、信州松本藩から出雲松江城主として移り住んだ際、信州からそば職人を一緒に連れてきたそう。そんなそば職人の存在がいたからこそ、出雲地方でそばが広まったと言い伝えられています。

由来、言い伝え

松平直政が広めたという出雲そば。その当時は、まだ「蕎麦切り」と呼ばれるものでした。蕎麦切りとは、蕎麦の実で作られたそば粉を練り、その生地を麺のように細く切ったもので、現代のそばととても近いものです。

また、そば粉を湯と練って作った「そばがき」や、そば粉を水で溶かして焼いた「おやき」なども食べられていました。

出雲そばの特徴

出雲そばの特徴を見てみましょう。

特徴1:「挽きぐるみ」のそば粉を使用

出雲そばの特徴のひとつが、「挽きぐるみ」と呼ばれる製法で作られたそば粉を使うこと。

そば粉を製粉するときは、一番粉から三番粉まで3種類に分類されます。一番粉はそばの実の中心部分を挽いたもので、白っぽい仕上がりになり、一番粉を使って作られるそばは「更科そば」と呼ばれます。二番粉は胚乳や胚芽部分も一緒に粉にしたもので、三番粉はそばの実の外殻も一緒に挽いたもの。三番粉は黒っぽい見た目になり、出雲そばはこの三番粉が使われています。噛むほどにそばの味わいが口に広がり、風味の豊かなそばになります。

特徴2:高い栄養価

出雲そばは挽きぐるみの製粉法で作られたそば粉が使われています。そば粉を殻ごと挽いているため、そばの風味や栄養価が高いのが特徴。

そばには、疲労回復にいいビタミンB1、栄養素の代謝を助けるビタミンB2、ポリフェノールの一種であるルチンなどが含まれていて、健康的な食材と言えます。

特徴3:日本三大そばのひとつ

新しい年を越すときに「年越しそば」を食べたり、引っ越しのときに「引っ越しそば」を食べたり、そばは私たちの生活のなかでも区切りとなるシーンに食べられてきた料理です。そして、地方によって個性があります。

そんな中「日本三大そば」と言われるのが、島根県の「出雲そば」、岩手県の「わんこそば」、長野県の「戸隠そば」です。日本三大そばがどのように決められたのかは定かではありませんが、味わい、色、食べ方などがユニークなこの3つのそばが選ばれたのではないでしょうか。

特徴4:三段の赤い漆器

冷たい出雲そばを食べるときは、赤くて丸い器に盛って出されます。もともと江戸時代に、屋外でそばを食べるときに四角い重箱に入れて運ばれていたそうです。しかし、四角い重箱だと隅が洗いにくく衛生面に問題があるほか、「角が立つ」という意味を避けることなどから、現在の丸い形に変わったのだとか。

出雲そばの種類と食べ方

「割子そば」は、赤い割子はいったそばに直接そばつゆをかけていただく
「割子そば」は、赤い割子はいったそばに直接そばつゆをかけていただく

出雲そばは、冷たいそばと温かいそばの2つの方法で食べられています。冷たいそばは「割子そば」、温かいそばは「釜揚げそば」と呼ばれています。

割子そば

割子そばは、茹でたそばを水洗いして、「割子(わりご)」と呼ばれる丸い3段になった漆器に盛りつけます。割子はもともとは使い捨てのものだったと言われていますが、それが繰り返し使える漆器になり、祝いの席にもふさわしい朱塗りになって現代にも伝わっているそうです。

お店で出されるときは、三段重ねになったまま提供されるのが一般的です。薬味には、ねぎ、かつおぶし、のり、大根おろしなどが用意されます。

割子そばの食べ方

割子そばの食べ方には、ルールがあります。まず三段重ねになったまま一段目のそばの上に、つゆと薬味をお好みでかけてそのままいただきます。一段目を食べ終えたら、残ったつゆを二段目にかけて、空いた一段目は一番下に重ねます。二段目を食べ終えたら、また空いた器を一番下に重ねて、三段目も同じように食べていきます。

釜揚げそばとその食べ方

釜から茹で上げたそばを、水で洗わずにそのまま丼に盛り付けて食べるのが、釜揚げそばです。茹で湯も一緒に注ぎ、割子そばと同じつゆをかけて、好みの味にしていただきます。そばの上にのせる薬味も、割子そばと同じように、ねぎ、かつおぶし、のりなどです。

釜揚げそば

出雲そばの作り方

出雲そばを釜揚げそばでいただくときの作り方を確認しましょう。上述してように、そば湯と一緒に盛られたそばに、あとからつゆを足すのが特徴的です。

材料

  • 出雲そば
  • つゆ
  • お好みの薬味(ねぎ、かつおぶし、のり、大根おろしなど)

作り方

  1. たっぷりの湯でそばを茹でる
  2. 器にそば湯と一緒に、茹で上げたそばを盛る
  3. つゆを足す
  4. 薬味をのせる

出雲そばのおすすめ

出雲そばは、通販やお取り寄せでも楽しめます。出雲地方に出かけることは難しくても、これらで楽しんでみてはいかがですか?

本田商店 献上そば 羽根屋 出雲そば

江戸時代に創業した名店「羽根屋」が監修した出雲そばです。使用しているそば粉と小麦粉は国内産。そばの実は自家製粉して、じっくり乾燥したのち、そばの風味を損なわないようにして仕上げています。やや細目に作られた食べやすいそばです。

本田屋 出雲そば

島根県出雲で100年以上の歴史がある「本田屋」が手がける一品。無添加、無農薬にこだわり、国産のそば粉と小麦粉を使用しています。食品添加物や保存料も一切不使用で、そば本来のおいしさを味わえます。

小早川製粉 進物用 出雲そば

島根県奥出雲にある「小早川製粉」は、創業100年以上を誇るそば粉・生そば製造処。自家製石臼でそばを挽き、湧き水でそばを打っています。この出雲そばは、生地にそば粉を8割も使用した八割そば。そば好きや地元のそば屋も利用しているという人気店のこだわりの味をどうぞ。

野々村製麺所 出雲そば

奥出雲の山間で、丁寧にそばを打ち続けている老舗製麺処の「野々村製麺所」。神話の里ともいわれる場所で、風味豊かな手打ちそばを作り続けています。本物にこだわった出雲そばには、合成着色料や保存料等の添加物は加えず、挽きたてのそばならではの風味を楽しめます。

一福の乾そば

島根県飯南町で出雲そば作りを行っている「一福」の一品。甘皮も一緒に挽きこんだ「一本挽き」の黒いそばが特徴で、そばの風味を損ねないように熱処理を行わずに作り上げられています。温かいそばでも、冷たいそばでも、どちらでもおいしく頂けます。

出雲そばの食べ比べも楽しい

ご当地ラーメンと同じように、日本全国の地方によって、さまざまなそばが存在します。そして島根県の出雲地方で伝わってきたのが、日本三大そばのひとつである「出雲そば」です。

冷たい割子そばと、温かい釜揚げそばのそれぞれで、そばの味わいも異なります。出雲大社などを参拝した客をもてなし、多くの人が楽しんできたという出雲そば。そんな古くからの歴史を知り、あらためて出雲そばを食べ比べしてみると、さらに奥深いそばの魅力に触れられるかもしれません。

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文・構成/HugKum編集部

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