JPIC読書アドバイザーの児玉ひろ美さんと編集部が、寝る前の読み聞かせにおすすめな絵本をご紹介!人気絵本「おやすみロジャー」など、寝かしつけにピッタリな絵本のおすすめポイント&読み聞かせのコツを一挙に解説!さらに、読み聞かせの効果や無料の読み聞かせアプリ情報も!
寝る前の読み聞かせにおすすめ絵本
【1】『おやすみ、かけす』
マリー・ホール・エッツ/文・絵 まさき るりこ/訳 大日本図書
◆こんな本
小さな男の子が、カエルやかけすの声に耳を傾け、「おやすみ」と語りかけます。静かな世界に身をおき、自然と一体となる。そんな繊細で美しいお話です。夜の闇の中でお布団に入って耳を澄ませるお子さんに、語りかけるような気持ちで、やさしく静かに読んでください。言葉が心地よいので「目をつむって聞いてごらん」と読めば、次第に気持ちもリラックス。昼間の興奮が残って、なかなか寝つけない夜に。
◆対象年齢
3歳、4歳、5歳~
『edu』2015年5・6月号
【2】『おやすみ おやすみ』
シャーロット・ゾロトウ/文 ウラジーミル・ボブリ/絵 ふしみみさを/訳 岩波書店
◆こんな本
クマやハト、さかな、昆虫など、13の生き物が、どういう体勢で眠るのかを、しっとりとした詩で表現しています。幼い子の絵本に珍しいモノトーンを基調にした作品です。「幼い子には暗すぎませんか?」と、ご質問を受けることもありますが、いかがでしょう? 子どもを眠りの世界に誘うのにぴったりの淡い暗闇と思えませんか? その動物の生態を理解しながら、最後に人間の子どもが眠る姿で終わります。絵を見てじっくり話を聞いているうちに、眠くなってきそう。いい夢が見られそうです。そこに〝子ども時代をのぞく窓をもった詩的な作家〟といわれるシャーロット・ゾロトウの詩が添えられています。
◆対象年齢
0歳、1歳、2歳、3歳、4歳、5歳、6歳
『新幼児と保育』2015年6・7月号
【3】『いいこ ねんね』
内田麟太郎/文 長谷川義史/絵 童心社
◆こんな本
さるのかあさん、いぬのとうさん、ねこのかあさん、そしてぼくのかあさんが、「いいね ねんね」をうたいます。子どもたちは4種それぞれの甘え方をしたり、夢を見たり。すやすや眠る声のやさしい響きや、愛らしい親子の絵が続いて、ほっこり眠りに誘われていきそうです。「いいこ ねんね いいこ ねんね」声に出して、改めてその言葉のあたたかさにうっとりします。まるで幼い子の特権のような言葉ですね。
◆対象年齢
0歳、1歳、2歳
◆ママパパの口コミ
『新幼児と保育』2015年6・7月号
【4】『ねむい ねむい おはなし』
ユリ・シュルヴィッツ/作 さくまゆみこ/訳 あすなろ書房
◆こんな本
『よあけ』『ゆき』など静かな絵本でその名を知られたシュルヴィッツの静かな夜の絵本です。静まりかえった夜の家。「ねむい ねむい」部屋にあるテーブルやいす、ねこや皿、男の子も眠っています。そこへ突然楽しいメロディーが! 音はどんどん大きくなって「ねむい ねむい」部屋のものたちはリズムとともに踊り出します。やがて音が小さくなって家は元のように静かになって。
◆対象年齢
2歳、3歳、4歳
『新幼児と保育』2015年6・7月号
【5】『ねむい ねむい ちいさなライオン』
マーガレット・ワイズ・ブラウン/文 イーラ/写真 ふしみみさを/訳 徳間書店
◆こんな本
表紙を見て懐かしいと思われた方もいることでしょう。原著は1947年の超ロ ングセラー作品ですが、訳が新しくなったことで古臭さを感じさせません。いつでもどこでも眠ってばかりの動物園の小さいライオン。ある日お母さんに、冒険に出かけると宣言して出発します。犬に出会っても人間の男の子に出会っても、すぐ眠ってしまいます。目をさましたら母ライオンが恋しくなって……。子どもたちは小さなライオンの冒険にハラハ ラしながらも、すぐ眠くなるライ オンの表情に気持ちが寄り添います。
◆対象年齢
4歳、5歳、6歳
◆ママパパの口コミ
『新幼児と保育』2015年6・7月号
【6】『ジェリーの こーろ ころん』
矢野アケミ/作 大日本図書
◆こんな本
犬のジェリーは転がすのが大好き。ボールも、すいかも、お相撲さんも、こーろころん。転がるものならなんでも転がします。ついには、おひさまだって、こーろころん! ユーモアとくり返しのリズムを楽しみましょう。最後は「ころん! おやすみなさい」で終わるので、お昼寝の前に読むのもおすすめです。読み終えたらみんなで一緒に、「こーろころん。おやすみなさい」。ジェリーのシリーズ3冊目。既刊2冊も遊べる楽しい作品です。
◆対象年齢
0歳、1歳、2歳
◆ママパパの口コミ
『新幼児と保育』2017年12・1月号
教えてくれたのは
JPIC読書アドバイザー 台東区立中央図書館非常勤司書。日本全国を飛び回って、絵本や読み聞かせのすばらしさと上手な読み聞かせのアドバイスを、保育者はじめ親子に広めている。鎌倉女子大学短期大学部非常勤講師など、幅広く活躍。近著に『0~5歳 子どもを育てる「読み聞かせ」実践ガイド』(小学館)。
編集部おすすめ「寝かしつけ」絵本
『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』
カール=ヨハン・エリーン, 三橋美穂/著者, 編集 飛鳥新社
◆こんな本
毎晩の寝かしつけが大変!というパパママにぜひオススメしたい絵本です。この絵本を読むと10分で子どもが寝てしまう、と読んだ人は口々に言いますが、その秘密はどこにあるのでしょうか。
まず、この本は冒頭に「読み手の手引き」があり、大人が読んであげることが前提に描かれています。「なまえ」のところにお話を聞いている子どもの名前を入れて読んであげます。ゆっくりと読むところ、強調するところ、あくびを入れるところなどが詳しく解説されています。
お話は、眠りたいのに眠れないうさぎの子ロジャーと「なまえ」(読んであげる子ども)が、親切な魔法つかいのあくびおじさんに会いに行くストーリー。途中、おねむのカタツムリや、ウトウトフクロウさんに出会います。
元々はスウェーデンで自費出版されたこの絵本。口コミで世界へ広がったその効果を、ぜひ試してみたくなりますね。日本語訳の文章も、大人も子どももリラックスできる文調で訳されています。さあ、お子さんはどこの辺りで夢の中へと行くのでしょうか!?
◆ママパパの口コミ
寝る前の読み聞かせは寝かしつけに有効?
歌や音楽、オルゴールや絵本など、いわゆる「寝かしつけアイテム」は有効なのでしょうか。十分に子供が遊び切れているという前提を満たした上で、子供が寝る前に必ず触れる音楽、絵本、子守歌などを作ると、それらの音楽や歌、絵本を見聞きした途端に、条件反射で眠ってくれるようになるのだとか。
絵本の読み聞かせはいつからはじめる?
絵本の読み聞かせをする時期に、決まりはないと言われます。0歳の赤ちゃんのころから、ものとしての興味を持つことができ、ママやパパなどの声を聞くことで精神が安定することも。読み聞かせの準備として、いろいろなタイプの絵本を見せ、子どもの好みや興味の対象を探ってみてもよいでしょう。そうすることで1歳頃から言葉を覚え始めた時に、読み聞かせにすんなり入っていけます。
寝かしつけはいつまで?ママの悩みに答える「子供をすんなり寝かしつける」プロの技術とは?
寝る前の読み聞かせに便利な無料アプリ
語り続けられている名作揃い!有名な童話や昔話を無料で読み聞かせしてくれるアプリを紹介します。
昔話と童話がたくさん読めるアプリ
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ダウンロードしておけば、外出先などオフラインでもみることができる便利な機能も嬉しいですね。
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文・構成/HugKum編集部