福井銘菓「羽二重餅」の「はぶたえ」って何? ひと工夫でおいしい、おすすめの食べ方もご紹介

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羽二重餅の食べ方

羽二重餅(はぶたえもち)は、餅米、砂糖、水飴のシンプルな材料でつくられた和菓子。福井県を代表する銘菓のひとつです。そんな羽二重餅の由来は、福井県の高級絹織物である「羽二重」です。詳しい歴史や味の特徴、おすすめの食べ方とあわせてご紹介します。

羽二重餅とは

羽二重餅とは福井県を代表する和菓子で、「はぶたえもち」と読みます。名前に「餅」とつくように、もっちりとした食感と口に入れるとふんわりと溶ける口当たりが特徴的です。

そんな羽二重餅は、いつ、どこで食べられているのでしょうか?

場所・エリア

羽二重餅が生まれたのは福井県周辺の地域。今では、福井県の和菓子としてよく知られており、お土産屋などで並べられています。

いつ、どんなときに食べる?

羽二重餅は、見た目にも美しい和菓子。味わいもとても上品なため、どちらかというと自宅で食べる和菓子というよりは、お中元、お歳暮などの贈答品として利用されてきています。

羽二重餅
羽二重餅 Yasuhiro Kojima, Wikimedia Commons

歴史

高級絹織物である「羽二重織」の技術が福井県に持ち込まれたのは、明治5年頃のこと。その後、羽二重餅と名前がつけられた和菓子が生まれたのは、明治38年のことだったと言われています。

羽二重が人々の技術によってさらに質の高いものになっていくように、羽二重餅もどんどん改良が重ねられ、江戸時代や明治時代から続く福井県の老舗和菓子店などを中心に、羽二重餅が今でも作られ続けています。

由来、言い伝え

羽二重餅の名前の由来は、福井県の絹織物の名称である「羽二重」です。

福井県のある北陸地方は昔から絹織物が盛んな地域でした。そこで作られていたのが羽二重です。織物のたて糸を通すときに「おさ」という道具を使い、「おさ」にはたて糸の間隔を整える「羽(は)」と呼ばれるものが並んでいます。羽と羽の隙間に2本の糸を通したものを羽二重と呼ぶのです。薄い布地で上品な光沢があり、高級な着物の裏地などに使われています。

羽二重。絹織物としては和服の裏地として最高級であり、礼装にも用いられる。
羽二重。絹織物としては和服の裏地として最高級であり、礼装にも用いられる。UFringo, Wikimedia Commons

福井県はそんな羽二重の産地でしたが、上質の羽二重は大都市や海外に流れてしまい、一般の人が目にする機会はあまりありませんでした。また時代とともに繊維産業自体が衰退していくこともあって、そんな福井の伝統的な名産品である羽二重をイメージさせる和菓子を作りたい、との思いから生まれたのが羽二重餅と言われています。

見た目にも上品で、やわらかな口当たりは、羽二重そのもの。羽二重の存在を知らなくても、羽二重餅を食べればその質の高さなどを実感できるのかもしれません。

羽二重餅の特徴

なめらかな食感が身上

羽二重餅の主な特徴を見てみましょう。

特徴1:きめ細かくやわらかな食感

羽二重餅の特徴といえば、きめ細かくやわらかな食感が挙げられます。そのソフトななめらかさは、まさに高級絹織物である羽二重そのもの。口のなかで優しく溶けるような味わいもぜひ楽しんでください。

特徴2:羽二重をイメージさせる短冊型

羽二重餅の2つ目の特徴は、短冊型であること。これは羽二重のように反物であることをイメージしているから。一般的に餅と言えば、丸や四角形をイメージするかもしれませんが、薄い短冊形は羽二重餅ならではです。

特徴3:材料は餅米・砂糖・水飴

羽二重餅の材料は、餅米、砂糖、水飴の3種類のみ。最初に餅米をこねて蒸しあげ、砂糖と水飴を加えて練り、それを板の上に流し、一口大の短冊形に切り揃えられます。店によって材料の配分は異なりますが、基本の材料はどこも一緒です。

ただし、砂糖や水飴を加えて練り上げ薄くのばしていく工程などは、わずかな火入れの加減や、その日の湿度や気温によって仕上がりが大きく変わってしまうものだとか。職人の丁寧な仕事によって生まれるのが、羽二重餅なのです。

特徴4:福井県産の「福井米」を使用している店が多い

羽二重餅は福井県を代表する和菓子ということで、多くの和菓子店が地元の福井県産の餅米を使用しています。福井産の材料を使った福井の味を楽しめるわけです。

特徴5:羽二重餅元祖は「松岡軒」

羽二重餅の発祥の店と言われているのが、明治38年に創業した老舗和菓子店「松岡軒」です。二代目店主が編み出した配合を今でも守り続け、絹のように薄くなめらかで、程よい甘さとふんわりと溶ける絶妙なバランスの羽二重餅が作られているといいます。

羽二重餅の食べ方

羽二重餅は、どうやって食べたらいいでしょうか?

食べ方1:そのまま食べる

もっともシンプルな食べ方は、そのまま食べる方法。羽二重餅はあまり長期保存できる和菓子ではありませんから、買ってきたりもらったりしたら、そのまま早めにいただきましょう。

食べ方2:冷やして食べる

暑い季節には、少し冷やしてから食べるのもおすすめです。冷蔵庫に入れて冷えたら、食べましょう。

食べ方3:あんこと一緒に

羽二重餅は、あんことの相性が抜群です。そこで、小豆料理と一緒に組み合わせてもいいでしょう。羽二重餅にあんこを添えてもいいですし、小豆を煮てぜんざいに羽二重餅を入れたり、お汁粉にしてもいいですね。

あんこを挟んでサンドイッチ風にも
あんこを挟んで和菓子サンドに

食べ方4:デザートのトッピング

羽二重餅は、デザートのトッピングにしてもいいでしょう。アイスクリームに添えたり、パンケーキに挟んだり、自分だけのおいしい羽二重餅のアレンジを探してみてください。

食べ方5:生の羽二重餅はヘラですくって

「生」の羽二重餅も販売されています。生の場合は、通常の羽二重餅よりも、さらによくのびて、ももちもち食感を楽しめます。

ただし食べ方は少し難しく、ヘラまたはスプーンを使って餅をすくうようにして食べます。食べやすいとは言えませんが、これも生ならではの魅力なので、ぜひ楽しむといいでしょう。

羽二重餅の作り方

羽二重餅を作る工程
餅米を蒸している工程

羽二重餅の作り方を簡単にご紹介しましょう。家庭では、餅米ではなく白玉粉を使うのがおすすめです。

材料

  • 白玉粉
  • 砂糖
  • 水飴

作り方

  1. 白玉粉に水を加えて、ダマがなくなるまでよく混ぜます。
  2. 電子レンジに入れて、時々ヘラで混ぜます。
  3. 砂糖と水飴も加えて、よく練ります。
  4. 片栗粉を敷いたバットまたはクッキングシートを敷いたバットに流し平たくのばします。
  5. 冷ましたら、短冊形にカットして出来上がり。

羽二重餅のおすすめ

福井県の現地に行かなくても、通販で購入できる羽二重餅もあります。まだ食べたことのない方は、注文してみてはいかがですか?

甘泉堂 羽二重餅

羽二重餅をはじめとした和菓子をつくる「甘泉堂」。地元、福井でとれた福井米を100%使用した羽二重餅をつくり続けています。絹のようなしったりとした触感と程よい甘みを感じられます。

ミニ生羽二重餅

釜から練り上げた餅をそのまま箱に流し込んだ、生の羽二重餅。いままでにない“とろっとした食感”が特徴です。熟練の職人が本練りした、もちもち&とろとろ感を楽しんでください。

新珠製菓 羽二重餅

餅米と砂糖だけのシンプルな材料でつくりあげた羽二重餅。きめ細かいもっちりとした食感と上品な甘さを楽しめます。

笑福堂 二味羽二重餅

福井県で初めて羽二重餅にきなこをまぶしたという「笑福堂」。白ときなこの2種類の羽二重餅の詰め合わせギフトです。しっとりとした食感に、きなこの香りと味が重なり、また格別のおいしさを感じられるはず。

冷やして食べる みかん羽二重餅

福井県敦賀市はみかん栽培の北限の地と言われるそう。そんな福井県産のみかんを使った、珍しいみかん味の羽二重餅です。程よい甘みと酸味とともにどうぞ。そのままでもおいしいですが、冷蔵庫で冷やして食べるとさらにおすすめ。

名前の由来を知るとさらに魅力を感じる「羽二重餅」

「羽二重餅」と変わった名前の和菓子は、福井県で盛んに作られてきた高級絹織物の羽二重が由来でした。伝統的な絹織物を普段は目にすることがないかもしれませんが、地域で伝わってきた伝統技術があるということを、羽二重餅を通して実感することができますね。

「羽二重餅はなんでこんな名前がか知ってる?」と、親子のコミュニケーションに花を咲かせてみてはいかがですか?

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文・構成/HugKum編集部

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