「皮膚」の3つの役割が私たちの体を守る。皮膚の基本構造と機能をおさえよう【親子で人体を学ぶ】

私たちの体全体は皮膚で覆われています。そのことからもわかるとおり、皮膚は体の最大の器官です。この皮膚には、3つの役割や、不思議な機能が備わっています。この記事では、皮膚の基本情報から、構造や機能、皮膚の健康を守るためのポイントまでを解説していきます。

皮膚の基本:体の最大の器官について

まずは、皮膚の基本情報を確認しましょう。

皮膚の役割とは?

皮膚には、3つの役割があります。

1つ目は、太陽光線や摩擦(まさつ)といった刺激や、細菌、ウイルス、毒物などから体を守る役割です。2つ目は、体温を調節する役割です。3つ目は、触覚、圧覚、痛覚、温覚、冷覚の5つを感じる受容器(じゅようき)の役割です。

このように「バリア」「体温調節」「センサー」の3つの役割が皮膚にはあるのです。

なぜ皮膚は重要なのか

もし人間に皮膚がなければ、体がすぐに傷ついて、体温調節ができず、感覚がなくなってしまいます。そうすると人間はすぐに弱ってしまうでしょう。皮膚は、人間にとって必要不可欠な器官なのです。

皮膚の面積と重さ

成人の場合、皮膚の面積は1.5〜2平方メートルもあるといわれています。これは畳1枚分に相当し、重さは2〜4kgです。

皮膚の三層:それぞれの特徴と働き

皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」の三層構造になっています。それぞれの特徴と働きを解説していきます。

最も外側:表皮の役割

皮膚の一番外側にあるのが「表皮」です。表皮の厚さは、手のひらや足の裏以外は約0.2mmほどしかありません。

皮膚の「表皮」は皮膚膜の下に四つの層がある
皮膚の「表皮」は皮膚膜の下に四つの層がある

表皮は「基底層」「有棘層」「顆粒層」「角質層」の4つの層からできており、基底層では新しい細胞が常に生まれて、古い細胞を上に押し上げます。角質層では、古くなった細胞が垢やふけとなってはがれ落ちます。

中間層:真皮とその機能

表皮の下にあるのが「真皮」です。真皮は「乳頭層」「乳頭下層」「網状層」の3つの層からできています。また皮脂腺や汗腺、血管などもここにあります。

真皮には、外部からの刺激を感じ取るセンサーの働きや、皮膚の形や弾力を保つ働きがあります。また体温調節や肌の環境を守る働きもあるのが特徴です。

最も内側:皮下組織の特性

最も内側にあるのが「皮下組織」です。皮下組織はおもに脂肪細胞でできています。ここには、神経や太い血管も通っています。

皮下組織は、外からの刺激を和らげるクッションのような働きや、栄養を貯えておく働きがあります。

皮下組織の下にはさらに筋膜(筋肉を包むタンパク質の線維でできた薄い膜がある

皮膚が果たす不思議な機能

皮膚には外からの感覚を感じたり、汗を出したり、体を守ったりする機能があります。これらのしくみを解説します。

感覚を伝える:触覚の仕組み

皮膚の真皮には、触覚、圧覚、痛覚、温覚、冷覚の5つの感覚を感じる機能があります。皮膚が外から刺激を感じると、真皮にある受容器がシグナルに変換し、その情報を感覚神経を通じて脳に伝えます。

体温調節:汗とは?

ヒトは、汗をかくことで体温を調節しています。

外気温が高いと、皮膚の血管が拡張します。このとき毛孔が開いて熱を放散し、さらに汗腺でつくられた汗を出します。この汗が蒸発するときに、体の表面の熱を奪って体温を下げているのです。

一方、外気温が低いときには皮膚の血管を収縮させ、体温が逃げないように調整しています。

発汗は体温調節になくてはならない仕組み

体を守る:皮膚の防御機能

角質層が担っている重要な役割が「皮膚の防御機能」です。角質層の働きによって、体外からの刺激(機械的・物理的な力、化学刺激物質、細菌、紫外線など)から体を守ります。また必要以上に体温を蒸発しないように、角質層内の水分は一定に保たれています。

皮膚の健康を守るためにできること

皮膚の健康を維持するためには、日焼け対策や正しいスキンケアが有効です。また、肌を健やかに保つ生活習慣についてもご紹介します。

日焼けとUV対策

皮膚の大敵のひとつが「紫外線」です。紫外線をたくさん浴びたり繰り返し浴びたりすることで日焼けし、肌の乾燥、肌荒れ、シミ、老化につながります。また、皮膚がんの原因にもなる可能性があるため注意が必要です。

紫外線は夏だけ、晴れの日だけでなく、くもりや雨の日にも一年中降り注いでいます。そのため、紫外線対策は1年中行うことが大切です。

紫外線対策には、日焼け止めを塗る、帽子や日傘を活用する、UVカット効果があるカーディガンなどを着るなどがあります。複数を組み合わせると、より効果的です。

UV対策をしっかりして、紫外線から皮膚を守りましょう

正しいスキンケアの方法

スキンケアでいちばん大切なことは、皮膚を清潔な状態にしておくことです。なかでも洗顔は、正しく行うことで皮膚の健康につながります。

正しい洗顔の仕方は次のとおりです。
【1】手をきれいに洗う。
【2】洗顔料はしっかりと泡立てる。
【3】泡を顔に当て、泡が潰れないようにしながらやさしく洗う。
【4】ぬるま湯でしっかり洗い流す。
【5】清潔なタオルでやさしく顔を拭く。

メイクをしている場合には、必ずクレンジングを行いメイク汚れを落としましょう。洗顔の前に蒸しタオルを顔にあてて肌をやわらかくしておくと、毛穴の汚れが落ちやすくなるのでおすすめです。

栄養と水分補給の重要性

皮膚は、食事内容によっても健康に保つことができます。皮膚に関係する栄養素と役割、おもな食材を見ていきましょう。

●タンパク質
体の細胞をつくる栄養素です。肉、魚、卵、大豆に多くふくまれています。
●ビタミンA
皮膚や粘膜の健康を維持します。レバー、卵、にんじん、ほうれん草に多くふくまれています。
●ビタミンB2とビタミンB6
コラーゲンの生成を助ける働きがあります。ビタミンB2は、レバー、ウナギ、卵、納豆など、ビタミンB6は、カツオ、マグロ、サバ、サンマ、バナナに多くふくまれます。
●ビタミンC
メラニンの生成を抑える働きがあります。アセロラ、キウイ、柑橘類、パプリカなどを摂りましょう。
●ビタミンE
抗酸化作用、血行促進作用があるのがビタミンEです。アーモンド、植物油、アボカドにふくまれています。
●亜鉛
新陳代謝を助ける働きがあります。牡蠣、ウナギ、牛肉などを摂取しましょう。

こういった栄養素をふくむ食べ物を摂り入れながら、1日3回栄養バランスのとれた食事を心がけることが大切です。

また皮膚の健康には水分補給も大切です。体内の水分が不足すると、末梢(肌表面)の血行が悪くなり、乾燥や肌荒れする恐れがあるからです。1日に必要な水分は約1.5Lといわれています。コップ1杯の水を、複数回に分けて飲む習慣をつけるとよいでしょう。

睡眠と運動

皮膚の再生を促す成長ホルモンは、眠っている間に分泌されます。そのため、質の良い睡眠を取ることも大切です。ぬるめのお風呂につかる、布団に入ったらスマホはオフにするなどして、睡眠の質を高めましょう。

また適度な運動を習慣づけると、体が温まり血行が改善されます。血行がよくなると、体のすみずみまで栄養や酸素をいきわたらせることができます。

重要な器官である「皮膚」の健康を維持しよう!

皮膚は「バリア」「体温調節」「センサー」の3つの役割をもっており、人間が生きていく上で必要不可欠な器官です。

健康な皮膚を維持するためには、紫外線対策や正しいスキンケアを行いましょう。また食生活を見直し、健やかな皮膚をつくる食べ物を積極的に摂り入れてください。質の高い睡眠や適度な運動なども、あわせて習慣化するようにしましょう。

こちらの記事もおすすめ

「毛細血管の不思議」髪の毛よりずっと細い!血管の99%を占めるその機能をさらに高めるために【親子で人体を学ぶ】
毛細血管とは?その微細な特徴 毛細血管とは、からだ中に張り巡らされた細い血管のこと。どんなものなのか、具体的に位置や構造などを見ていきまし...

小学館の図鑑NEO[新版]人間 (DVDつき)

構成・文/HugKum編集部

編集部おすすめ

関連記事