春に多発!子供の転落はちょっとした不注意で起こる【Safe Kids Japan】

イラスト 久保田 修康(Safe Kids Japan「子どもの傷害予防カレンダー 2019」より)

 

引っ越し、薫風、連休…4月、5月は転落予防を意識したい時期です

花粉の飛散も一段落、初夏の風が心地よい季節になりました。新しい年度を機に新居に引っ越したファミリーや、大型連休にご実家や旅行に出かけるファミリーも多いのではないでしょうか。

そんな心はずむ時期ですが、5月は1年のうちでもっとも転落事故の多い月(※2017年東京消防庁の調査による)。重傷度が高い転落事故から子供を守るために、保護者の皆さんができることは何かを考えます。

こんな事故が起きています!

転落は窓やベランダだけでなく、室内のロフト(屋根裏部分)、家具、公園などの遊具、電車のホームなど、さまざまなところで発生しています。赤ちゃんはベッドやバウンサー、いす、抱っこひもからの転落も多く見られます。

例1:ベビーベッドからの転落(11ヶ月児)

例2:大型遊具からの転落(3歳児)

例3:ロフトからの転落(5歳児)

※上記事例はいずれも日本小児科学会「Injury Alert(傷害速報)」より

自宅や実家、ホテル等の窓やベランダをチェック!

ご自宅のベランダはもちろん、ご実家やお友達の家のベランダもチェックしてみましょう。

イラスト 久保田 修康(Safe Kids Japan「ベランダ1000」プロジェクト 報告書より)

 

転落を予防するためにできること

ご自宅やご実家のベランダから子供が転落しないよう、上のイラストに示されているような対策を取る必要があります。また、もしお引越しを検討していたり、新しく家を建てる、またはリフォームする予定がある場合は、子供の転落予防に配慮した製品や環境を選ぶことも重要です。

キッズデザイン賞のサイトで検索すると、子供の安全に配慮した製品を見つけることができます。今回はその中から、この4月に安全対策の更なる充実が図られた製品をご紹介します。

ルシアス バルコニー(YKK AP株式会社)

2018年度、キッズデザイン賞「審査委員長特別賞」を受賞したこの製品は、東京都が提言する「子供のベランダからの転落防止のための手すりの安全対策」を踏まえた設計になっています。

具体的には、

・手すりの高さ:建築基準法が示す110cmより高い120cm以上→乗り越えにくい

・横格子のすき間:足がかりにできない間隔→よじ登りにくい

・手すり子の間隔:日本工業規格が示す110mmより狭い90mm以下→すり抜けにくく、物を落としにくい

 

といった設計上の配慮があります。

※参照 YKK AP株式会社によるニュースリリース

キッズデザイン賞関連イベントにおける「ルシアス バルコニー」の展示

 

子供が重大な傷害を負わないようにするためには、「キッズデザイン」(次世代を担う子供たちの健やかな成長発達につながる社会環境の創出のために、デザインのチカラを役立てようとする考え方 キッズデザイン協議会のホームページより)の考え方を取り入れた製品を使用することが大切です。

 

 

Safe Kids Japanとは

私たちSafe Kids Japanは、事故による子供の傷害を予防することを目的として活動しているNPO法人です。2018年6月からこのHugKumで、子供の傷害予防に関する記事を配信しています。基本的に毎月1回、季節や年中行事などに関連した内容の記事をお送りしたいと考えています。

さて、「事故による傷害」、「傷害予防」という言葉、あまり聞き慣れないかもしれません。私たちがなぜ「事故」ではなく「傷害」という言葉にこだわっているのか、について、はじめに少し説明させてください。

 

事故?傷害?その違いは?

「事故」という言葉を辞書で調べてみると、「思いがけなく起こった良くないできごと」とあります。英語で言うとaccidentですね。accidentは「意図しない不幸なできごと」という意味で、「避けることができない運命的なもの」という意味も含まれています。海外でもかつてはaccidentを使っていましたが、最近ではinjuryという言葉が使用されるようになりました。injuryは「ケガ」「負傷」という意味です。「事故」は科学的に分析し、きちんと対策すれば「予防することが可能」という考え方が一般的になり、「運命的な」という意味を含むaccidentではなく、injuryという言葉を使用することが勧められるようになったのです。今ではaccidentという言葉の使用を禁止している医学誌もあるくらいです。

そのinjuryに対応する日本語として、Safe Kids Japanでは「傷害」という言葉を使っています。よく「事故予防」と言われますね。もちろん事故そのものが起きないことがいちばんなのですが、たとえ事故が起きたとしても、(重大な)ケガはしないように備えよう、そんな思いも込めて、「傷害予防」と言っています。

 

NPO法人Safe Kids Japan

 

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