子育て中の家庭に給付される「児童手当(子ども手当)」。これは、申請すれば必ず給付金がもらえる制度です。どんな制度なのか、その申請方法などを解説します。また、以前あった「子育て給付金(子育て世帯臨時特例給付金 )」とはどう違うのか、「児童手当(子ども手当)」以外の給付金についても紹介します。
目次
子育て給付金(子育て世帯臨時特例給付金 )はもう利用できない!
「子育て給付金」は2016年に廃止された制度です。どんな制度だったのでしょうか。
2016年に廃止された「子育て給付金」とは?
「子育て給付金」は、正式には「子育て世帯臨時特例給付金」と言います。これは、2014年、消費税率引上げの影響等を踏まえ導入された制度で、子育て世帯に対して、臨時特例的な給付措置として支給されていました。しかしながら、2016年にこの制度は廃止。理由は明確にされていませんが、政府の財政難が理由という向きがあります。
誰にどのような条件でいくら支給されていたの?
支給対象者は、それぞれの年度の6月分の児童手当の対象となる児童(0歳から中学修了時まで)のみが対象。2014年度は対象児童1人につき、10,000円、2015年度は対象児童1人につき3,000円が支給されていました。
児童手当(子ども手当)を活用しよう!
「子育て給付金」が廃止になった現在。それとは異なる給付金に「児童手当」があります。その詳細を解説します。
「児童手当」と「子育て給付金」の違い
「児童手当」と「子育て給付金」の大きな違いは、所得制限限度額が設けられていることです。また、毎年6月に、現況届を市区町村に提出しなければなりません。この現況届は、毎年6月1日の状況を把握し、6月分以降の児童手当等を引き続き受ける要件(児童の監督や保護、生計同一関係など)を満たしているかどうかを確認するためのものです。
児童手当の支給額はいくら?
支給額は、年齢や何人目のお子さんかによって異なります。
0歳~3歳未満は月額15,000円
3歳から小学校修了前は、第1・2子は月額10,000円、第3子以降は月額15,000円
中学生は、一律で月額10,000円
所得制限限度額以上の場合は、特例給付として月額5,000円
となっています。
いつ、どんなタイミングで支給されるの?
支給されるのは、毎年2月、6月、10月の年3回です。各前月までの4カ月分が支給されます。
いつまで支給されるの?
支給は、中学校修了(15歳に到達後の最初の年度末)までです。
児童手当(子ども手当)の所得制限に注意!
「児童手当(子ども手当)」には、「子育て給付金」と異なり、所得制限限度額が設けられています。それにより、支給額が少なくなる場合も。その計算方法などを解説します。
所得制限限度額の計算法
「児童手当」の所得制限限度額の計算方法は、
所得額 − 控除額 − 8万円(施行令に定める控除額) = A
この計算で算出したAを、所得制限限度額と比較します。
所得制限限度額の一覧
扶養親族等の数 所得制限限度額(万円) 収入額の目安(万円)
0人 622.0 833.3
1人 660.0 875.6
2人 698.0 917.8
3人 736.0 960.0
4人 774.0 1002.1
5人 812.0 1042.1
所得制限限度額は上の表のように、扶養親族等の人数で異なります。扶養親族等の人数が0人の場合は、所得制限限度額は622万円です。以降、1人につき38万円ずつ加算されます。ただし、扶養親族等が老人控除対象配偶者・老人扶養親族に該当する場合は、1人につき44万円の加算となります。
共働きの場合はどうなる?
共働きの場合は、注意が必要です。児童の父母ともに所得がある場合は、所得が高いほうが受給者となります。例えば、父の方が所得が高く、母は父の扶養(控除対象配偶者)ではない場合、所得が高い父が受給者です。
年収が所得制限限度額以上の場合
所得制限限度額以上の場合は、特例給付として月額5,000円が支給されます。
児童手当(子ども手当)の手続き・申請方法
ここでは、「児童手当(子ども手当)」の手続き・申請方法をご紹介します。
子供が生まれたらすぐにすべきこと
出生の日の翌日から15日以内に、現住所の市区町村に「認定請求書」を提出します。
児童手当を受け取るための手続き
認定請求書を現住所の市区町村に提出します。市区町村の認定を受ければ、原則として、申請した月の翌月分の手当から支給されます。
里帰り出産や引っ越し、転勤の場合はどうする?
里帰り出産などで、母親が一時的に現住所を離れている場合も、現住所の市区町村への「認定請求書」の提出が必要となるので気をつけてください。
また、引っ越しや転勤の場合にも、現住所の市区町村に「認定請求書」を提出すること(申請)が必要です。転入した翌日から15日以内に転入先の市区町村に申請しましょう。
児童手当(子ども手当)以外の給付金
「児童手当(子ども手当)」以外にも、給付金制度があります。該当する方は申請することをおすすめします。
児童扶養手当
父母の離婚などで、父又は母と生計を同じくしていない子どもが、育成される家庭(ひとり親家庭等)の生活の安定と自立の促進に寄与した制度です。子どもの福祉の増進を図ることを目的として、手当てが支給されます。
特別児童扶養手当
20歳未満で精神又は身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母等に支給される手当てです。これらの児童の福祉の増進を図ることを目的とされています。
高等学校等就学支援金
この制度は、授業料に充てるための就学支援金を支給することにより、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図ること、教育の実質的な機会均等に寄与することを目的とした制度です。国公私立問わず、高等学校等に通う所得等要件を満たす世帯で、年収約910万円未満の世帯)の生徒に対して授業料に充てるため、国において、高等学校等就学支援金が支給されます。
幼児教育無償化
2019年10月から、幼児教育・保育の無償化の実施が決定しました。対象は、小学校へ入学する前の0歳児から5歳児です。ただし、無償化開始にはまだ時間がありますから、条件などは微調整がある可能性も。今後の政府の動向に注目しておく必要がありそうです。
きちんと申請してしっかり受け取ろう
児童手当などの制度は、市区町村に申請する必要があります。出生時や引っ越しのときは、特に忘れがち…。きちんと申請して、しっかり手当てを受け取りましょう。
関連リンク
子育て世帯臨時特例給付金-厚生労働省
児童手当制度の概要-内閣府
児童手当制度のご案内-内閣府
所得制限限度額はどうすればわかりますか-秩父市
高校生等への修学支援-文部科学省
文・構成/HugKum編集部