ブロッコリーは、つぼみを食べる緑黄色野菜の代表です。特に、ビタミンA・C・Eが多く含まれているところに注目。これは、ビタミンACE(エース)と呼ばれ、単独で摂るよりも3つ組み合わさっている方が相乗効果を発揮する栄養素として知られています。ただ、保存状態が悪いとすぐに変色してしまいがち。上手に保存して、栄養素を丸ごといただきましょう♪
目次
芯まで無駄にしない!ブロッコリーの基本の調理方法
ブロッコリーは、ビタミンA・C・Eが豊富です。中でも、ビタミンCはレモンの2倍とか! 栄養素を無駄なく摂るための洗い方とゆで方のコツをご紹介します。
ブロッコリーの洗い方
ブロッコリーは、つぼみが重なり合っているため、洗うときは小房に分けてから洗うのが基本です。つぼみとの間に、汚れや農薬がけっこうたまっている場合があるからですね。洗い方は、小房に分けてから、塩水の中に入れてやさしくふり洗いします。
茎の部分は、つぼみよりもビタミンCが多いため捨てずに食べること。皮を厚めにむいて一緒に洗えばオッケーです。
栄養素を流失させない正しい茹で方
ブロッコリーに含まれる、優秀なビタミンA・C・E(エース)。ビタミンAとEは脂溶性ビタミンですが、Cだけ水溶性のビタミンになります。そのため、茹でるとビタミンCの流失が少し心配に。
この場合は、茹でるときに塩ではなく、大さじ1程度の油を入れてみてください。油がコーティングの役割を果たすといわれています。ビタミンA・C・Eをバランスよく摂取できる知恵です。
ゆでた後は、水っぽくなるため水にさらさないこともポイント!
レンジの加熱調理方法
ブロッコリーはアクがないため、電子レンジ加熱に向いている野菜です。この場合も小房に分けてよく洗いましょう。
例えば、100gのブロッコリーに対しての加熱時間は、600Wで約1分半から2分が目安。
耐熱用の皿にブロッコリーを並べ、大さじ2程度の水を全体にかけてからラップをします。
茎をつぼみと一緒にレンジ加熱する場合、茎の方がかたいため、つぼみの様子をみてやわらかくなっていたら先に取り出しましょう。
冷蔵と冷凍、どっちがいい?ブロッコリーの正しい保存方法
では、実際にブロッコリーの保存はどのようにするのがベストなのでしょうか。冷蔵と冷凍の違いをチェックしてみましょう!
冷蔵保存する場合
ブロッコリーは冷気に弱いため、3層に包んでから保存すると安心です。まずは、キッチンペーパーでつぼみ部分を覆うように包みます。
次に、その上からラップをします(ラップは、ブロッコリーから出るエチレンガスを抑えてくれます)。最後に、ポリ袋をかぶせて軽く口をしばれば完成です!
冷凍保存する場合
冷凍する場合は、先に茹でておくのがコツです。前出の「栄養素が流失しない茹で方」を参考に、小房にして固めに茹でましょう。
水にとらずにざるに上げて(この方法を「陸(おか)上げ」といいます)粗熱がとれたら、冷凍用保存袋に空気を抜いて保存しましょう。
保存期間はどれくらい?長持ちさせるポイントは?
ブロッコリーを冷蔵・冷凍のそれぞれの方法で保存する場合、保存期間はどれくらい持つのでしょうか。
冷蔵保存の場合
ブロッコリーを丸ごと冷蔵保存した場合で、約2週間は保存可能です。
冷凍保存の場合
小房にしてから固めに茹でて約1か月は保存可能です。解凍時は、冷凍のまま加熱調理しましょう。
ブロッコリーを長持ちさせるポイントは?
できるだけ長持ちさせるには、野菜が育った環境を作ってあげるのが一番。土に埋めるのは難しいですが、つぼみを上に茎部分を下にして保存してあげるとよいです。
丸ごと冷蔵庫で保存する場合も、3層に包んだ後に立てて保存するように心がけましょう。
ペットボトルの先をカットすれば、簡易に自立できて便利です。
ビタミンCが多いことから、美肌効果も高いといわれるブロッコリー。シミ予防など、これからの季節に積極的に食べたい野菜のひとつです。正しく保存して、いろいろな料理に役立ててくださいね。
撮影・文/川越光笑(たべものライター・発酵食スペシャリスト)
レンジでできる♪ブロッコリーの簡単レシピ
【1】ブロッコリーツリー
お弁当のすきまを埋めるプチおかずにオススメの一品です。作り方もとてもシンプルで、見た目はなんとも可愛い。お弁当だけでなく、家での食卓のおさらに添えるのもOK!
◆材料
ブロッコリー 1房
ピザ用チーズ 大さじ1
スライスハム 適量
◆作り方
【1】ピザ用チーズを耐熱容器に入れてレンジ(600W)で15秒加熱し、ゆでたブロッコリーにからめる。
【2】ストローで抜いたスライスハムを飾る。
教えてくれたのは
中村陽子さん
料理研究家。味はもちろん、見た目の美しさも重要視したオリジナル料理が人気。持ち前の美的センスと器用さを活かしたモチーフ料理に定評があり、書籍も多数。一男一女の母。
『めばえ』2016年6月号
ブロッコリーを使ったアレンジレシピのおすすめ
【1】豆腐のそぼろ煮
ブロッコリーたっぷりのやさしいうま煮。ブロッコリーと豆腐の栄養もバッチリ取れます。副菜に迷った時の一品に最適!そぼろは冷凍で2~3ヶ月保存できるのでぜひ常備して。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
肉そぼろ 100g
豆腐 1.5丁(450g)
ブロッコリー 1/2個
【A】
鶏ガラスープのもと 小さじ1
水 1カップ
しょうゆ 少々
【B】
片栗粉 小さじ2
水 大さじ1
◆作り方
【1】豆腐は手で一口大に割り、キッチンペーパーにのせて水きりする。ブロッコリーはつぼみから削りながら刻む。
【2】フライパンに【A】と肉そぼろ、【1】を入れて中火にかけ、煮立ってから5~6分煮て、しょうゆで味を調える。【B】を混ぜて加え、とろみをつける。大人は好みでラー油をかける。
◆ポイント
ご飯のともにも、おかずにも万能な肉そぼろの作り方。
■材料
(作りやすい分量)
豚ひき肉 300g
しょうゆ 大さじ2
砂糖 大さじ2
しょうが汁 小さじ1
片栗粉 大さじ1
■作り方
【1】耐熱容器に材料をすべて入れてよく混ぜ、中央をドーナツ状にくぼませる。
【2】ラップはかけずに電子レンジで6分加熱し、すぐにフォークなどで細かくほぐす。
ドーナツ状にするとムラなく加熱できる。片栗粉が余分な汁けを吸って、肉がふっくら!
教えてくれたのは
ほりえさわこさん
祖母の故・堀江泰子先生、母のひろ子先生と3代にわたって料理研究家。明るいお人柄と、ラクしておいしく作るアイディア豊富なレシピが人気。幼い姪っ子から祖父まで、みんないっしょに食卓を囲んでいる。
『ベビーブック』2017年12月号
【2】ツナと卵の甘酢あんかけ
ササッと簡単!卵にツナの旨味も加わりおいしさプラス。野菜も加えて栄養も満点!甘酢をかけたらできあがり!
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
ツナ(缶詰) 80g
ブロッコリー 1/3株
【A】
長ねぎ 1/2本
トマト 1個
チーズ 150g
コーン 大さじ3
卵 4個
サラダ油 適量
【B】
水 1と1/2カップ
鶏ガラスープの素 小さじ2
砂糖・酢 各大さじ4
しょうゆ 大さじ2
【C】
片栗粉・水 各大さじ1
◆作り方
【1】ブロッコリーは小房に分けてゆでる。【A】は細かく刻む。
【2】ツナ、コーン、【1】を合わせ、卵を加えてよく混ぜる。
【3】フライパンにサラダ油を熱して【2】を流し入れ、菜箸で大きくかき回しながら加熱してまとめ、器に盛る。
【4】【3】のフライパンで【B】をひと煮立ちさせ、混ぜ合わせた【C】を加えてとろみをつけ、【3】にかける。
教えてくれたのは
尾田衣子さん
「ル・コルドン・ブルー」やイタリアにて料理を学び、OLから料理研究家に転身。現在、「料理教室Assiette de KINU」を主宰。男の子のママでもある。
『めばえ』2014年2月号
【3】和風コールスローサラダ
たっぷりの野菜だけでなくかつお節やゴマがはいった優秀な副菜。味付けも冷蔵庫にある調味料だからとっても簡単!
◆材料
(大人3~4人分)
キャベツ 4枚
にんじん 1/2本
塩 小さじ1/4
ブロッコリー 1/2株
コーン(缶詰) 大さじ5
かつお節 4g
白すりごま 大さじ2
めんつゆ(3倍濃縮) 大さじ1
マヨネーズ 大さじ3
◆作り方
【1】キャベツ4と、にんじんをせん切りにし、にんじんは塩小さじをふってもみ、汁けを絞る。ブロッコリーは小房に分けてゆでる。
【2】【1】とコーン大さじ5 をあわせ、かつお節、白すりごま、めんつゆ、マヨネーズを加えて混ぜ、塩で味を調える。
教えてくれたのは
ほりえさちこさん
栄養士、フードコーディネーター、飾り巻き寿司インストラクター1 級。男の子のママ。育児経験を生かした簡単で栄養バランスのとれた料理やかわいいレシピが人気。
『ベビーブック』2018年2月号
【4】ブロッコリーと鮭のカレーキッシュ
生クリームと卵のキッシュはなめらかな味わいで子供に人気です。相性のいい鮭と、カレーの風味が味を引き締めます。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
ブロッコリー 1/2株
鮭(生) 小2切れ
玉ねぎ 1/2個
サラダ油 小さじ1
塩 少々
卵 3個
【A】
牛乳 150cc
生クリーム 150cc
カレー粉 小さじ1/2
塩 少々
ピザ用チーズ 50g
◆作り方
【1】ブロッコリーは小房に分ける。鮭は皮と骨を除き、2cm幅に切って塩をふる。玉ねぎはみじん切りにし、サラダ油を熱したフライパンでしんなりするまで炒めて、冷ます。
【2】卵をボウルに割りほぐし、【A】を混ぜ合わせる。
【3】耐熱容器に【1】とチーズを入れ、【2】を流し入れ、160℃のオーブンで20分を目安に火が通るまで焼く。
教えてくれたのは
上田淳子さん
ヨーロッパや日本のレストランなどで修業後、料理研究家として雑誌、書籍、テレビなどで活躍。双子の男の子の母。近著に『共働きごはん』(生活の友社)など。
『めばえ』2015年1月号
【5】ブロッコリーと豆腐のナゲット
チキンナゲットにブロッコリーを混ぜ込んで彩りと栄養価を加えます。子どもが大好きなふわふわの食感が◎。
◆材料
(大人2人+子ども1人分)
ブロッコリー 1株
鶏胸肉 400g
卵 1個
木綿豆腐 1/2丁(150g)
鶏ガラスープの素 小さじ1
小麦粉 大さじ1~2
塩 適量
油 適量
◆作り方
【1】ブロッコリーはやわらかく塩ゆでし、みじん切りにする。鶏胸肉はスライスしてみじん切りにし、さらにたたいておく。
【2】ボウルで【1】のブロッコリーと肉、卵、豆腐、スープの素、小麦粉を混ぜる。
【3】フライパンに油を深さ1cmほど入れて中火で温め、スプーンですくった【2】の表面に薄く小麦粉(分量外)をまぶして落とし入れ、きつね色になるまで揚げる。
教えてくれたのは
井澤由美子さん
いざわゆみこ/料理家。調理師、国際中医薬膳師、中医師の免許をもち、健やかな体作りをサポートする食レシピを多数考案。旬の食材の効能と素材の味を生かした料理に定評があり、発酵食と身近な薬膳を組み合わせた独自のメソッドが人気。テレビの料理番組、雑誌、書籍、カタログなど幅広く活躍。
『めばえ』2017年3月号
構成・文/HugKum編集部