チリってどんな国?
南北に4300kmも広がる細長い国、チリ。南米に走るアンデス山脈もあり、6000m級の高山が多くあります。また、チリでは鉱業が主産業で世界にも多くの鉱物を輸出しています。そんなチリはどんな国でしょうか?
チリ基本情報
まずは、チリの場所、首都、面積、人口などの基本情報から見てみましょう。
国名
チリ共和国
首都
サンティアゴ

場所
チリがあるのは、南米大陸の南西部。南北に4300kmにもわたる細長い国で、東はアルゼンチン、西は太平洋に面し、北にはペルーやボリビアと接しています。
日本との時差
12時間
日本のほうが、チリより12時間進んでいます。
面積
756,000㎢
日本の面積が約380,000㎢ですから、チリの面積は日本の約2倍です。
エリア
チリには16の州があり、首都サンティアゴがあるのは首都州です。
人口
1949万人
東京都の人口が約1400万人ですから、チリの人口は東京都の人口の約1.4倍です。
言語・公用語
スペイン語
通貨
チリ・ペソ
1チリ・ペソ=0.16円(2024年4月3日現在)
宗教
カトリック(15歳以上人口の70.0%)、福音派(15歳以上人口の15.1%)など

歴史
かつて先住民が暮していたと言われるチリ。1492年にコロンブスがアメリカ大陸に到達すると、やがて南米にもヨーロッパから人々が訪れるようになっていきました。そして16世紀頃からはスペインの植民地時代が始まります。
しかし、1776年にアメリカが独立宣言をはたし、1789年にはフランス革命が起きたことなどから、南米でも独立を求める声が上がってきました。そして1818年にはチリはスペインから事実上、独立したのです。
天気・気候
チリは南北に4300kmも細長くのびる国で、さらに西側は太平洋に面し、東側には標高6000m級のアンデス山脈があるほか、アタカマ砂漠などもあるため、地域によって気候が異なります。
アタカマ砂漠のような荒涼とした地形が多い北部は、乾燥が激しい砂漠気候。首都サンティアゴもある中央部は、夏は高温になり乾燥し、冬になれば温暖になる地中海性気候です。南部は涼しく雨が多くなります。
チリの治安・住みやすさ

もしチリを訪れるなら現地の治安がどうなのか、もし暮らすことになるなら住みやすさがどうなのか、調べてみました。
治安は十分な注意が必要
南米というと治安が悪いイメージがあるかもしれませんが、チリの治安は、ほかの南米の国々に比べると比較的安定していると言われています。外務省「海外安全ホームページ」によると、チリの治安情報は、「十分注意してください」と呼びかけるレベル1。
これまで中南米の中では比較的治安が良い国と考えられてきたチリですが、近年は、殺人・強盗・性犯罪などの凶悪犯罪を含めた、さまざまな犯罪が増加傾向にあります。とくに、2019年に集団で騒ぎを起こし社会の秩序を乱す「社会騒擾(しゃかいそうじょう)」が起きてから、人々の不満がくすぶっていて、治安情勢が悪化しています。
レストランやカフェで、椅子に置いていた荷物を盗まれたり、中から財布を抜き取られたりするケースも多く、ショッピングセンターでの強盗なども発生しています。そのため、もしチリを訪れる際は十分な注意が必要です。
住みやすさはまずまず
チリに在留する日本人の数は約1500人。首都サンティアゴには日本人学校があるなど、それなりの数の日本人がチリに移住して暮らしています。治安面では注意が必要ですが、中南米のなかでは、比較的暮らしやすい場所のひとつと言えるかもしれません。

チリの見どころ・観光
チリの観光スポットや見どころをご紹介しましょう。
イースター島
モアイ像があることでおなじみのイースター島は、チリの領土です。
チリの首都サンティアゴから西に約3700km、タヒチから東に4000km離れた位置に浮かぶ島。現地の名前ではラパ・ヌイといい、ラパ・ヌイ国立公園が世界遺産に登録されています。

イースター島にあるモアイ像は1000体ともいわれており、なぜモアイ像が作られたのかはまだわかっていません。絶海の孤島にモアイ像が並ぶ景色は、とても神秘的。多くの観光客が訪れる人気スポットです。
アタカマ砂漠
アタカマ砂漠はチリ北部にある砂漠で、世界三大砂漠のひとつです。

アタカマ砂漠があるのは標高約2000mのエリア。そんな過酷な場所であることから、アタカマ砂漠への道のりは「死への道」などと恐れられてきました。
ほとんど雨が降らず、乾燥してクリアな空が広がることから、「天体観測の聖地」とも言われ、国立天文台の望遠鏡が設置されているほか、天体観測を楽しむツアーも人気です。
パタゴニア
パタゴニアは、チリ南部にあり、コロラド川を境にしてアルゼンチンとチリにまたがるエリア。険しい山と氷河、フィヨルド、滝など、自然がつくりだした絶景が広がります。

トレッキングを楽しんだり、氷河ハイキング、氷河クルーズなどのアトラクションに参加したり、大自然を満喫できます。
チリの特徴・有名なもの
チリで有名なモノには何があるでしょうか?
主産業は鉱業
チリの主産業は、鉱物資源を採掘する鉱業。エスコンディーダ鉱山・コジャワシ鉱山・ロスペラン ブレス鉱山などの数々の鉱山があります。とくにメインとなるのは銅で、世界の銅生産量の約3割はチリが占めているほどです。
チリワイン
チリではワインが製造されています。チリ中央部は、ヨーロッパの地中海地方と同じような、地中海性気候。さらに日照時間が長く、ブドウがたくさんの太陽の光を浴びて育ちます。
そんなブドウの品質のよさと、コストパフォーマンスの良さから、世界中でチリワインが人気。日本にも多くのチリワインが輸入されています。

温泉がいっぱい
チリは火山が多い国。そのため、たくさんの温泉があります。日本のように裸で入浴するのではなく、水着を着て男女混浴で楽しみます。
森林のような大自然のなかで楽しめる露天風呂もあり、日本人もゆっくりと浸かって楽しめそうな温泉がたくさんあります。
地震が多い国
チリは地震が多い国としても知られています。それは現在も活動を続ける多数の火山が分布するペルー・チリ海溝があるから。
これまでに起きた大きな地震には、1960年のマグニチュード9.5の観測史上最大の巨大地震「チリ地震」をはじめ、2015年にはチリ北部で、2014年にはアリカ付近などでマグニチュード8クラスの大きな地震が発生しています。
南米の国チリには魅力がいっぱい
アルゼンチンの隣にある南米の国、チリ。イースター島があることでもおなじみかもしれません。そんなチリは、ワインや鉱業でよく知られているほか、温泉が数多くある場所で、日本人にとっても親しみを感じやすい国と言えるかもしれません。
ちょうど日本から見ると、地球の反対側に位置するチリについて、この記事を通して、興味を持って色々と知ってみてはいかがですか?
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文・構成/HugKum編集部