「ありがとう」の気持ちがお金… 幼児期のポジティブな体験が育むしあわせなお金の使い方【幼児期のマネー教育】

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キャッシュレスが身近になり、お金の価値が伝わりづらくなっています。でもお金は一生付き合うものだから、小さなうちからお金の大切さを伝えることが大事。
親子でたのしみながら、今日からお金と仲良くなるコツについて、金融教育実務家/ファイナンシャル・プランナーのキャサリンとナンシーさんにうかがいました。
(めばえ別冊『Fun Fam』2024年4月号より)

小さなうちから納得してお金を使うことがずっと生きてきます

幼児期(2~4歳)に、お金のことを伝えるのはまだ早い?「いえいえ、そんなことはありません。数字の概念がはっきりと身につい ていない小さなお子さんも、ごっこ遊びや絵本、毎日のお買い物などを通して、まずはお金と仲良くなることが大事です」と、キャサリン&ナンシーさん。

幼児期に身についたお金の使い方や考え方は、将来のお金との付き合い方にもつながります。だから小さなうちから「自分が納得して使った」というポジティブな体験を重ねてゆくことが大切なのだとか。

また、育った環境、つまり家族の影響も受けやすいといいます。

「教えようと身構えなくても大丈夫。お金を出しっぱなしにしない、お札はお財布にきれいに入れるなど、ご両親がお金と丁寧に向き合う姿を見せたり、ふだんからご家族でお金の話をしたりするのもよいですね。そして、『お金を使うことがしあわせにつながる』 と感じられる使い方を、親子でいっぱい体験しましょう」。

お金は「ありがとう」のしるしです

お互いにほしいものを交換する物々交換がお金の原点。時代を経て、お金という便利な道具ができ、ものやサービス、労働への対価として使われるようになりました。

「お子さんに『お金ってなあに?』と聞かれたら、私たちは『ありがとう』のしるしと伝えています。相手への感謝や大切に思う気持ちなのだと、まずは道徳的なことから伝えると『だからお金も大切なんだ』と理解してくれる場合が多いですよ。
お子さんと一緒にお出かけして、お店のレジやバスでお金を払うときなど、お金と一緒に『ありがとう』の言葉を添えてみるとよいですね」

【遊びを通じて大切さを知る】身近なポジティブお金体験

小さなうちから重ねられる、日常にある「ありがとう」のしるしとは?

遊びを通して大切さを知る

おもちゃのレジやお金を使ってお買い物ごっこをするのも、「ありがとう」のしるしを交換する練習につながります。

「お買い物をする側、お会計をする側、どちらも代わるがわる、いっぱい体験してみてください」(ナンシーさん)

祖父母からのお小遣いやお年玉は使って「ありがとう」

ついつい親が預かりがちな、お小遣いやお年玉。「小さなお子さんも、自分のお金として納得して使うよい機会の一つです」とキャサリンさん。

「使った内容を報告がてら『ありがとう』の一報を入れるとよろこばれますよ」

食べておいしい、買えてうれしい。お金を使うってしあわせ!

お金は使ったときに自分や家族をしあわせにしてくれると、日々実感することも大事。

「家族でおいしいものを食べたら『おいしくてしあわせ』、欲しいものを買ったら『買えてうれしい』など、思うだけでなくよろこびを言葉にします」(キャサリンさん)

自己実現できた幸福とお金のありがたみをより感じ、ポジティブなお金体験が重なってゆきます。

『1つほしいものを買う』おつかい体験

何を買うか決め、選び、お金を払って……お買い物にはすることがいっぱい。小さなお子さんは「ありがとう」の交換と「自分で納得して買った」を体験できる、簡単なおつかいをしてみます。予算は設けず、買うのは自分がほしいもの。

「数字の概念がはっきりしていなくても『1つ』はわかるお子さんが多いと思います。お祭りの露店やフリーマーケットは、やりとりもシンプルで見守りやすいですよ」(ナンシーさん)
「行き慣れたコンビニもよかったです」(キャサリンさん)。

「ありがとう」があつまるお手伝いシート

当時3歳だったお子さんに我慢も覚えてほしいと、お手伝いシートを始めたキャサリンさん。

「お手伝いするごとに『ありがとう』とスタンプを押し、全部あつめたら『ありがとう』のしるしだよとお小遣いを渡しました。洗濯物を取り込む、くつを揃えるなど、子どもが小さな家事に気づくきっかけにも。子どもたちは今、自然にお手伝いしてくれます」

我慢の結果がよろこびにつながることで、成長に伴うお金のやりくりにも役立ちます。

園バッグを拭く、くつを揃える…ものを大切にすると愛着の気持ちがめばえる

「買ったものに感謝して大切に使うと、愛着も湧きます」(ナンシーさん)

水を出しっぱなしにしない、ごはんを残さないなど、「もったいない」の気持ちを伝えることも、周りの全てに大切なお金がかかっているのだと感じるよい機会です。

みんなが「ありがとう」を交換しているからお金はしあわせになることに使おう。その土台さえしっかりすれば伝え方は、ご家庭ごとの方法で大丈夫です。おうちの方も一緒にポジティブ体験を重ねてみてくださいね!

教えてくれたのは

キャサリンとナンシー 金融教育実務家/ファイナンシャル・プランナー

ともに、証券会社出身で子育て中のファイナンシャル・プランナー。お金のお医者さんとして、公立小学校や金融庁などをはじめとする公的機関を中心に授業を行っている。2022年4月に株式会社マネイクを設立。小学生や親子に向けた金融教育、大人向け投資教育など、講座実績は500を超える。金融教育に関する監修・コンサルティング、テレビ出演、著書などで活躍中。https://www.katherineandnancy.com

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めばえ別冊『Fun Fam』2024年4月号初出
イラスト/ナツノマエコ
文・構成/ニイミユカ

親と子をつなぐ、2・3・4歳の学習絵本『めばえ』。アンパンマン、きかんしゃトーマスなど人気キャラクターと一緒に、お店やさんごっこや乗り物あそび、シールあそび、ドリル、さがしっこ、めいろ、パズル、工作、お絵かきなど、様々なあそびを体験できる一冊。大好きなパパ・ママとのあそびを通して、心の成長と絆が深まります。

再構成/HugKum編集部

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