カレーに梨⁉︎ 埼玉の「梨カレー」作ってみたら意外に美味しかった! ドレッシングへの応用もご紹介

埼玉のご当地カレー、「梨カレー」をご存じでしょうか? 「カレーに梨⁉︎」と、びっくりするかもしれませんが、カレーに甘さとコクが加わり、子どもにもおすすめなんです。本記事では、梨カレーについて、なぜ梨を入れるようになったのか、梨の種類や、おすすめレシピなどを紹介していきます。

埼玉の梨カレーとは?

カレーの隠し味として、すりおろしたりんごを入れたことがある方は多いのでは? しかし、「梨を入れるなんて初めて聞いた」という方も多いように思います。

埼玉のご当地カレーには、「梨カレー」または「梨入りカレー」といわれるものがあります。どんなカレーで、どんな味になるのか気になりますよね? ご紹介していきましょう。

すりおろした梨を入れる

「梨カレー」は、切った梨が入っているわけではありません。梨をすりおろして、ピューレ状にしたものが入っています。そのため、見た目は、一般的なカレーとあまり変わりません。

どんな味になる?

すりおろした梨を入れるので、梨の甘さとフルーティーな味わいが、カレーがまろやかになります。そのため、辛いのが苦手な方や、子ども用のカレーにもおすすめです。

なぜカレーに梨?

埼玉では、久喜市、白岡市などをはじめとする、埼玉県東部、また県北部の神川町や上里町で梨の生産が盛んに行なわれています。

収穫しても傷があったり、形がいびつなものなど、出荷できる基準に達しない梨は、廃棄されていました。しかし、それを有効活用しようと開発されたのが、「梨カレー」です。市場に出回らないような規格外の梨をペースト状にして、カレーに入れ、ご当地カレーとして生みだされました。

また、二十世紀梨の産地として有名な鳥取にも、「二十世紀梨カレー」というものがあります。そのほかにも、梨の生産、全国1位の千葉でも、梨のピューレを入れたカレーが販売されているようです。

埼玉の梨にはどんな品種がある? 旬は?

埼玉では、「幸水(こうすい)」「豊水(ほうすい)」「新高(にいたか)」、埼玉オリジナル品種の「彩玉(さいぎょく)」を中心に栽培されています。

それぞれ特徴や旬をチェックしていきましょう。

・「幸水」… 日本で売られている代表的な梨のひとつで、黄緑に薄茶色がかった見た目が特徴。シャキシャキとした食感に、甘みが強く、果汁たっぷりで人気の高い品種です。8月上旬~中旬にかけて旬の時期を迎えます。

・「豊水」… 果肉が柔らかめでジューシー。甘みと酸味のバランスがよく、濃厚な味わいが人気です。旬の時期は8月中旬~9月中旬ごろです。

・「新高」… 平均450~500gと非常に大きなサイズで、歯応えのある食感が特徴。しっかりとした甘みがあって、酸味は果汁が多めです。9月下旬~10月下旬が旬の時期になります。

・「彩玉」… 埼玉のオリジナルの品種。「豊水」と「新高」から生まれました。平均550gもある超大玉で、果肉は柔らかく、酸味は少ないのが特徴。旬は8月中旬~下旬にかけてです。

美味しい梨の見分け方は?

梨は、皮がザラザラとした赤褐色の赤梨、ツルッとした緑色の皮の青梨(二十世紀梨など)に分けられます。「幸水」「豊水」「新高」「彩玉」は、どれも赤梨に分類されます。美味しい赤梨の見分け方をチェックしていきましょう。

・果皮にハリがあるもの
・軸が太く色むらのないもの
・同じ大きさであればずっしりと重いもの
・皮のザラザラが少なくなってきたら食べごろ

梨カレーを作ってみよう

贅沢に梨を丸ごと1個使って、爽やかな甘さと野菜の旨みたっぷりの「無水梨カレー」のレシピを紹介していきます。梨を消費したいときや、いつもとちょっと違うカレーが食べたいとき、子どものカレーなどにおすすめです。

材料(作りやすい量)

・梨… 1個
・鶏肉(もしくは牛肉、お好みのお肉で)… 150~200g
・たまねぎ… 2個
・じゃがいも… 大1個
・にんじん… 1本
・固形コンソメ… 1個
・カレールゥ… 適量
・ローリエ… 1枚
・サラダ油… 適量
・塩コショウ… 少々

作り方

1.じゃがいもと、にんじんは、皮を剥いて食べやすい大きさにカット。 たまねぎは薄くスライスしておきます。

2.梨は皮を剥いて、すりおろしてピューレ状にします。

3.鍋にサラダ油を入れて、温まったら、鶏肉を入れ、塩コショウをして焼き色がつくまで加熱して、取り出します。

4.3の鍋に1の切ったじゃがいも、にんじん、たまねぎを入れ、炒めます。

5.4の鍋に3の鶏肉を戻し入れ、すりおろした梨のピューレを入れて混ぜます。

6.5にコンソメ、ローリエを入れ、蓋をして野菜の水分が出るまで煮込みます。

7.6にカレーのルゥを入れ混ぜ、野菜が柔らかくなるまで煮込んだら完成です。

水分が足りないかなと思ったら、少し水を足してもOK。または、トマト缶を入れると、酸味とコクのあるカレーに仕上がります。子ども用のカレーであれば、お好みでケチャップやソースを加えると、より甘く仕上がります。味付けはお好みで調節してみてください。

辛くしたい場合はスパイスを入れるのもおすすめ

中辛のカレールゥを使っても、梨のピューレを入れると、甘みが強いカレーになります。カイエンペッパーなどを入れて、辛味をプラスするのもよいでしょう。あとはお好みのスパイスで味付けを調節するのもおすすめです。

梨のピューレはドレッシングにもおすすめ

梨のピューレを使うと、カレーだけでなく、美味しいドレッシングもできます。ポイントは皮ごとすりおろすこと。栄養も食感もあっておすすめです。ほんのり甘くて酸味のあるフルーティーなドレッシングは、野菜サラダにぴったりです。

材料

・梨… 1/2個
・サラダ油… 大さじ1
・米酢… 大さじ1
・レモン汁… 適量
・塩コショウ… 少々

作り方

1.梨はよく洗い、皮ごとすりおろします。

2.ボウルにサラダ油、米酢、レモン汁、1の梨のすりおろしたものを入れ、よく混ぜます。

3.最後に塩コショウで味を整えたら完成です。

爽やかな甘みの埼玉のご当地カレー「梨カレー」

廃棄される規格外の梨を有効活用しようと生まれた、埼玉の「梨カレー」。作ってみたら、爽やかな甘みとコクが加わり、いつもとは、ひと味違ったカレーが楽しめます。フルティーな甘味のあるカレーは、子ども用にもおすすめです。

また、梨に含まれる酵素は、肉を柔らかくしてくれる効果があります。カレーの肉が、柔らかくなるのも嬉しいポイントですね。梨を大量に消費したいとき、食べごろを少し過ぎたかな? というときに、カレーに梨を入れてみてはいかがでしょう。

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構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)

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