子育てが難しいのはどうして…?男女の育児の悩みから日本の子育て事情まで、現役ママパパに大調査!

ママ・パパが日本の子育てに「おかしい」と感じたことは?

子育てをしていると、親視点から見る学校の仕組み、想像以上にかかる子育ての費用、育児のための社会保障制度など、親になるまで見えていなかった問題に直面します。アンケートを通して、みんなが「おかしい」と感じていることをまとめましたので、見ていきましょう。

子育て

みんな同じがいいという風習がおかしい

今の社会を生き抜くには個性を活かすことが必要なのに、学校の中では今もなお、“みんなと同じようにできること”が大切にされている風潮が残っています。そんな落差をパパやママはおかしい!と思っているようです。
「なんでも人に合わせようとする」(20代・千葉県・子ども1人)
「みんな一等賞、という運動会」(40代・富山県・子ども3人)
「みんな同じがいいという風習。もっと一人一人の個性を尊重すれば、いじめもなくなると思う」(40代・埼玉県・子ども1人)
「皆同じ様に成長しないとすぐに病名をつける」(30代・埼玉県・子ども2人)
「周りと同じじゃない事がおかしいという認識。 例えば男の子が髪を伸ばしたらヘン。太っているといじめられる。校則が三つ編みはいいが編み込みはダメなど、地味じゃないといけない風潮。日本は島国だから日本人以外と接する機会がほとんどなく、色々な人や考え方があるんだという認識がほぼない。そのため少し周りと違う人がいたらそれが悪になることがおかしいと思う。普通だったら、とか普通ばかり気にしている。人は自分とは違う。他人のことばかり気にしない事を教えたい」(40代・広島県・子ども2人)
「出る杭は打たれる」(40代・埼玉県・子ども1人)

子育ては女性がするものという風習がおかしい

男性の育児休業取得についての話題も耳に入るようになりましたが、男性の実際の育児休業取得日数を尋ねた調査で「5日未満」という回答が約6割を占め、大半が「名ばかり育休」である実態が、厚生労働省のまとめからわかりました。共働きが大半を占める現代において、子どもの親はパパとママであり、子育ては女性がするものという画一的な見方は古い感じがしますね。
「子育ては母親がするということ」(30代・鹿児島県・子ども2人)
「父親が、育児にあまり参加しない」(30代・千葉県・子ども1人)
「母親がすべてするのが当たり前。 育児してるのに、出掛けたり遊んではいけない」(50代・神奈川県・子ども3人)
「母親の役割、父親の役割、と別れているところ。平等に子育てできないところ」(40代・奈良県・子ども3人)
「母親ばかりに負担を押し付け過ぎている。外国では、父親も普通に子育てを積極的に行っていると聞く」(30代・大阪府・子ども2人)

費用がかかりすぎるのがおかしい

実際に子育てをすると、食費や衣服代、おもちゃ代、文具代、レジャー費用などの養育費と、学校にかかるお金や習い事、学習塾など教育費が必要になります。この子育てにかかる費用全体を考えると、家1軒建つほどの金額になるのだとか。親の負担は非常に大きいものになっています。
「医療費や学費など義務教育中は無料でいいと思う」(30代・埼玉県・子ども2人)
「学費が高い」(40代・福岡県・子ども1人)
「教育費がかかりすぎる」(30代・東京都・子ども1人)
「妊娠中から費用がかかりすぎる」(30代・千葉県・子ども1人)
「補助が少なすぎる」(50代・神奈川県・子ども2人)

社会・政策がおかしい

政府は2025年度までに子どもを欲しいと考える夫婦らの希望がすべてかなった場合の出生率、「希望出生率」を1.8にする目標を掲げています。目標を達成するためにも、子育てをしやすい環境作りを同時に促進してもらいたいですね。
「子どもがいる方が損をする社会になっている」(40代・佐賀県・子ども3人)
「少子化が進んでいると言いながら、政策がコロコロ変わり、段々と悪くなってきている」(40代・兵庫県・子ども1人)

子どもへの寛容さがないのがおかしい

子どもだから泣くこともあります。でも泣いたら泣いたで、聞こえるように舌打ちをされたり、電車の中でおしゃべりをしているだけでにらまられるような経験を子育て中のパパやママなら一度はしたことがあるのではないでしょうか。優しい気持ちを持ってお互いにいたわりあうことのできる社会となってほしいですね。
「寛容さがない」(30代・静岡県・子ども1人)
「都心は子どもにやさしくない」(40代・千葉県・子ども2人)
「子どもが邪魔扱い」(30代・千葉県・子ども1人)

しからない親がおかしい

例えば、お友だちのことを叩いてしまっても、習い事のレッスンの邪魔をしてしまっても、しからないようなパパやママって周りにいたりしませんか? それぞれの教育方針があるのでしょうが、周りに迷惑をかけた時は「しかってよ」というのは同じパパやママからの意見としてもあがっています。
「しからない親」(30代・宮城県・子ども1人)
「怒らないことは本当によい?」(40代・神奈川県・子ども6人以上)

日本の子育て環境に求めること

厚生労働省が2019年に発表した人口動態統計によると、2018年に生まれた子どもの数(出生数)は91万8397人で過去最低を更新しており、3年連続で100万人を割っています。また、1人の女性が生涯に産む子どもの数にあたる合計特殊出生率は1.42と3年連続で下がっているのが実情です。出産や育児の環境を整えないことには、日本の出生率は上昇しないでしょう。子育て中のママたちはそんな日本の子育て環境にどのようなことを求めているのでしょうか。リアルな声をお届けします。

子育て

もっと費用負担を軽くするか、手当てを増やしてほしい

今の日本できちんとした出産・育児をしようと思うと、子育て費用の負担はとても大きいです。2019年10月より幼稚園無償化(幼児教育無償化)がスタートしますが、その幅を広げて、学びたい人が学べる環境作りをより進めていってほしいですね。
「医療、学費は無償。税金も独身者と比べて優遇するべき。会社にも手当を義務化」(40代・佐賀県・子ども3人)
「学費の無償化」(40代・兵庫県・子ども1人)
「給付金を支給するべき」(30代・長崎県・子ども3人)
「高校まで無償化してほしい」(30代・長野県・子ども2人)
「国で、子育てにやさしい手当などを考えてほしい」(50代・福岡県・子ども2人)
「子どもの教育にかかるお金が、もっと少なくなれば良いと思う」(30代・大阪府・子ども2人)
「児童手当をもっと手厚くしてほしい」(40代・兵庫県・子ども2人)
「負担を減らして欲しい」(40代・埼玉県・子ども1人)

もっと寛容な社会であってほしい

子どもが電車などの公共交通機関で泣いてしまったり、ぐずってしまった時、パパやママは子どもに強く注意をしたり、周囲の人に謝ったりして、必要以上に気を遣うことってありますよね。でもこれって普通のことなのでしょうか? 子どもだから自然なアクションでもあるのに……。周囲にあたたかい目が増えて、子育てを見守ってくれるような環境になったら、ありがたいですね。
「もっと適当を許してほしい。子育ての完璧を求めすぎ」(30代・兵庫県・子ども2人)
「公共の場などで子供がぐずったりした場合、もっと周りの人は寛容になって欲しい」(40代・徳島県・子ども2人)
「子ども連れの人に寛容な世の中であってほしい」(30代・千葉県・子ども1人)
「電車や公共の場で、小さい子どもが一緒にいる事に寛容になって欲しい」(50代・神奈川県・子ども3人)

もっと子育て支援を充実させてほしい

地域や職場など、支援してくれる場所が増えるほど、パパやママも助かります。それは、子どもたちが育つ環境もよくなることに通じますね。
「もっと地域で子育てに関わって欲しい」(40代・神奈川県・子ども2人)
「気軽に子育てを相談出来たらいいです」(20代・東京都・子ども1人)
「子どもがもう少し自由に遊べる場所があると良いと思う」(30代・千葉県・子ども1人)
「気軽に子どもを預かる場所があれば子育ての負担を減らすことができそう」(30代・大阪府・子ども2人)
「子どもを育てやすい就労環境、および地域環境を整えてほしい」(40代・奈良県・子ども3人)
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もっと子どもの個性を尊重してほしい

画一的な教育ではなく、子どもそれぞれの個性を伸ばすような教育を家庭と学校で連携して行っていきたいですね。
「もっと競争を重視すべし」(40代・富山県・子ども3人)
「一人一人の個性を尊重する」(40代・埼玉県・子ども1人)
「個性を伸ばす」(40代・埼玉県・子ども1人)
「子どもの個性を大事にしてくれない」(40代・新潟県・子ども2人)

もっと教育を良くしてほしい

学びを後押ししてくれるような教育システムも望まれています。
「学校を区域制で縛るのではなく自由に選べるようにする」(40代・岡山県・子ども2人)
「高校まで義務教育」(30代・福岡県・子ども1人)
「全ての生徒が授業に夢中になれるような教え方を真剣に取り組んでほしい」(30代・鳥取県・子ども2人)
「幼児教育を平均化して欲しい」(20代・埼玉県・子ども1人)

もっと育休を取得しやすくしてほしい

充実した子育てをしていくためには、時間も必要だし、お金も必要です。未来を背負って立つ、子どもたちを育てる親のサポートを長期的視点を持ちながらしてもらいたいですね。
「女性男性どちらも、育児休暇を一年以上取れるように法律で決めてほしい。育児休暇中も、給料は下げずに、生活できるようにしてほしい」(40代・和歌山県・子ども2人)
「育休を取りやすくなれば良い」(40代・大阪府・子ども2人)
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子育てって大変だけど、パパやママも成長している!

いかがでしたか? 子育てをしてみたら、女の子にも男の子にも大変さはそれぞれにあるし、今の社会環境で育児をするのは苦労することも多いですよね。
そんな大変な環境の中、懸命に育てているからこそ身に付く人間力や、社会的視野の広がりがあると思います。「育児は育自」とよく言いますが、パパやママも困難を乗り越えながら、子どもと一緒に成長している、得難い経験をしているのでしょうね。

文/末原美裕  構成/HugKum編集部

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