パパも取得できる!育児休暇の期間と「育休」中にもらえる給付金「育休手当」ガイド

「産休」明けの翌日から始まる育児休業が、いわゆる「育休」になります。出産前に一定期間働きながら、雇用保険を支払っていた人であれば、正社員、派遣社員、扶養内パート、アルバイトなど働く身分に関係なく誰でも受け取れるお金になります。しかし、育休は1年?、2年?、はたまた3年?などといろいろな期間が定められ、ちょっと混乱してしまいますよね。そこで今回は「育休休暇」の期間や給付金など、わかりやすく情報をまとめてみました。

育児休暇とは?期間はどれくらい?

育児休暇は正式には育児休業と言い、通称で「育休」などと呼ばれています。子どもを育てる労働者に対して、勤務先に取得を申し出る権利が法律で認められているため、「育休を取りたいです」と労働者が言えば、雇用する側は基本的に拒否できません。働きながら出産する女性の仕事(雇用)を守るための制度なのですね。

育児休暇の期間は子どもが1歳の誕生日迎える前日までが原則

では一体、どれだけの期間、「育休」を取得できるのでしょうか?「育休」のルールを決める育児休業法には、

<「育児休業」をすることができるのは、原則として1歳に満たない子を養育する男女労働者>(育児休業法より引用)

と書かれています。育児休暇の期間は原則『子どもが1歳の誕生日を迎える前日まで』と定められています。

女性の場合は出産をすると、その翌日から8週(56日)の出産休暇(産休)がスタートします。「育休」はこの「産休」が終わった翌日から始まり、子どもが1歳の誕生日を迎える前日までが基本になります。

1年6カ月(延長)、2年(再延長)まで可能

育児休暇の満了を迎える『子どもの1歳の誕生日の前日』までという期間は、条件を満たせば延長もできます。

<育児休暇延長の条件>

条件とは具体的に、自分が仕事に復帰してしまうと、物理的に子どもを世話してくれる人が居ない場合、子どもが1歳6カ月に達する日を限度に延長が可能です。

・1歳になった子どもを入所させる保育所がない
・自分の復帰後に、1歳になった子どもの面倒を見る予定だった人(夫など)が死亡・負傷・病気した
・自分の復帰後に、1歳になった子どもの面倒を見る予定だった人と離婚した

しかし、子どもの誕生から1年6カ月が経過しても、自分以外に面倒を見られる人が居ないなど、状況が変らない可能性もありますよね。その場合には、『子どもの2歳の誕生日前日まで再延長』が認められます。いきなり2歳まで(2年)の「育休」延長が認められるのではなく、最初に1歳6カ月(1年6カ月)まで延長が認められ、その上で状況が変わっていなければ、2歳まで(2年)の延長が認められているのですね。

育児休暇の延長が1年2カ月まで認められる制度もある

上述したケース以外にも、子どもが1歳2カ月になるまで「育休」を延長できる場合があります。父親と母親で連続して順番に「育休」を取得していくパパ・ママ育休プラスですね。

もともとパパ・ママ育休プラスは男性の「育休」取得を促す目的で誕生した制度になります。同制度を利用した場合、通常であれば1年(子どもが1歳になるまで)の「育休」期間が1年2カ月(1歳2カ月まで)に延長可能です。

<パパ・ママ育休プラスの代表例>

女性が先に取得したあと男性が続けて取得するという流れになります。

【女性】出産→【女性】出産休暇(8週)→【女性】育休(子どもの1歳の誕生日前日まで)→【男性】育休(子どもの1歳の誕生日から1歳2カ月になるまで&女性が仕事に復帰すること)

<パパ・ママ育休プラスの条件>

同制度の目的は男性の「育休」取得を促す点にありますから、男性の側からパパ・ママ育休プラスの条件を確認すると以下の点を満たす必要があります。

・子どもが1歳になる前に妻(あるいは妻に該当する存在)が自分よりも先に「育休」を取得している
・自分(男性)の「育休」開始予定日が子どもの1歳の誕生日以降である

同制度を利用して男性が「育休」を取得した場合、(給付率についての詳細は後述しますが)1歳2カ月まで67%の給付率が適用されます。おおよその目安としては(上限、下限があるものの)過去の月収の67%が受け取れると考えたいです。

育児休暇中にもらえる給付金「育休手当」について

「育休」の期間について大まかにまとめてきました。ではその期間において休暇中の人にはどのような給付金が支払われるのでしょうか?

育児休暇給付金とは?

「育休」中に受け取れる給付金は、育児休業給付(育休手当)になります。給付率は67%(執筆時点の現在)。この給付率は平成7年に始まった当初25%だったものが徐々に引き上げられ、どんどん上がってきた歴史があります。

財源は国庫からもわずかに出ていますが、基本的には雇用保険からまかなわれています。雇用保険とは正社員、派遣写真、扶養内パート、アルバイトに関係なく、一定の労働時間がある人が自動的に加入する保険制度です。労働者の雇用の安定や失業時の生活を守る目的があります。

雇用する側とされる側の双方が掛け金を負担するため、毎月の給料から一定の雇用保険料が天引きされています。この雇用保険に過去2年間、合計で12カ月以上(各月に11日以上働いている必要がある)加入している人の場合、「育休手当」が受け取れます。

育児休暇の手当は「月収の67%」で計算

期間のところで「育休手当」を、過去の「月収」の67%分、受け取れるという話をしました。とはいえ、この「月収」はどのように計算するのでしょうか。

<育児休暇手当の計算式>

厚生労働省のホームページには、以下のような解説が出ています。

<休業開始時賃金日額×支給日数の67%>(厚生労働省のホームページより引用)

この計算式は、賞与などを除いた上で、休みに入る前にもらっていた月収の平均値をイメージて計算すると分かりやすいです。

<受け取り方>

給付金の受け取り方は、原則として2カ月に1回、指定の金融機関の口座に振り込まれる形になります。

育休スタート→2カ月経過→早くて数週間後に2カ月分(月収の67%)が一気に振り込まれる

2カ月分「先払い」ではなく、対象となる「育休」期間が経過した後での振り込みになりますので、家計を管理するときは注意したいですね。

月収が定まっていない場合の計算方法

過去の月収がばらばらで、平均が計算しにくい人は、支給額を詳しく計算してみましょう。

上述した休業開始時賃金日額とは、休暇を取得する前に受け取っていた給料を半年前までにさかのぼり、その合計(賞与などは除く)を180日で割った金額になります。休みに入る前の半年間、1日どのくらいの賃金で働いていたのかを計算する必要があります。

その上で、「育休」で月間に休む日数を掛け(通常は1カ月全て仕事を休むため30日)、最後にその金額の67%を計算すれば「育休手当」の額が分かります。

育児休業開始から6カ月経過すると50%に下がる

残念ながら現状で「育休手当」は「育休」の間中、ずっと給付率が67%のまま続くわけではありません。

<育児休業の開始から6か月経過後は50%>(厚生労働省のホームページより引用)

とあるように、「産休」が明けた翌日からスタートする「育休」が6カ月経過すると、給付率が67%から50%に下がってしまします。言い換えれば、子どもが生まれてから8カ月が経った段階で、給付率が下がってしまうのですね。

男性も育児休暇を取得できる「パパ休暇」とは?

ここまで育休の期間や給付金について説明してきました。主に女性(ママ)の育児休暇についてお話ししてきましたが、男性(パパ)の育児休暇取得の実態はどうなっているのでしょうか。

パパの育休取得率は全体の1割に満たない

Hugkumでは働くパパ100人に育児休暇の取得についてアンケートを実施しました。『育児休暇を取得したことはありますか?(今後取得予定の方も「ある」と回答してください』の設問に対して結果はこちらです。

Q:育児休暇を取得したことはありますか?

結果はなんと全体の約1割にも満たない人が『なし』の回答でした。男性の育児休暇取得の実現はまだ難しいのでしょうか。取得した人と取得していない人それぞれに理由も聞きました。

<育休を取得した理由>

取得した経験があると回答した人は、会社が協力的で取得しやすかった場合や、妻と協力し率先して育児に取り組みたいと考える人が多くみられました。

会社から取るよう促されたため(30代・新潟県・子ども1人)
妻の負担を少しでも減らすために育児休暇を取得した。(50代・千葉県・子ども1人)
子育てに専念したかった(30代・東京都・子ども2人)

<育休を取得なかった理由>

一方で、育児休暇を取得しなかったと回答した人の多くは、そもそも「そんな制度が企業になかった。(40代・長野県・子ども1人)」という回答が多く「存在を知らなかった(30代・岐阜県・子ども1人)」や、雰囲気や風潮、仕事の忙しさを理由に取りにくいと考える意見が多くを占めました。

また、働き盛りの男性は、「昇給に影響が出るのでできない(50代・茨城県・子ども2人)」と将来のキャリアへの影響を懸念し取得しないと判断した人もいるようです。

休暇がもらえるか分からなかった(30代・広島県・子ども1人)
制度としてスタートしたばかりで雰囲気が前向きでなかった(40代・神奈川県・子ども2人)
そんなことでとれなかった(40代・大阪府・子ども1人)
会社がとれる雰囲気ではない。
忙しくてとれない(40代・高知県・子ども1人)

それに対して、妻が専業主婦や休暇中の人、普段から仕事のスケジュールが調整しやすい環境の人は特に理由がないので取得しない場合もあるようです。

仕事の調整がつけやすく休暇の必要性がなかった(40代・東京都・子ども1人)
妻が専業主婦で、妻に任せてしまったから。(40代・東京都・子ども1人)
嫁が休暇していたから(30代・兵庫県・子ども2人)
妻以外にも、2人の両親もサポートが可能だったため(40代・愛知県・子ども2人)

また、育児休暇を取得するまでもなく有給休暇の範囲で対応できたという人も。

有休でなんとかした(30代・千葉県・子ども2人)
有給が残っているから。、(30代・千葉県・子ども2人)

そして何より、休暇中の収入が減ると生活できないという切実な問題から取得を諦めた人もいます。制度が変わってきているとはいえ、月収を大きく下回る給付金では子どもが1人増えた家計を支えられない現実もあります。

休暇中の収入では生活できないから。(40代・神奈川県・子ども3人)
育児休暇中に給料が少なくなるのもつらい。(40代・愛知県・子ども3人)

男性のための育児休暇「パパ休暇」

女性の取得率に比べて男性の「育休」取得は大幅に遅れていると分かりました。こうした男性の現状を改善するために設けられた特例制度が「パパ休暇」。大まかな理解としては、妻の出産休暇(産後8週)の間に男性が休暇を取得すれば、子どもが1歳の誕生日(あるいは1歳2カ月)を迎えるまでに、もう一度無条件で「育休」を取得できる制度です。

<パパ休暇の取得例>

パパ休暇とパパ・ママ育休プラスを組み合わせれば、以下のような休暇の取り方が可能になります。

【女性】出産→【女性】出産休暇(8週)→【男性】パパ休暇取得(配偶者の産後休暇8週の期間内に限る)→【男性】仕事復帰&【女性】育休スタート(産休明けの翌日から)→【女性】仕事復帰(子どもの1歳の誕生日)&【男性】パパ・ママ育休プラス取得(子どもの1歳の誕生日から1歳2カ月まで)

出産直後で心身ともに疲弊している妻を助け(パパ休暇)、その上で妻が仕事に復帰した直後の落ち着かない時期も助けられる(パパ・ママ育休プラス)休み方が、男性には認められているのですね。夫婦で相談をしながら、上手に休暇を取得していきたいですね。

文/坂本正敬 写真/繁延あづさ

【参考】

改正育児・介護休業法のあらまし – 厚生労働省

両親で育児休業を取得しましょう! – 厚生労働省

「平成 29 年度雇用均等基本調査」の結果概要 – 厚生労働省

共同参画 平成30年6月号 – 内閣府

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則 – e-Gov

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