ダイオウイカの大迫力エピソードや美しすぎるプランクトンに夢中!【『図鑑NEO 新版 水の生物』発売記念文化講演会】

『小学館の図鑑NEO[新版]水の生物 DVDつき』の発売を記念して、文化講演会「おどろき!水の生物 動物プランクトンからダイオウイカまで」が開催されました。定員を大幅に超える応募の中から抽選で招待されたのは150組300名の親子。会場となった丸の内MY PLAZAホールには、夏休み初日を迎えた小学生とその親御さんが大集合!
イベントでは、図鑑の監修者のひとりである窪寺恒己先生と水中カメラマンの中村宏治先生による、水中の生物についての興味深いお話を伺うことができました。小学2年生の息子と一緒に参加した筆者がイベントのようすをレポートします!

動物プランクトンの姿やダイオウイカの秘蔵映像にびっくり!

講演会に登壇されたのはふたりの先生。図鑑に出てくる動物プランクトンを撮影された中村宏治カメラマンと、タコやイカについて長年研究され、日本で初めて生きたダイオウイカの撮影に成功した窪寺恒己先生です。

映像や写真を交えての海の経験のお話に、子どもたちは目をキラキラさせながら聞き入っていました。


(左)中村宏治先生・・・日本水中映像(株)会長。現在72歳!50年以上世界中の海を潜ってきた、現役の水中カメラマンです。

(右)窪寺恒己先生・・・国立科学博物館名誉研究員・日本水中映像(株)学術顧問。イカとタコの研究をしていて、ダイオウイカ研究の第一人者でもあります。

動物プランクトンってどんな生き物?

「みなさんは動物プランクトンを知っていますか?」という先生の質問に手をあげる、たくさんの子どもたち。プランクトンとは、水の中を浮かんでただよい、泳ぐ力がとても弱い生物で、主に太陽の光が届く浅い場所に生息しています。動物プランクトンは主に植物プランクトンを食べ、水の生物の子ども(幼生)も多く含まれます。クラゲも動物プランクトンのひとつ。映像で紹介されるその動物プランクトンの種類の多さ、かたちの面白さに、大人も子どもも驚きっぱなし。


約2cmほどの小さな生物を海の中で撮影するのはなかなか難しく、大人が数名で狙いたい生物を囲み、水中で使う専用のフラッシュを使って撮影しているそうです。

「撮影しているときに目が合ったんだけど、ボクはこわいおじさんみたいな顔をしてるでしょ?」と中村先生が言うと、子どもたちの笑い声が会場に響きます。

「動物プランクトンは意志のない生物だと思っていたけれど、撮影しているときに意思のあるような動きをすることがある。生物と気持ちが触れ合うことができたり、意思のやりとりができることはとても嬉しいこと」
いつも見ている図鑑の写真を撮影している人が説明してくれる、数々の貴重なエピソードに子どもたちは真剣に耳を傾けていました。

中村宏治先生が撮影したプランクトンの掲載ページ

宝石のように美しいプランクトンは『小学館の図鑑NEO[新版]水の生物 DVDつき』でも2ページにわたって紹介されています。まるで宇宙かと勘違いしてしまうような美しい輝きを放つプランクトンたち。光って見えるのは自身が発光しているのではなく、プランクトンの体に光が反射しているからなのだそう。

ダイオウイカの謎に迫る!世界初の撮影秘話が大迫力

続いて窪寺恒己先生のお話へ。先生は子どもの頃からイカ、タコが好きだったというわけではなく、国立科学博物館の特別展示でダイオウイカを紹介したことが深い研究へのきっかけになったそうです。


「小笠原諸島の漁師の方が400〜700mの深海からソデイカやアカイカなどの大型のイカ類を獲る漁の仕掛けを参考にした調査用縦縄に、30秒間隔で5時間ほど撮影可能な“ロガー”と呼ばれる記録計とカメラをとりつけ、ダイオウイカの撮影を試みました。撮影開始から3年目に撮影に成功しました」
世界で初めて生きたダイオウイカの連続静止画を撮影することに成功した先生は、動画の撮影にもチャレンジすることに。漫画に出てきそうなかっこいい潜水艦に子どもたちは、くぎづけ!


世界で初めて撮影に成功したというダイオウイカの映像。神秘的な姿に子どもたちからも驚きの声が上がり、「もういっかいみたい!」というアンコールに答えて3度のリピート。

ダイオウイカが餌を取ろうとするときの動きや泳いでいく優雅な姿。とても貴重な映像を見ながら、先生に説明してもらえるという貴重な体験ができました。

窪寺恒己先生が監修したイカのページ

新刊図鑑の中ではイカやタコのページを監修された窪寺先生。ダイオウイカだけでなく、スーパーなどで売っているイカも改めてよく観察したくなるような、おもしろい魅力を秘めています。

講演会後の質問コーナーが大盛り上がり!

1時間半にわたった講演会は学校の授業よりも長かったはずなのに、メモをとったりしながら、飽きることなく話を聞いていた子どもたちの姿が印象的でした。そして終了後の質問コーナーでは、時間が足りなくなるほどたくさんの挙手が。その一部を紹介します。

質問:どうしてダイオウイカは光るの?
先生:イカのカラダには、皮膚の下に反射板があって撮影で使用しているライトが反射して光っているようにみえるのです。プランクトンが光っているようにみえるのも同じです。

質問:クラゲに目はあるの?
先生:クラゲのカサのまわりに光を感じる眼点というものがあります。視力があるわけではないけれど、明かりを感じることができます。

質問:プランクトンやクラゲに脳みそはあるの?
先生:脳といわれるようなものは、ないです。神経を使ってカラダの動きを調整しているのですよ。

講演会でお話を聞いて、子どもたちの「どうして?」がたくさん湧き出てきたようで、その他にも多くの質問がありました。

先生たちからのメッセージ

中村宏治先生「生物と共存していくうえで、人間が人間以外の生物を愛するということはとても大切なこと。図鑑をみて水の中の生物をもっと好きになってくれたら嬉しいです」

窪寺恒己先生「水の中の生物は、まだまだわからないことがいっぱいあります。人間が理解してみていく、研究していくことが大切。これから、子どもたちが図鑑をたくさん読んだりして知らないことをもっと知りたい!研究したい!と思ってもらえたら嬉しいです」

参加した子どもたちの感想は?

会場の入り口には図鑑が自由に読めるコーナーが設置されていて、たくさんの人が手に取っていました!

「海の中の砂のうんちの写真がおもしろかった。あのうんちを出す生き物も、最初は動物プランクトンなんだなと思った。ダイオウイカの調査をする潜水艦がかっこよかったから乗ってみたい!」(小学二年生・男の子)

「お刺身のイカを買って、胴体と頭と足の順番をよく見てみたいと思いました。ダイオウイカはあんなに大きいのに、たった4年しか生きられないなんてかわいそう」(小学二年生・女の子)

会場を出たところは、すがすがしそうな顔をした子どもたちの笑顔でいっぱい。

図鑑NEOの新刊はまたもや驚きと発見がいっぱい!

今回発売した『小学館の図鑑NEO[新版]水の生物DVDつき』は、水の環境にすむ生物のなかで、特に背骨をもたない「無脊椎動物」とよばれるグループの図鑑です。エビ・カニ、タコ・イカ、貝類、クラゲ、ヒトデなど、身近な生物から、ほとんど目にすることのない生物まで、約1000種を分類順に紹介しています。
最新の国際標準の学説に基づき、全ての項目を見直した解説、きれいでわかりやすい標本・生態写真、近年の社会問題も取り扱った特集や、自由研究にも役立つコラムなど、充実の内容となっています。カバーうらには、博物画家杉浦千里氏による、圧巻の「ニシキエビ」原寸大ポスターも!
特典DVDは、大満足の70分。水の生物のおどろきの生態や行動を、ドラえもんとのび太と一緒に楽しみながら学べます。

指導・執筆/白山義久 /窪寺恒己 /久保田 信 /齋藤 寛 /駒井智幸 /長谷川和範 /西川輝昭 /藤田敏彦 /矢吹彬憲 /土田真二 /加藤哲哉
本体2000円+税

 

取材・文/やまさきけいこ

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