ねっとりとした食感で親しまれている里芋。煮物や汁ものには欠かせない根菜類ですよね。味は好きなんだけれど、どうも調理までの手間が大変で手が伸びないという主婦も多いとか。そんな方に朗報。もっと手軽に里芋を楽しむ方法があるんです!
里芋は冷凍できる?
スーパーなどで売っている冷凍里芋を自宅で作るのが断然おすすめ。里芋は冷凍しても味や食感の劣化が少なく、簡単に冷凍里芋が作れちゃいます。しかも冷凍することで味の染み込みもぐーんとアップ。煮込み料理をさらに美味しくさせます!
冷凍テクで栄養素を残す!
里芋は、ビタミンやミネラルを含みますが、中でもカリウムが多いのが特徴。カリウムは、むくみを解消し、塩分を排出する働きがあるため高血圧の予防が期待できるといわれている成分です。このカリウムは、水に溶けやすい性質があるため冷凍前の下処理にちょっとしたコツがあります。
里芋の冷凍保存方法
里芋は、生のままでも茹でてからでも冷凍保存できます。茹でる場合は、皮つきのまま茹でると湯剥きしやすくなります。実は、これが栄養素を生かす裏ワザなんです!
茹でてから冷凍保存する方法
里芋の栄養素であるカリウムやビタミンを損なわないためには、“皮ごと茹でる”が正解◎。皮には農薬などが残っている場合があるため、よく洗ってから10分ほど加熱します。生の時はぬめりがあって剥きづらかった皮もつるんと簡単! この方法だと水溶性の栄養素を損なわずに一石二鳥です。粗熱が取れたら皮を剥き、一口大に切ってから冷凍用保存袋に入れます。
生のまま冷凍保存する方法
皮を剥いてから輪切りにし、冷凍用保存袋に重ならないように入れて冷凍します。皮が剥きづらい場合は、皮ごとよく洗った後にしばらく天日に干して乾燥させると剥きやすくなります。
里芋の冷凍保存期間はどれくらい?
生も茹でてから冷凍する場合も1か月程度です。
調理をする場合は、凍ったまま使います。また、好みにもよりますが、調理時間が短いと里芋特有のねっとりとした食感が出にくいため、冷凍里芋の電子レンジ調理には向きません。
離乳食で使う里芋を冷凍するときのポイント
里芋は離乳食中期から食べさせても大丈夫だといわれています。冷凍里芋を使う場合は、冷凍のまま一度茹でこぼしてからぬめりを取ると食べやすくなります。個人差やアレルギーなどもあるため、食べさせるタイミングはくれぐれもお子さんの様子を見ながら与えてください。
撮影・文/川越光笑(たべものライター・発酵食スペシャリスト)
冷凍保存した里芋を使ったアレンジレシピ
【1】里いもとりんごのポタージュ
里いもとリンゴの意外な組み合わせのポタージュは、コクと甘みがあってのど越し抜群なんです。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
里いも 2~3個
りんご 1/2個
長ねぎ 1/2本
バター 大さじ1
【A】
固形スープの素 1個
水 200cc
塩 小さじ1
牛乳 150cc
塩 少々
◆作り方
【1】里いもとりんごは皮をむいて、薄いいちょう切りにする。長ねぎは薄い小口切りにする。
【2】鍋にバターを熱して【1】を炒め、しんなりしたら【A】を加えて10分ほど煮る。
【3】【2】をミキサーにかけてペースト状にし、鍋に戻して牛乳を加え、火にかけて温まったら塩で味を調える。
*りんごの皮をハート形に切って浮かせても。
教えてくれたのは
鈴木薫さん
シンプルで、おいしくて、センスのいいレシピが人気。双子の女の子と男の子のママ。
『めばえ』2013年11月号
【2】花煮しめ
お祝い料理の「煮しめ」をかわいく♪味付けはそのままに、キャッチーな花形で飾れば、子供が喜ぶメニューに早変わり!
◆材料
(大人2人+子ども2人分)
れんこん 1/2節
にんじん 1/2本
里いも 3個
しいたけ 3個
絹さや 6枚
サラダ油 小さじ2
【A】
だし汁 2カップ
酒 大さじ1
みりん 大さじ2
砂糖 小さじ2
しょうゆ 大さじ1と1/2
◆作り方
【1】れんこんは厚さ1cmの輪切りにし、外周に切り込みを入れて花形にする。にんじんも厚さ1cmの輪切りにし、里いもは横半分に切り、ともに花型で抜く。しいたけは半分に切る。
【2】鍋にサラダ油を熱して【1】を炒め、【A】を加える。煮立ったら弱火にしてやわらかくなるまで煮、中火にして煮汁を半分量までとばす。
【3】ゆでた絹さやを添える。
※盛りつけに串を使っていますが、子どもに食べさせるときは必ず抜いてください。
教えてくれたのは
神みよ子さん
じんみよこ/フードコーディネーター。編集プロダクション勤務、フリーランス編集者を経て、料理の世界へ。おいしく、楽しく、簡単なオリジナル料理をはじめ、キャラクターメニューの精巧さにも定評がある。
『ベビーブック』2011年1月号
【3】小松菜と里いものチキン丼
たれにとろみをつけて「あんかけ」に。里芋にあんがよく絡み、ねっとりとおいしい。
◆材料
(大人2人分+子ども2人分)
鶏ささみ肉 4本
里いも 6個
小松菜 1/4束
【A】
だし 160ml
しょうゆ 大さじ1
砂糖 大さじ1
【B】
片栗粉 大さじ1
水 大さじ1
ご飯 茶碗3杯
サラダ油 小さじ2
◆作り方
【1】里いもは乱切りにして、ゆでる。ささみは2cm角に、小松菜は2cm幅に切 る。
【2】鍋にサラダ油を熱してささみを炒め、色が変わったら、里いもと小松菜を加 えて炒める。【A】を加えて沸騰したら、 混ぜ合わせた【B】を加えてとろみをつける。
【3】器にご飯を盛り、【2】をのせ、汁を適宜かける。
教えてくれたのは
尾田衣子さん
「ル・コルドン・ブルー」 やイタリアにて料理を学び、料理研究家に。「料理教室Assiette de KINU」を主宰。親子で楽しむクッキングも人気。男の子のママ。
『ベビーブック』2016年1月号
【4】くるくる豚入り和風カレー鍋
だしを利かせたカレー味は、子どもにも大人にも大好評♪鉄板のおいしさ!
◆材料
(2~3人分)
豚バラ薄切り(長いもの) 約250g
れんこん 80g
大根 10cm分
にんじん 1/2本
里いも 3個
だし 800ml
カレールウ(市販) 3かけ(約60g)
◆作り方
【1】れんこんは7~8mm厚さの半月切り(大きいれんこんはいちょう切り)にし、酢少々(分量外)を加えた水にい2~3分さらす。大根とにんじんはピーラーで薄切りにする。里いもは皮をむいて横に3等分し、塩少々(分量外)でもんで2回水洗いする。
【2】パックから出した豚肉をまな板に広げ、手前からくるくる、しっかりと巻いていく。1.5~2cm幅に切ったら、手でぎゅっと握って丸くする(ここでしっかり握らないと、煮ているときにほぐれてくる)。
【3】鍋にだしを入れ、【1】と【2】を加えて中火3~4分煮たら、カレールウを入れてさらに煮る。
◆ポイント
豚肉をそのままパックから出してまな板に広げ、くるくる!
食べやすい大きさにカットした豚肉を手でギュッと固める。
教えてくれたのは
武蔵裕子さん
料理研究家。作りやすく、おいしいレシピに定評のある、家庭料理のエキスパート。自らも働きながら双子の息子を育て上げ、今も3世代の食卓を担う日々。忙しい主婦が作りやすい時短レシピを数多く提案している。
『めばえ』2019年2月号
構成/HugKum編集部