【助産師監修】母乳の搾乳と保存方法から搾乳のタイミングやコツは?おすすめの搾乳器や哺乳瓶を編集部がセレクト

赤ちゃんを母乳で育てる場合、搾乳が必要になる場合があります。搾乳しなければならない理由には、どんなことがあるのでしょうか。母乳を搾乳するタイミングや母乳をストックする方法、搾乳のメリット・デメリット、母乳搾乳器の選び方のコツを、助産師の河井恵美さんに教えていただきます。また、編集部が選んだおすすめ搾乳器も併せてご紹介しています。

母乳を搾乳するタイミングはいつ?

搾乳が必要な理由には、どんなことがあるのでしょうか。母乳を搾乳するタイミングと併せてご紹介します。

搾乳が必要な理由

母乳で赤ちゃんを育てる場合でも、赤ちゃんがおっぱいから上手に母乳を飲めないときや、赤ちゃんのお世話をママ以外の人にお願いしなければならないときなどに搾乳が必要になります。また、おっぱいを搾ることで乳腺炎の予防にもなります。

前絞り

前絞りとは、母乳分泌の流れを良くし、おっぱいのトラブルを最小限にするため、あらかじめ搾乳することを言います。

おっぱいが張って痛いときや、乳腺炎、乳首のトラブルに限らず、日頃の乳房管理のためにも、前絞りの搾乳方法を知っておくと役に立ちます。

飲み残し

元気な赤ちゃんでも、授乳した母乳を途中で飲まなくなってしまうことがあります。また、哺乳びんで母乳を飲むと、赤ちゃんの口の雑菌が自然に母乳に混入してしまう場合もあるため、残した量や時間に関わらず、飲み残した母乳は捨てるようにしましょう。

母乳の搾乳方法とメリット・デメリット

母乳の搾乳方法には、どんな方法があるのでしょうか。搾乳方法のメリット、デメリットについて紹介します。

手絞りで搾乳する

手絞りでの搾乳は、母乳を入れる容器さえ用意すれば、他に道具がいらないというメリットがあります。外出時や、仕事へ行く場合でも荷物が少なくすみますね。

ただし、手絞りで搾乳すると、十分な量を搾乳するまでに時間がかかり、ママが疲れてしまうこともあります。

手絞りでの搾乳方法

1:手を洗い、母乳を入れる清潔な容器を用意する。
2:少し前かがみになり、手をおっぱいの下に添える。
3:搾乳する手の親指と人さし指を、乳首の中心からC文字のような形で添える。
4:添えた親指と人さし指の腹が合うように乳輪部をはさんで圧迫する。
5:圧迫を繰り返し、過度な力をかけすぎずに搾乳する。

搾乳器で搾乳する

搾乳器を使うと楽に効率よく搾乳することができます。ただし、搾乳器を持ち運ばなければならないので、荷物になるというデメリットもあります。

搾乳器は、手動のものと電動のものがありますので、それぞれのメリットデメリットを考慮して選びましょう。

手動

手動式の搾乳器は、価格が安く、力加減などの調整がしやすいというメリットがあります。作りもシンプルなものが多いので、洗ったり消毒したりのお手入れが簡単にできることもメリットです。

また、手にかかる負担が多く、時間がかかってしまうことがデメリットとして考えられます。

電動

使用頻度が高い場合は、セットするだけで搾乳ができる電動式の搾乳器がおすすめです。

手動のように手にかかる負担が少ないだけでなく、効率よく搾乳ができるので、時間短縮にもなります。両胸同時に搾乳できるものもあるので、忙しいママにぴったりです。

ただし、搾乳器の値段が高め、持ち運ぶ場合は荷物になるというデメリットもあります。

母乳搾乳器の選び方のコツ

母乳搾乳器の選ぶ場合は、どのようなことに注意が必要でしょうか。搾乳器の選び方のコツを紹介します。

使用頻度が少ないなら手動式

吸引圧の強さや搾乳するペースを自分で調節できるので、使用頻度も少なく、母乳の量も少ない場合は手動式の搾乳器がおすすめです。

使用頻度が高いなら電動式

手動の搾乳器は、手が疲れてしまったり、時間がかかってしまったり、ママのストレスになる場合も。使用頻度が高く、搾乳量が多い場合は、電動式の搾乳器がおすすめです。

容器の大きさで選ぶ

搾乳器には、搾乳した母乳をためる容器が付属されています。容器が小さすぎると、母乳が入りきらない場合もあります。搾乳する頻度が高い場合や、一度の搾乳量が多い場合は、十分な容量がある製品を選ぶようにしましょう。

お手入れのしやすさで選ぶ

搾乳器は、赤ちゃんの口に直接入る母乳を絞ります。哺乳瓶同様、衛生的に洗浄・保管することが重要です。清潔に使うためにも、洗いやすく、しっかり消毒できるものを選びましょう。

食洗器対応のものもあるので、効率などを考え選んでみてもいいですね。

母乳を搾乳する量・時間・間隔の目安

母乳を搾乳する量、時間や間隔は、どのくらいでしょうか。搾乳する量や時間、間隔の目安について紹介します。

1回の量

母乳は生ものなので、搾乳後は冷蔵庫で保存し、1回の搾乳量は24時間以内で飲みきれる量にしましょう。

搾乳を始める場合、いきなりたくさんの母乳を搾乳しようとしても、痛むばかりで思うような量は搾乳できません。体が慣れてくるまでは、手絞りの場合は力加減を弱めに、搾乳器は弱に設定して使用しましょう。

1回にかける時間

思っている量の搾乳ができないからといって、長い時間搾乳を続けるとおっぱいに傷がついてしまったり、痛んでしまう場合があります。1回の授乳にかける時間は、片胸10~20分程度を目安に搾乳を行いましょう。

電動式の搾乳器によっては、両胸同時に搾乳できるものもあります。おっぱいに負担がかかりすぎないよう、無理のない時間をかけて搾乳しましょう。

搾乳の適切な間隔

赤ちゃんが飲む以外に、乳腺炎予防のためなど、搾乳の目的によって搾乳の回数は異なります。飲み残しがある場合はそのときに搾乳し、しこりや乳腺炎予防の場合は気になるときに授乳後に搾ると良いでしょう。
仕事中に搾乳する場合は3〜4時間おきの搾乳が理想です。搾乳の間隔には個人がありますので、わからない場合は助産師に相談しましょう

搾乳した母乳の保存法と保存期間

搾乳した母乳の保存方法と保存期間には、どんな注意点があるのでしょうか。母乳の保存について紹介します。

保存容器

搾乳した母乳は、清潔な容器に入れ、ふたをして保存します。母乳専用ではない保存容器でも問題ありませんが、きちんと洗えて煮沸消毒できるものを選びましょう。

また、これより、常温・冷蔵・冷凍保存についてお伝えさせていただきますが、国際的な医療機器会社「メデラ」のオフィシャルサイトでは、「新鮮な母乳の保存ガイドライン(健康な赤ちゃん向け)」が掲載されています。

母乳は栄養がたっぷりとあるため、細菌の繁殖も気になるものです。きれいに容器や手を洗っていても、細菌は目に見えないため、医療者の間では、できるだけ早く飲ませるのが良いという認識です。

しかし、搾ったまま忘れていたということもありますし、やっと搾った母乳だからということもあります。
その場合、上記ガイドラインなどを確認したり、助産師などに相談しながら、気になるようなら捨てる、温度が保たれているから大丈夫と判断するなら与える、という判断はご自身で行ってください。

常温保存

健康な赤ちゃんに飲ませる場合は、4時間以内の短時間であれば、常温(16~25℃)での保存も可能というデータが出ていますが、できるだけ冷蔵庫に保存して早めに与えるのが理想です。入院中の場合は、施設によって保存時間が違いますので、決められた保存時間に従いましょう。

冷蔵保存

搾乳した母乳は冷蔵庫で保存することもできます。冷蔵保存する場合は、搾乳したらすぐに冷蔵庫に入れましょう。冷蔵庫は開け閉めするので温度が変わりがちです。冷蔵庫のドアポケットではなく、なるべく奥の温度変化のない場所に入れましょう。冷蔵保存の最適な保存期間は、健康な赤ちゃんの場合で3日以内というデータがありますが、できるだけ早く赤ちゃんに飲んでもらいましょう。

冷凍保存

搾乳した母乳は、冷凍庫で保存することにより、冷蔵や常温よりも長く保存できます。冷凍庫内が-20℃以下の場合、保存できる期間は6ヶ月以内というデータがありますが、できるだけ早く赤ちゃんに飲んでもらいましょう

母乳は赤ちゃんの成長によって、その栄養組成が変化します。6ヶ月の保存ができても、6ヶ月前の母乳が今の赤ちゃんの栄養として十分かどうかはわからないため、やはり早めに与えるのがよいでしょう。

1ヶ月間の保存でも、保存した母乳の栄養と現在出ている母乳の栄養は違うとされています。保存だけの観点から言えば、冷凍保存も問題ないかもしれません。しかし、家庭の冷凍庫の温度はおよそ、マイナス18℃ほどです。ドアの開閉で温度に変化があることを考えても、母乳は早めに与えるのがよいと考えます。

自身の判断で冷凍保存する場合は、保存容器に搾乳の日時を書き、保存期間を過ぎてしまった母乳は、破棄するようにしましょう。

一度解凍すると再冷凍はできないので、1回で使用する分ずつ、小分けでの冷凍がおすすめです。

保存した母乳の飲み方や保存法の注意点

保存した母乳の味方や保存方法には、どんな注意点があるのでしょうか。

飲み残しは捨てる、再冷凍はNG

衛生面を考えて、一度解凍した母乳は再冷凍できません。また、飲み残した場合も再保存はできません。もったいないと思っても、飲み残しは捨てましょう。

電子レンジは使わない

保存した母乳を熱湯で湯煎したり、電子レンジを使って温めると、母乳の栄養や免疫物質が壊れてしまいます。また、飲むときに赤ちゃんがやけどしてしまう場合もあります。授乳時間を逆算して、早めに用意しておきましょう。

搾乳した日時・時間を記載

保存期限が過ぎた母乳を飲ませてしまうことを避けるため、母乳を入れる容器には、搾乳した日時を書いておく必要があります。母乳パックなどの母乳保存の専用パックには、日時を記載できるものも。適切な方法で、安心安全に保存しましょう。

記事監修

Kawai
助産師・看護師
河井恵美

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。

エミリオット助産院

編集部が選んだ!手動式母乳搾乳器のおすすめ

編集部が選んだ手動式母乳搾乳器のおすすめを紹介します。

「搾乳器 (手動) ハーモニー 搾乳器セット」(Medela(メデラ))

メデラ 搾乳器 (手動) ハーモニー 搾乳器セット
メデラ 搾乳器 (手動) ハーモニー 搾乳器セット

回転式ハンドルで左右どちらの手でも使える手動搾乳器です。握りやすく疲れにくいデザイン。バックに入る小型で持ち運びも楽なので、場所を選ばずに使用できます。

「さく乳器 (手動タイプ)母乳アシスト ハンディフィット コンパクト」(ピジョン)

ピジョン さく乳器 (手動タイプ)
ピジョン さく乳器 (手動タイプ)

準備ステップ・搾乳ステップがワンタッチで切替可能で、片手でも簡単に使えます。搾乳口のクッションがおっぱいにやさしくフィットするので、より快適に搾乳することができます。

「さく乳器Jolie」(NUK(ヌーク))

さく乳器Jolie
さく乳器Jolie

哺乳瓶メーカー「NUK(ヌーク)」の手動搾乳器です。付属の保存用キャップ、授乳用ニップルを付け替えれば、搾乳から授乳まで対応可能。全ての部品が食洗器でお手入れ可能です。

編集部が選んだ!電動式母乳搾乳器のおすすめ

編集部が選んだ電動式母乳搾乳器のおすすめを紹介します。

「さく乳器 母乳アシスト電動 Pro Personal(プロ パーソナル)」(ピジョン)

さく乳器 母乳アシスト電動 Pro Personal(プロ パーソナル)
さく乳器 母乳アシスト電動 Pro Personal(プロ パーソナル)

おっぱいにあてるだけで、自動で搾乳ができ、手の負担も少ない電動タイプの搾乳器です。搾乳ステップは3モード×6段階の強さを簡単に選べ、赤ちゃんが吸っているような感覚で搾乳できます。専用アプリがあり、連動させると授乳の記録や管理、赤ちゃんの成長記録もできます。

「電動 スイング 搾乳器 (電動・シングルポンプ)」(メデラ)

電動 スイング 搾乳器 (電動・シングルポンプ)
電動 スイング 搾乳器 (電動・シングルポンプ)

ハンドバッグに簡単に収まる、軽量でコンパクトサイズの搾乳器です。4つのボタンで操作も簡単。11段階の圧が選べ、自然なリズムで搾乳できます。手洗い、煮沸消毒、食洗器使用だけでなく、電子レンジでの消毒も可能です。

「ダブルポンプ電動さく乳器」(MOSFiATA)

ダブルポンプ電動さく乳機
ダブルポンプ電動さく乳器

ダブルポンプ設計で両胸同時に搾乳することができる電動式搾乳器です。催乳モード、マッサージモード、さく乳モードがあります。催乳モードは母乳の分泌を促せ、マッサージモードでは体をリラックスさせます。1回のフル充電で2時間ぐらい連続使用可能、音も静かです。

編集部が選んだ!手絞りでの搾乳に最適な哺乳瓶のおすすめ

編集部が選んだ手絞りでの搾乳に最適なおすすめ哺乳瓶を紹介します。

「さく乳カップ」(ピジョン)

さく乳カップ
さく乳カップ

受け口が広く、手絞りでの搾乳を受けやすい搾乳カップです。乳首・キャップをつけてそのまま赤ちゃんに与えられる「母乳実感哺乳びん」付きです。

「授乳用乳首 カーム 150ml ボトル付」(メデラ)

授乳用乳首 カーム 150ml ボトル付
授乳用乳首 カーム 150ml ボトル付

搾乳した母乳をスムーズに赤ちゃんに飲ませることができる哺乳瓶です。赤ちゃんが吸った分だけ適量を調整して出すことができるので、おっぱいを飲むように、しっかりとあごを使って飲むことができます。

「広口タイプ 哺乳びん 240ml」(チュチュベビー)

広口タイプ 哺乳びん 240ml
広口タイプ 哺乳びん 240ml

広口タイプで搾乳した母乳が入れやすい哺乳瓶です。全パーツ安心の日本製です。たおしてもミルクがこぼれない、安全、清潔設計なので、お出かけにも便利です。

搾乳や保存の方法には十分注意して

入院や外出、仕事などで赤ちゃんと一緒にいられないときでも、搾乳をすれば母乳をあげることができます。搾乳や保存の方法には十分注意して、適切な方法で搾乳しましょう。

 

文・構成/HugKum編集部

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