簡単!おいしい!「健康おやつ」で子供の免疫力アップ

子供にとっておやつは「4番目の食事」
おなかを満たすだけではなく健康も意識して!

子供には大人以上にたくさんの栄養が必要です

子供は、大人よりも体はずっと小さいですが、これから筋肉や血液、骨、歯をつくり、さまざまな器官をつくっていかなくてはならないため、多くの栄養を必要としています。また、活動量が多く、エネルギーも大人以上に消費しています。
必要な栄養素を比べてみると、タンパク質やカルシウム、鉄分など、特に成長に必要な栄養素は、大人のおよそ2倍必要(体重1㎏あたり)。エネルギーも、大人の必要量が体重1㎏あたり40kcal程度なのに対して、子どもは80kcal必要です。

たくさんの栄養が必要なのに消化器官は未熟な子供

大人以上に多くの栄養が必要であるにもかかわらず、食べ物を受け入れて消化する胃、栄養を吸収する腸など、子供の消化器官は、小さくて機能もまだあまり発達していません。
一度に大量の食べ物をとっても消化機能が追いつかずに負担になってしまい、吸収もうまくいきません。そこで子供の場合、必要な栄養は朝食・昼食・夕食という、一日3回ではなく、おやつを加えた4回に分けてとると考えて。
つまり、おやつは単なるお楽しみでも、おなかを満たすためだけのものでもなく、成長に必要な栄養素がとれるものにしたいですね。

 

市販のおやつには成長に必要な栄養素が不足

昔、子供のおやつといえば、ふかした芋や果物、おにぎりなど、成長に必要な栄養のとれるものでした。ところが、現代の子供たちが多く食べている市販のお菓子は、魅力的ではありますが、体をつくるための栄養は不足しているうえ、塩分、糖分、脂質は多すぎます。
ぜひ、お母さんの手作りおやつの日をつくってあげたいですね。おやつ作りというと「難しい!」と思われる方も多いようですが、パティシエが作るようなお菓子である必要はありません。昔のおやつのように、簡単にできて栄養価の高いものが理想的です。

丈夫な体をつくるために必要な栄養素をおやつで

体をつくる栄養素といえば、筋肉や血液の材料になるタンパク質や、骨をつくるカルシウム、血液をつくる鉄分をはじめとするミネラル類など。さらにその生成を助けるビタミン類も重要です。そして、これらは体をつくると同時に、ウイルスなどの外敵から身を守る力、すなわち「免疫力」を強化するためにも大変重要な働きをするのです。
成長期の子供の場合、まずは体をつくるほうに優先的に栄養素が使われるので、免疫力をアップするには、こうした栄養素をよりしっかりととる必要があります。

 

子供の免疫力アップに欠かせない栄養素をおやつで補給!

私たちの体の中には優秀な免疫システムがあります

免疫力とは体を守る働きのこと。外から侵入してきた病原菌やウイルスが増殖するのを抑えたり、体の中にできたがん細胞の芽を破壊したり…。私たちの健康を維持する力のことです。免疫力が低下すると、かぜなどの感染症や病気にかかりやすくなってしまいます。
こうした免疫力は体内の免疫細胞の働きによるものです。免疫細胞はリンパ管や血管を巡回して、菌の侵入やがん細胞の芽など、健康に害を及ぼすものはないかを見張り、発見すると退治してくれます。そして、この免疫細胞が活発に働くかどうかのカギを握っているのが、食べ物に含まれる栄養素なのです。

 

タンパク質ほかビタミン・ミネラルも免疫細胞をつくる

まずは、タンパク質。免疫細胞はタンパク質を材料にしています。免疫細胞は体を守るために働いた後は消滅してしまうので、常に新しい免疫細胞をつくれるよう、タンパク質は毎日補う必要があります。
また、ビタミンA・C・Eには粘膜を丈夫にし、のどや鼻の粘膜からウイルスが侵入するのをブロックしたり、免疫細胞を活性化したりする働きがあります。
そのほか、代謝をサポートして疲れにくい体をつくるビタミンB群や、体の機能を調整するのに欠かせないミネラルなど。多くの種類の栄養をバランスよくとることが何より大切です。

 

腸は最大の免疫器管、腸内環境を整えて免疫力アップ

私たちの体を守ってくれる免疫細胞は血液中に存在して全身を見守っていますが、そのおよそ60%は腸に存在しています。腸には口から入ってきた食べ物とともに、細菌やウイルスなどが多く入ってくるので、その侵入をブロックするのも腸の大切な役目なのです。
そこで、免疫力をアップするためには、腸内環境を整えることが大切。便秘や下痢などで腸内環境が悪化すると、免疫細胞の働きも悪くなります。腸内の老廃物を排出し、善玉菌の餌になる食物繊維や、善玉菌を増やす働きのある乳酸菌をしっかりとりましょう。

 

子供の心と体の成長をおやつで上手にサポート!

免疫力アップに欠かせない栄養素は毎日補給する必要があります。しかし、一日3回の食事ではとりきれないことも多いので、こうした栄養をしっかりととるためにも、4番目の食事であるおやつの存在が重要なのです。
とはいえ、おやつを食べすぎて、3回の食事が食べられなくなっては困ります。お子さんの体格や生活リズムを考え、様子を見ながら与えてください。また、夕食後におやつを欲しがるお子さんもいるようですが、夜遅い時間に食べると、睡眠の邪魔になり、翌日の朝食が進まないなど悪影響になるのでやめましょう。

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子供に食べさせたい簡単「健康おやつ」レシピ5選

 ぷるぷる卵プリン

甘さほんのり…、口当たりツルリ
卵と牛乳からタンパク質、アガーからは食物繊維。
不足しがちな栄養をしっかりカバーできます。

〈 材料 〉大人2人分+赤ちゃん1人分

  • アガー(植物性ゼリーの素)…8g
  • きび砂糖…大さじ5
  • 水…150㎖
  • 牛乳…350㎖ ※電子レンジで20秒ほど加熱する
  • 卵…1個 ※溶きほぐす
  • メイプルシロップ…適量

〈 作り方 〉

  1. ボウルに卵を入れて溶き、牛乳を少しずつ加え、滑らかになるまでよく混ぜる。
  2. アガーときび砂糖を粉のままよく混ぜておく。
  3. 水を入れた鍋に、2をダマにならないように少しずつかき混ぜながら入れ、火にかける。かき混ぜながら溶かし、沸とう後、さらに1~2分よく煮溶かす。火を止めて人肌に冷ます。
  4. 3に1を少しずつ加えて完全に混ぜ、1~2分弱火にかけて卵に火を通す。
  5. 4を好みの型に流し入れ、粗熱をとってから冷蔵庫で1時間ほど冷やし固める。
  6. 器に盛り、大人用にはメイプルシロップをかける。

【memo】
「アガー」とは海藻が主原料のゼリーの素。崩れにくく型の凹凸がきれいに出るのが特徴。

 

うさちゃんロールサンド


くるくる巻いてかわいくデコ!
手で持って食べやすいので、屋外でのおやつタイムにも。
耳の形を変えて小さく作れば「くまさん」に。

〈 材料 〉4人分

  • ゆで卵…4個
  • 食パン…1斤 ※8枚切り、耳をとっておく
  • スライスハム…10枚
  • マヨネーズ…大さじ3
  • バター…適量
  • パセリの軸…2本
  • ラディッシュ…1個

〈 作り方 〉

  1. ゆで卵を細かく刻み、マヨネーズで和えておく。
  2. 食パンにバターを塗り、ハムをのせ、1を塗り、手前からロール状に巻いておく。
  3. 残りのハム2枚で耳、ラディッシュで目、パセリの軸で口を作り、パンにはりつけてラップで包み上下をリボンで結ぶ。

【memo】
型を使ってハムやスライスチーズを星形やハート形に抜き、パンにつけるのも楽しい!

 

りんごのヨーグルトケーキ

 

りんごの栄養がたっぷり!
シャキシャキとしたりんごの歯ごたえが魅力。
ヨーグルトを加えると生地がしっとり。

〈 材料 〉20㎝の丸型1個分

  • A
  • ホットケーキミックス…200g
  • プレーンヨーグルト…200㎖
  • 砂糖…50g

 

  • りんご…1個 ※4等分に切り皮と種を除く
  • 卵…2個 ※溶きほぐす
  • りんごジュース…50㎖
  • サラダ油…50㎖
  • オリーブ油…適量

〈 作り方 〉

  1. りんごは1/4個分を薄いくし形に切り、残りはいちょう切りにする。
  2. ボウルにAを入れて混ぜ、卵、りんごジュース、いちょう切りにした1を入れて混ぜ合わせたらサラダ油を加えて、さらによく混ぜる。
  3. 型にオリーブ油を塗り、2を流して、くし形に切った1を放射状に並べる。
  4. 3を180℃に予熱したオーブンに入れ、中心を竹串で刺して何もついてこなくなるまで40~50分ほど焼き、お好みの大きさに切って器に盛る。※大人用はお好みでミントの葉を飾って。

【memo】
りんごに含まれる食物繊維ペクチンは腸内の乳酸菌の餌になり、腸の調子を整えます。

 

冷凍ベリーとバナナのジェラート

ベリーの酸味×バナナの甘み
子どもたちは、甘〜いバナナが大好き!
ねっとりとした濃厚な食感も楽しめます

〈 材料 〉作りやすい分量

  • バナナ…大1本(正味100g)
  • ミックスベリー(冷凍)…200g
  • 砂糖…大さじ3
  • 牛乳…50㎖

〈 作り方 〉

  1. バナナは1㎝の輪切りにして冷凍しておく。
  2. フードプロセッサーに材料をすべて合わせ、ジェラート状になるまで混ぜて冷やしておいた器に盛る。

【memo】
ベリー類には腸内環境を整えるのに欠かせない食物繊維も豊富に含まれています。

 

さつまいものメイプルシロップ煮

根菜と好相性のメイプルシロップ
メイプルシロップは赤ちゃんにもOK!
すっきりとした上品な甘みが特徴で、和の食材にも合います。

〈 材料 〉大人2人分+赤ちゃん1人分

  • A
    メイプルシロップ…大さじ3
    さつまいも…250g ※1㎝幅の輪切りにして水にさらす
    水…150㎖
  • B
    生クリーム…50㎖
    きび砂糖…大さじ1/2ラム酒…小さじ2
    ミントの葉…適量

〈 作り方 〉

  1. 鍋にAを入れて落としぶたをし、中火で10分煮てさつまいもがやわらかくなったら火を止める。そのまま冷まして味を含ませる。
  2. 赤ちゃん用は1を30g取り分けて、皮をむき、スプーンで形がなくなるまでつぶす。1の煮汁を大さじ1加え混ぜ、器に盛る。
  3. 大人用は残りの1にラム酒を加え、ひと混ぜして器に盛り、ボウルに入れて泡立て器で泡立てたB、ミントの葉を添え、お好みでメイプルシロップ(分量外)をかける。

【memo】
カエデの樹液から作られるメイプルシロップ。ビタミン、ミネラル多種類含まれます。

 

育ち盛りの子供にぴったり!本の中に「健康おやつ」レシピが満載です

「健康おやつ」で子どもに免疫力を育む!
/小学館 本体1,100円(税抜き)

子供は一度の食事で摂取できる栄養素が量的に少なく、消化力も弱いので、おやつは不足している栄養素を補う大切な四番目の食事です。
市販のおやつは、カロリーは取れますが栄養価が心配です。成長期の子どもに必要なのは、自己免疫力をつけるためのタンパク質と腸内環境に善玉菌を増やす栄養素です。

かんたんにできる子どものおやつを、タンパク質・食物繊維・ビタミンB群・カルシウム&ミネラル・ビタミンA、C、Eの栄養素別にレシピを紹介しています。
お子さんの偏食や好き嫌いに悩んでいる方にもおすすめです。

著者

小山浩子|管理栄養士

大手食品メーカーを経て2003年にフリーに。料理教室の講師やメニュー開発、特に育脳レシピを数多く手がける。2014年『目からウロコのおいしい減塩「乳和食」』(主婦の友社)で、グルマン世界料理大賞を受賞。著書に『子どもの脳は「朝ごはん」で決まる!』『かしこい子どもに育つ! 育脳離乳食』(小学館)など多数。最新著書は『やる気と集中力を養う3~6歳ごはん』(池田書店)。公式ホームページ

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