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なんでもイヤイヤ! 『魔の二歳児』とは?
2歳の時期は、多くのお子さんが何につけてもイヤイヤをしたり、ときには暴れてしまったり。そもそもなぜ2歳児は「魔の二歳児」と呼ばれるほど、ママパパたちを困らせる行動を起こしてしまうのでしょうか。
2歳は自我がめばえる時期
2歳を迎えるころになると、子どもは自分の意志を少しずつ持つようになります。自我がめばえる時期でありながら、2歳児にはまだ自分の気持ちをうまく言語化することができず、理性を保つこともできません。その葛藤の末に、ただただ拒否したり暴れたり、「魔の二歳児」と呼ばれるほどに反抗的な態度を見せてしまうのです。
大人は困惑… でも、子どもは真剣
じぶんの意志を持つことやそれを大人たちに伝えようとすることは、大切な成長過程のひとつ。説得すればわかってくれる子もいれば、頑として聞き入れてくれない子もいますが、どちらにしても子どもは真剣です。ついついイライラしてしまいがちですが、大人もおなじように、そのひとつひとつに真剣に向き合ってあげる必要があります。
魔の二歳児はいつからいつまで続く?
「魔の二歳児」と一概に言っても、この時期の始まりと終わりにはもちろん個人差があります。早く始まる子もいれば、なかなか始まらない子もいるようです。
魔の二歳児はいつから始まる?
では、ママパパたちのご家庭では、「魔の二歳児」の時期はいつごろから始まったのでしょうか? アンケートの結果をご紹介します。
Q.お子さんの【魔の二歳児】と言われる時期はいつから始まりましたか?
1位が〜2歳(22.7%)、次いで2位が〜2歳3ヶ月(18.5%)、3位が〜2歳6ヶ月(14.3%)という結果。多くのご家庭から、2歳を迎えたあたりから2歳半頃までに始まったという回答をいただきました。一方で、なかには1歳9ヶ月までには始まっていたという方や、3歳以降まで始まらなかった、むしろ「魔の二歳児」の時期はなかったというご家庭も。
魔の二歳児はいつまで続く?
では、ママパパたちのご家庭では「魔の二歳児」の時期はいつごろまで続いたのでしょうか? こちらもアンケートに寄せられた回答をご紹介。
Q.お子さんの【魔の二歳児】と言われる時期はいつまで続きましたか?
1位が3歳まで(33.3%)ともっとも多い回答。次いで2位が3歳6ヶ月まで(21.2%)、3位が4歳以降(14.1%)という結果でした。なかには、2歳のうちに終わっていたという回答も寄せられましたが少数におさまっています。多くのママパパたちが3歳〜4歳ごろまで続いていたと実感しているようです。
魔の二歳児「あるある!」ママパパたちの体験談
では、「魔の二歳児」の時期を迎えると、どのようなことが起こるのでしょうか? ママパパたちからの「魔の二歳児あるある」体験談をご紹介いたします。
すべてを「イヤ」という
なにを言っても「イヤ」の一点張り! まず寄せられたのは、2歳児の「イヤイヤ」を象徴するようなパターン。オムツ替えやお風呂まで拒否されたり、ついには名前を呼ぶことすら拒否されたなんてエピソードも。代替案も全く効果をもたらさず、気が滅入ってしまったり。
地雷がどこにあるか分からない
昨日まではよかったのに急にイヤイヤしたり、ママパパが「え?ここで?」と思ってしまうようなポイントでイヤイヤが発動すると、どこに地雷があるのか…ママパパも困ってしまいますね。
買い物中にだだをこねる
「これ買って」「帰りたくない」などなど……この時期に特に困ってしまう行動のひとつが、買い物中や出先での駄々。お家での駄々っことは違い、時間の制約や人の目も気になったりとママパパの心労は絶えません。
激しく泣いて場所を構わず寝そべってしまう
出先での駄々っこでさらに参ってしまうのが、泣いて床にねそべってしまうパターンです。断固として動かないという強い意志は、もはや感心してしまうほど。仕方なく抱っこで強制回収されるまでがお決まりの流れ。
なんでも自分でやりたがる
頭ではできると思っていることと実際の身体能力のズレは、2歳児が抱える大きな葛藤のひとつ。自分でやりたい! 手伝わないで! でもできない! 自分でやりたがるまではいいものの、結局できず、やさしく手を貸してあげたつもりなのになぜか逆上された……そんな経験も「魔の2歳児あるある」のひとつ。
ごはんを食べてくれない
イヤイヤの中でもママパパたちが特に手を焼くのが、ごはんを食べてくれないパターン。好き嫌いが激しくなったり、頑ななパターンだと、そもそも食べようとしてくれなかったり。なにより栄養面が心配なので、多くのママパパたちが対策に頭を悩ませたようです。
暴れる・物を投げる
また、ただイヤイヤをするだけではなく、暴れたり物を投げたりするのも困りもの。2歳にもなるとだいぶ力も強くなり、歯止めが効かないなんてことも。
パジャマのまま登園
着替えを嫌がるのもこの時期のあるあるですね。時間のない朝に、パジャマのまま登園させたという体験談が寄せられました。
どう乗り越える?ママパパたちが実践した対処法
「魔の二歳児」という時期は成長していく上での大切な過程、とはもちろん頭ではわかっていても、毎日のこととなるとついついお手上げしてしまいたくなるもの。ママパパたちはどのようにしてこの時期を乗り切ったのでしょうか。アンケートに寄せられた対処法をご紹介します。
冷静に対応する
まず挙がった対処法が、とにかく冷静に対応すること。お子さんと一緒に激昂してしまうとお互いに疲れてしまいます。「魔の二歳児」による理不尽な行動にイライラしてしまったときは「心の中でシャッターを下ろすイメージ」で、一旦冷静に。大人はできるだけ心に余裕を持っていられるように、適度にストレス発散の場をつくっておくことも大切です。
向き合ってコミュニケーションをとる
なかには、根気強くコミュニケーションをはかることでなんとか対処していたというお声も。イヤイヤをしているときの子どもは、なにがイヤなのか、どうしたいのか、自分自身がよくわかっていない場合があります。なんとか向き合って、お子さん自身の気持ちを整理してあげるのも有効な対処法のようです。
選択肢を与えて選ばせる
たとえば靴下を履いてくれないときは、柄違いのものをいくつか用意し「どれがいい?」と聞いてみるなど、選択肢を与えて選ばせることでうまくいっていたという声も寄せられました。選択肢を与えることは、この時期のお子さんに有効な対処法として代表的。「自分で選ぶ」という行為が、2歳児の自我や自立心を満たしてくれるようです。
遊び感覚の要素を入れて行動させる
ユーモアを交えたやり方もお子さんによっては有効なようです。イヤイヤをしているとき、「3、2、1!」と時間制限をつけたり、ちょっとしたゲーム性を取り入れてあげることで楽しくやってくれることも!
やってほしいことの反対を言ってみる
何でもイヤイヤと言うお子さんを見て、行動してほしいことと反対の言葉がけをした体験談も。お子さんの行動を逆手にとった対処法が上手くいったケースもあるようです。
いつかは終わるものと考え、時期をまつ
大切なのは「いつかは終わるもの」という意識を持つこと、というアドバイスもいただきました。「魔の二歳児」の時期を乗り越えたママパパのお子さんや、街ですれ違うお兄さん・お姉さんを見て、この時期にも限りがあるということを明確にイメージしておくと希望を持つことができそうです。
この時期は子どもの成長の証し。時にはママパパ自身のことも褒めてあげて!
ここまでご紹介してきたように「魔の二歳児」は大変な時期である一方で、大切な成長過程の一環でもあります。また、お子さんの反抗やイヤイヤはしっかり成長している証しともいえます。ママパパたちにとっては悩みの絶えない時期ではありますが、時にはここまで育児してきた自分自身を褒めてあげながら、ポジティブに向き合っていきましょう。
構成・文/羽吹理美